プラクティス名
スプリントゴール
プラクティスの目的・狙い
- そのスプリントでチームが目指すべき場所を1つにする
- ゴールを達成するための手段について、柔軟な判断を可能にする
どんな時に使うか
- スクラムでは必須(スプリントプランニングで決定する)
- DEVがPBIを消化することだけが目的になってしまっている時
実施手順
- POが今回のスプリントゴールを簡潔な言葉で提案する(ことが多い)
- コミットできない点や、人によって解釈が異なる部分がないことを確認する
- DEVがそのゴールにコミットする
- スプリント中、常に目にする場所にスプリントゴールを掲示する
スプリントゴールを定義しないとどうなるか?
スプリントの唯一の目的は「選択したPBIを全て消化すること」になります。
それが目的になってしまうとDEVは「PBIを消化するマシーン」と化します。
例えばスプリント中にそのPBIを消化しても本来の目的にはあまり役立たないことが分かったとしても、別のPBIに入れ替えるといった発想はできず、作業は硬直化します。
スプリントゴールという別の「目的」があることで、PBI消化はそのための「手段」となり、目的が達成できるのであれば別のやり方でもよいという柔軟な判断ができるようになるのです。
アレンジ例
- 今回のスプリントにスプリントゴールにちなんだ名前をつける
(例えばゴールが「新たなユーザ獲得につながる機能をリリースする」なら「ユーザ獲得スプリント」と呼称する)
アンチパターン
- 選択されたPBIの要素を全て羅列して、"全部入り"の一行にまとめようとする
(→本来、スプリントゴールは選択されたPBIよりも一段抽象度の高いものになるハズ)
参考情報
こぼれ話(私的コメント)
僕の経験では初心者スクラムチームがスルーする確率が最も高いプラクティスがコレです。最初にSMから説明されてもピンとこない→なんとなくそれっぽいスプリントゴールを立ててやってみる→効果が実感できないのでそのうちやらなくなる、という負のスパイラルに陥っているチームをよく見かけます。そんな時はSMからPOに「これはあなたがDEVをドライブするために用意された便利なハンドルですよ」と教えてあげることをオススメしています。
「スプリントゴール」と「プロダクトゴール」の違いについては別の記事にまとめています。