プラクティス名
リーダーズインテグレーション
プラクティスの目的・狙い
- リーダーとメンバーの一体感を醸成する(信頼関係の構築)
どんな時に使うか
- 新任リーダーが着任した時(またはリーダが交代した時)
- リーダー自身がメンバーとの間に距離があると感じる時
リーダー:PO、SM、テックリードなどチームのキーマンとなる人
実施手順
- リーダーとメンバーを会議室に集め、ファシリテーターから進め方を説明する(5分)
- リーダーから自己紹介、抱負、目標や方針、仕事の価値観などを伝えてもらう(5分)
- リーダーだけ退室する
- メンバーで下記4点について会話し、付箋に書き出してボードに貼る(10分×4)
①リーダーについて「知っていること」
②リーダーについて「知りたいこと」
③リーダーに「知っておいて欲しいこと」
④リーダー/チームのために「自分たちができること」 - メンバーが退室し、リーダーが入室する
- ファシリテーターが議論の流れや行間をリーダーに説明する(10分)
- リーダーは付箋を見ながら回答を考える(10分)
- メンバーが入室する
- リーダーからメンバーに回答する(25分)
- フリートークでざっくばらんに雑談する(25分)
時間は合計2時間で行う場合の目安です。状況や人数に応じて適宜加減して下さい。ファシリテーターは匿名性に配慮し、心理的安全性を高めるようにします。尖った質問が挙がった場合は言葉を丸めるなど建設的な方向に促しましょう。
アレンジ例
- 冒頭にアイスブレイクを入れる
- 会議終了後、そのまま懇親会になだれ込む
アンチパターン
- 付箋を記名式にする。あとで誰が書いたかを尋ねる。
- ファシリテーターをチームのマネージャーなど役職者が務める(→場の心理的安全性が損なわれてしまうことがあるため、できればチーム外の中立者が望ましい)
参考情報
参考書籍1
参考書籍2
こぼれ話(私的コメント)
以前、チームから離任するメンバーがいる時に行う『卒業式』というプラクティスを紹介しましたが、こちらはその逆で『入学式』ともいえる儀式です。
このプラクティスは新任リーダをチームに合流させる汎用的なファシリテーション手法なので、アジャイル開発に限らず(もっといえばソフトウェア開発に限らず)適用することができます。
僕のいる現場ではPOが開発期間中に変わるということがたまにあります。SMとしてはマジで勘弁して下さい、と言いたくなる状況ですが、組織の都合というものは否応なくというケースがほとんどです。そういった場合はせめて新任者がスムーズにチームに合流できるように取り計らうのもSMの務めかな、と思っています。