場合分けによるMobiIeIP経路制御最適化における事前、事後登録方式について
小川清()澤井新()飯田登()渡辺尚(**)
名古屋市工業研究所(*つ静岡大学情報学部(*つ浜松大学(つ
情報処理学会第 63 回(平 成 13 年後期)全国大会
SelectionandPre/PostRegistrationOf
mobilitysupportonuserneeds
OGAWAKiyoshi(),SAWAIArata(),
IIDA
Noboru,WATANABETakashi()
()NagoyaMunicipaIlndustrialResearch
lnstitute(),FacuItyofInformationShizuoka
Univercity(),UnivercityofHamamatsu()
はじめに
インタネットにおける無線を利用した移動を
支援するために、移動の種類を場合に分け、具
体的な移動の方法に対応した通信規約を考慮し
た。インタネットでは、固定的な割当によらな
いプライベートアドレスの利用と、サーバによ
りその都度IPアドレスを割り振るDHCPの利
用が増えている。そこで、プライベートアドレ
スと可変アドレスに対応した通信経路最適化方
式を提案する。本提案では、移動の事前、事後
の登録を可能にすることと、プライベートアド
レス、可変アドレスを含む4つの状態からそれ
それへの移動を可能にする方式を含むことが特
徴である。
1 移動の場合分け
IPを利用した機器の移動で、人を伴う移動について、次の場合の移動を考慮することとした。
・自宅と学校、仕事場間の移動
あらかじめ決まった場所の間を、予定した時間に移動する場合で、移動先相互に、移動先を通知して差し支えない場合である。
・仕事場と客先の移動
客先の移動には、多くの顧客を対象とした営業のように、短時間に、近距離で多くの地点を移動する場合がある。1日に数箇所程度を移動するだけの場合もある。移動先を通知してよい場合と、そうでない場合がある。
・長距離出張の場合(旅行を含む)
長距離の出張の場合は、長時間の交通手段の利用と、出張先、宿泊先への移動を考える。仕事場、または自宅に、移動先を通知してもよい場合とそうでない場合がある。
・買い物、遊びの場合
買い物に行ったり、町に遊びに行く場合には、不特定の場所へ、不特定の時間滞在する。移動先を仕事場・自宅に知られたくない場合がある。
・事件・事故
予測可能な場合もあるが、原則的に移動地点の特定、到達時間、滞在時間は事後に確定する。
事前に移動がわかる場合と、そうでない場合
ClassAddress
表2プライベートアドレス
世界中にいくつでも存在することが可能である。
イベートアドレスと呼ばれる内部アドレスは、世界中で唯一のアドレス付けに対して、プラ
・アドレスの唯一性(umqueness)
事前、事後の登録方式を利用する移動の場合分けを、IPアドレスにより区分し直す。
2ーPによる場合分け
のどちらにも対応できる方式を検討する
10.0.0.0・10.255.255.255
172.16.0.0・172.31.255.255
192.168.0.0-192.168.255.255
サプネットを構築したり、さらにNATによりサービスの種類によっては、クラスAのネットワークの中に、さらにNATによりクラスBのクラスCのサプネットを構築することも可能である。そのため、プライベートアドレスだけで、無限に近い機器をネットワークに接続することが可能である。
・アドレスの可変性(static-flow)
固定アドレス方式では、各ノードが持っ値に制約を受ける。それに対して、DHCPのような可変アドレス方式がある。IPアドレス、ネットマスク、デフォルトゲートウェイもその都度受け取ることも可能である。プロキシを利用している場合に、その設定も自動取得し、可変に対応することが可能である。
・移動の組み合わせ
表3IPに目した移動の種類
固定アドレス可変アドレス
内部アドレスB
割当アドレスA
である。事前登録は容易である。
と、Ⅲトンネルを利用することにより自動設定可能
を設定し、利用可能なアドレスを選択できる仕組み
は、一つのインタフェースに、2つ以上の固定ドレス
固定アドレスから固定アドレスに移動する場合に
・1つのインタフェースで2つの旧
ル化)。事前の登録方式の実現は容易である。
はなく、気付けアドレス宛のバケットで覆う(カプセ
レス)の下にあるとき、そのアドレスに直接送るので
こでは、送りたい相手が特定のアドレス(気付けアド
ットでカプセル化(覆い隠す)ことにより送信する。
IPトンネルは、特定の旧バケットを、別の旧バケ
・甲トンネル
IPに着目した移動の種類に応じて、事前、事後の登録方式の容易さを検討した。
4 IPによる移動の場合分けと事前、事後登録
MobileIPと、その経路最適化の方式を選択可能にするとともに、事前登録によるキャッシュを保持できるものとする。
通-・方式
事後登録
移動元IP・ドメイン名、移動先IP・ドメイン名、経路、到着予定時間、滞在時間、次移動先、認証方法、通信方式を登録する。
登録内容
MobileIPにおけるHome AgentとForeign Agentまたは移動端末の間に、認証が明確になっていれば、事後登録が可能である。
事前登録
おけるForeignAgentがない場合は、移動端末自体にIPトンネルの機能を持たせる。かれ、事前登録を行う。移動先にM。bileIPによく2以上の地点を移動し、移動先が予め分
3 事前登録と事後登録の可能性
4つの場合への移動であるため、16種類ある。移動の種類としては、表1の4つの場合から、
・DHCPと固定アドレスの選択
移動前と移動後が、DHCPと固定アドレスの組み合わせで、DHCPが利用可能な場合は、DHCPを利用し、それ以外は、指定した固定アドレスを利用する。移動先と移動元が内部アドレスで、2個所以上移動先が存在する場合は、判定は容易でない。
・DHCP、Proxyの自動設定
可変アドレス間の移動で移動前と移動後のサプネットの設定が異なる場合には、移動後にDHCP、Proxyの設定を自動取得できればよい。目した移動の種による課題・技術
4IPに
行0
必要となる主な課題・技術
IPトンネル,
1インタフェースで2IP
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,固定アドレスの選択
1インタフェース2IP
外部アドレス、GWの識別
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,Proxyの自動設定
DHCP,Proxyの自動設定
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,固定アドレスの選択
DHCP,Proxyの自動設定
外部アドレス、GWの識別
容易
・外部アドレス接続、ゲートウェイ(GW)の識別内部アドレス間の移動の場合、ほとんど同じような設定のサプネット設定間を移動する場合がある。この場合に、移動ノードが、移動をにアドレスだけで識別するためには、外部アドレスとの接続地点のアドレスと、そこまでの経路のゲートウェイを識別することにより、ネットワークの移動が判定できる。ただし、移動先がD日cpで割り振られた先にある場合には、動的なDNSの利用などを検討する。
今後の課題
登録方式について実装するとともに、各条件における実験を行い、他方式との詳細な比較を行うのが今後の課題である。
参考文献
[1]MobileIP,www.rfceditor.org 図Lin6.www.wide.ad.jp
[3]小川,澤井,飯田,渡辺,“場合分けによるMobiIeIP経路最適化における一方式”,情報処理 MBL研究会,2001年9月