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労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

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労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

(平成四年法律第九十号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/404AC0000000090

雇用保険法等の一部を改正する法律(令和二年法律第十四号)

目次

第一章 総則(第一条―第三条の二)
第二章 労働時間等設定改善指針等(第四条・第五条)
第三章 労働時間等の設定の改善の実施体制の整備等(第六条―第七条の二)
第四章 労働時間等設定改善実施計画(第八条―第十四条)
附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、我が国における労働時間等の現状及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)

第一条の二 この法律において「労働時間等」とは、労働時間、休日及び年次有給休暇(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものをいう。以下同じ。)その他の休暇をいう。
2 この法律において「労働時間等の設定」とは、労働時間、休日数、年次有給休暇を与える時季、深夜業の回数、終業から始業までの時間その他の労働時間等に関する事項を定めることをいう。

(事業主等の責務)

第二条 事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。
2 事業主は、労働時間等の設定に当たっては、その雇用する労働者のうち、その心身の状況及びその労働時間等に関する実情に照らして、健康の保持に努める必要があると認められる労働者に対して、休暇の付与その他の必要な措置を講ずるように努めるほか、その雇用する労働者のうち、その子の養育又は家族の介護を行う労働者、単身赴任者(転任に伴い生計を一にする配偶者との別居を常況とする労働者その他これに類する労働者をいう。)、自ら職業に関する教育訓練を受ける労働者その他の特に配慮を必要とする労働者について、その事情を考慮してこれを行う等その改善に努めなければならない。
3 事業主の団体は、その構成員である事業主の雇用する労働者の労働時間等の設定の改善に関し、必要な助言、協力その他の援助を行うように努めなければならない。
4 事業主は、他の事業主との取引を行う場合において、著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと、当該他の事業主の講ずる労働時間等の設定の改善に関する措置の円滑な実施を阻害することとなる取引条件を付けないこと等取引上必要な配慮をするように努めなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)

第三条 国は、労働時間等の設定の改善について、事業主、労働者その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつその実情に応じてこれらの者に対し必要な指導、援助等を行うとともに、これらの者その他国民一般の理解を高めるために必要な広報その他の啓発活動を行う等、労働時間等の設定の改善を促進するために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。
2 地方公共団体は、前項の国の施策と相まって、広報その他の啓発活動を行う等労働時間等の設定の改善を促進するために必要な施策を推進するように努めなければならない。

(適用除外)

第三条の二 この法律は、国家公務員及び地方公務員並びに船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員については、適用しない。

第二章 労働時間等設定改善指針等

(労働時間等設定改善指針の策定)

第四条 厚生労働大臣は、第二条に定める事項に関し、事業主及びその団体が適切に対処するために必要な指針(以下「労働時間等設定改善指針」という。)を定めるものとする。
2 厚生労働大臣は、労働時間等設定改善指針を定める場合には、あらかじめ、関係行政機関の長と協議し、及び都道府県知事の意見を求めるとともに、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
3 厚生労働大臣は、労働時間等設定改善指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4 前二項の規定は、労働時間等設定改善指針の変更について準用する。
(要請)
第五条 厚生労働大臣は、労働時間等の設定の改善のための事業主の取組の的確かつ円滑な実施のため必要があると認めるときは、関係団体に対し、労働時間等の設定の改善に関する事項について、必要な要請をすることができる。

第三章 労働時間等の設定の改善の実施体制の整備等

(労働時間等の設定の改善の実施体制の整備)

第六条 事業主は、事業主を代表する者及び当該事業主の雇用する労働者を代表する者を構成員とし、労働時間等の設定の改善を図るための措置その他労働時間等の設定の改善に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることを目的とする全部の事業場を通じて一の又は事業場ごとの委員会を設置する等労働時間等の設定の改善を効果的に実施するために必要な体制の整備に努めなければならない。

(労働時間等設定改善委員会の決議に係る労働基準法の適用の特例)

第七条 前条に規定する委員会のうち事業場ごとのものであって次に掲げる要件に適合するもの(以下この条において「労働時間等設定改善委員会」という。)が設置されている場合において、労働時間等設定改善委員会でその委員の五分の四以上の多数による議決により労働基準法第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項(同条第二項及び第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この条において同じ。)、第三十二条の四第一項及び第二項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第二項及び第五項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、第三十八条の三第一項並びに第三十九条第四項及び第六項の規定(これらの規定のうち、同法第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項及び第二項並びに第三十六条第一項の規定にあっては労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下この条において「労働者派遣法」という。)第四十四条第二項の規定により読み替えて適用する場合を、労働基準法第三十八条の二第二項及び第三十八条の三第一項の規定にあっては労働者派遣法第四十四条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この条において「労働時間に関する規定」という。)に規定する事項について決議が行われたときは、当該労働時間等設定改善委員会に係る事業場の使用者(労働基準法第十条に規定する使用者をいう。次条において同じ。)については、労働基準法第三十二条の二第一項中「協定」とあるのは「協定(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第七条に規定する労働時間等設定改善委員会の決議(第三十二条の四第二項及び第三十六条第八項において「決議」という。)を含む。次項、次条第四項、第三十二条の四第四項、第三十二条の五第三項、第三十六条第八項及び第九項、第三十八条の二第三項並びに第三十八条の三第二項を除き、以下同じ。)」と、同法第三十二条の四第二項中「同意」とあるのは「同意(決議を含む。)」と、同法第三十六条第八項中「代表する者」とあるのは「代表する者(決議をする委員を含む。次項において同じ。)」と、「当該協定」とあるのは「当該協定(当該決議を含む。)」として、労働時間に関する規定(同法第三十二条の四第三項並びに第三十六条第三項、第四項及び第六項から第十一項までの規定を含む。)及び同法第百六条第一項の規定を適用する。
一 当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名されていること。
二 当該委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されていること。
三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件
(労働時間等設定改善企業委員会の決議に係る労働基準法の適用の特例)
第七条の二 事業主は、事業場ごとに、当該事業場における労働時間等の設定の改善に関する事項について、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第六条に規定する委員会のうち全部の事業場を通じて一の委員会であって次に掲げる要件に適合するもの(以下この条において「労働時間等設定改善企業委員会」という。)に調査審議させ、事業主に対して意見を述べさせることを定めた場合であって、労働時間等設定改善企業委員会でその委員の五分の四以上の多数による議決により労働基準法第三十七条第三項並びに第三十九条第四項及び第六項に規定する事項について決議が行われたときは、当該協定に係る事業場の使用者については、同法第三十七条第三項中「協定」とあるのは、「協定(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第七条の二に規定する労働時間等設定改善企業委員会の決議を含む。第三十九条第四項及び第六項並びに第百六条第一項において同じ。)」として、同項並びに同法第三十九条第四項及び第六項並びに第百六条第一項の規定を適用する。
一 当該全部の事業場を通じて一の委員会の委員の半数については、当該事業主の雇用する労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、当該労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては当該労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名されていること。
二 当該全部の事業場を通じて一の委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されていること。
三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件

