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Kubernetes × GPU Operator × Knativeで実現するGPUaaS 〜AIエージェント時代にGPUを「占有しない」インフラ設計〜

Last updated at Posted at 2026-01-22

Kubernetes × GPU Operator × Knativeで実現するGPUaaS

〜AIエージェント時代にGPUを「占有しない」インフラ設計〜

はじめに

近年、LLMを中心とした AIエージェント が急速に発展しています。

  • 対話型AI
  • 自律エージェント
  • マルチエージェントによる業務自動化
  • 推論APIを中心としたサービス提供

これらを支える基盤として、GPUは必須の計算資源になりました。

一方でGPUは、

  • 非常に高価
  • 常時100%使われるとは限らない
  • ベアメタル前提だとスケールしづらい

という課題も抱えています。

本記事では、

Kubernetes × NVIDIA GPU Operator × Knative

を組み合わせた GPUaaS(GPU as a Service) という考え方について、

  • 技術的観点
  • SRE / インフラ設計視点
  • CI/CD・運用
  • ビジネスモデル
  • そして少し先の未来

まで含めて整理します。


背景:AIエージェント時代にGPU基盤はどう変わるか

AIエージェント系のワークロードには、次の特徴があります。

  • GPU使用は断続的
  • バースト的に負荷がかかる
  • 常時GPUを使い切るケースは少ない

それにもかかわらず、

GPUを1ユーザ・1アプリで占有する設計

を続けると、

  • GPU利用率が伸びない
  • コスト効率が悪い
  • 小規模ユーザを大量に収容できない

という問題が顕在化します。

ここから、

GPUを「占有する資源」ではなく
**「共有・スケールするサービス」**として扱えないか

という発想が生まれます。


ベアメタルGPU運用の限界(SRE視点)

ベアメタルGPUの特徴

  • GPUは1台のサーバに直結
  • 1ユーザ or 1アプリが占有
  • スケールはノード追加のみ

問題点

  • GPUがアイドルでも他に使わせられない
  • キャパシティプランニングが難しい
  • バースト負荷に弱い
  • ROIが伸びない

👉 AIエージェントの特性と相性が悪い


KubernetesによるGPUの抽象化

Kubernetesを使うことで、GPUは

  • ノード固有の物理資源
    Podから利用できる論理リソース

として扱えるようになります。

ここで重要になるのが NVIDIA GPU Operator です。


NVIDIA GPU Operator(公式)

GPU Operatorは、GPU利用に必要な

  • NVIDIA Driver
  • CUDA Toolkit
  • Device Plugin
  • DCGM(監視)

Kubernetesネイティブに管理します。

SRE視点の価値

  • GPUノードのセットアップを自動化
  • ノード入替・増設の再現性向上
  • GPUも「コードで管理できるインフラ」になる

MIG(Multi-Instance GPU):ハードウェア分割

MIGは、GPUをハードウェアレベルで分割し、
独立したGPUインスタンスとして扱う仕組みです。

特徴

  • 各インスタンスは独立した計算・メモリ領域
  • 推論・小規模処理に最適
  • マルチテナント設計と相性が良い

Time Slicing:時間共有(オーバーサブスク)

Time Slicingは、GPU時間を複数Podで共有する仕組みです。

注意点(重要)

  • GPUが増えるわけではない
  • ワークロードによって性能が変動
  • 監視・SLO設計が重要

👉 用途を選べば強力だが万能ではない


MIGとTime Slicingの使い分け

観点 MIG Time Slicing
分離性
予測性
向く用途 推論 / マルチテナント バースト / 開発用途

KnativeによるGPUのオンデマンド化

Knativeを使うことで、

  • リクエスト時のみPod起動
  • リクエストがなければ Scale to Zero

が可能になります。

GPU × Knative の価値

  • GPUを「使わない時間は完全に解放」
  • AIエージェントの断続利用に最適
  • GPUをON/OFFする発想から脱却

GPUaaS 全体アーキテクチャ

構成要素

  • Kubernetes Cluster
  • NVIDIA GPU Operator
  • MIG / Time Slicing
  • Knative Serving
  • 推論・エージェントPod

動作フロー

  1. リクエスト到達
  2. KnativeがPod起動
  3. GPU割当
  4. 処理完了後Scale to Zero

SRE・インフラ設計思想

  • GPUもCPU/メモリと同列に扱う
  • 利用率をKPIにする
  • 常時利用系とバースト系を分離
  • 障害時は自動復旧前提

👉 GPU込みでSREできる世界


CI/CD・運用

  • 推論コンテナをGitOps管理
  • GPU Operator設定もコード化
  • Canary / Blue-Greenでモデル更新
  • GPUメトリクスをDCGMで監視

ビジネスモデルとしてのGPUaaS

観点 ベアメタル GPUaaS
利用効率
収容ユーザ
スケール 手動 自動
AIエージェント適性

👉 GPU単価あたりの価値を最大化


GPUは「電力」に近いインフラ資産になるのではないか(未来)

少し妄想も含みますが、
GPUは今後 電力と同じレベルの重要インフラ資産になると考えています。

  • 一家に一台GPUを持つのではなく
  • 地域単位でGPUセンターが整備され
  • 必要なときにGPUを“引き込む”

これは、

一家に一台発電機を持たず、電力会社から電気を引く

という構造と非常によく似ています。

この世界ではGPUは、

  • 占有するハードウェアではなく
  • 共有される社会インフラ

になります。

GPUaaSは、その未来に向けた
現実的で実装可能な第一歩だと考えています。


まとめ

今までのまとめとしてGPUaaSの簡単な構成図を添付します。(ツッコミどころが多いのはご容赦)
781e1eee-c52c-42c9-b42f-206299c72c0b.png

  • AIエージェント時代にはGPUaaSが合理的
  • KubernetesでGPUを抽象化
  • GPU Operatorで運用を自動化
  • MIG / Time Slicingで収容効率向上
  • Knativeでオンデマンド化
  • 技術・SRE・ビジネスすべてで成立する

GPUは、

占有する資源から、共有・スケールするサービスへ

進化していきます。

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