第四章 労働時間等設定改善実施計画

(労働時間等設定改善実施計画の承認)

第八条 同一の業種に属する二以上の事業主であって、労働時間等の設定の改善の円滑な実施を図るため、労働時間等設定改善指針に即して、業務の繁閑に応じた営業時間の設定、休業日数の増加その他の労働時間等の設定の改善が見込まれる措置(以下「労働時間等設定改善促進措置」という。)を実施しようとするものは、共同して、実施しようとする労働時間等設定改善促進措置に関する計画(以下「労働時間等設定改善実施計画」という。)を作成し、これを厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣に提出して、その労働時間等設定改善実施計画が適当である旨の承認を受けることができる。
2 労働時間等設定改善実施計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 労働時間等設定改善促進措置の実施により達成しようとする目標
二 労働時間等設定改善促進措置を実施する事業場
三 労働時間等設定改善促進措置の内容及びその実施時期
四 その他省令で定める事項
3 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、第一項の承認の申請があった場合において、その労働時間等設定改善実施計画が次に掲げる基準に適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする。
一 前項第一号に掲げる目標が同項第二号に掲げる事業場の労働者の労働時間等に関する実情に照らして適切なものであること。
二 前項第三号に掲げる事項が同項第一号に掲げる目標を確実に達成するために必要かつ適切なものであること。
三 一般消費者及び関連事業主の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。
四 当該労働時間等設定改善実施計画の実施に参加し、又はその実施から脱退することを不当に制限するものでないこと。
4 厚生労働大臣は、前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くものとする。
5 厚生労働大臣は、第三項の承認をするに当たっては、同項第一号に規定する労働者の意見を聴くように努めるものとする。

(労働時間等設定改善実施計画の変更等)

第九条 前条第一項の承認を受けた者(以下「承認事業主」という。)は、当該承認に係る労働時間等設定改善実施計画を変更しようとするときは、厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣の承認を受けなければならない。
2 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、前条第一項の承認をした労働時間等設定改善実施計画(前項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの。以下「承認計画」という。)が同条第三項の基準に適合するものでなくなったと認めるときは、承認事業主に対して、当該承認計画の変更を指示し、又はその承認を取り消さなければならない。
3 前条第三項の規定は、第一項の承認について準用する。

(公正取引委員会との関係)

第十条 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、第八条第一項の承認(前条第一項の規定による変更の承認を含む。以下この条において同じ。)をしようとする場合において、必要があると認めるときは、当該承認に係る申請書の写しを公正取引委員会に送付するとともに、公正取引委員会に対し、当該労働時間等設定改善実施計画に定める労働時間等設定改善促進措置に係る競争の状況に関する事項、当該労働時間等設定改善促進措置の実施が当該競争に及ぼす影響に関する事項その他の必要な事項について意見を述べるものとする。
2 公正取引委員会は、必要があると認めるときは、厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣に対し、前項の規定による送付に係る労働時間等設定改善実施計画について意見を述べるものとする。
3 公正取引委員会は、第一項の規定による送付に係る労働時間等設定改善実施計画であって厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣が第八条第一項の承認をしたものに定めるところに従ってする行為につき当該承認後私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定に違反する事実があると思料するときは、その旨を厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣に通知するものとする。
4 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、公正取引委員会に対し、当該承認後の労働時間等の動向及び経済的事情の変化に即して第一項に規定する事項について意見を述べることができる。
5 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、第三項の規定による通知を受けた場合において、当該通知に係る承認計画が前条第二項に規定する場合に該当することとなるときは、当該承認計画につき、同項に規定する措置をとるものとする。
6 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、前条第二項の規定により第一項の規定による送付に係る承認計画の承認を取り消したときは、公正取引委員会に対し、その旨を通知するものとする。

(援助等)

第十一条 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、承認計画の的確な実施を確保するため、承認事業主に対し、必要な情報及び資料の提供、承認計画の実施に関する助言を行う者の派遣その他必要な援助を行うように努めるものとする。
2 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、承認事業主による承認計画に定める労働時間等設定改善促進措置の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、当該承認事業主と取引関係がある事業主又はその団体に対し、労働時間等の設定の改善を促進するために必要な協力を要請することができる。

(報告の徴収等)

第十二条 厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、承認事業主に対し、承認計画の実施状況について報告を求めることができる。
2 承認事業主が前項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、厚生労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣は、当該承認計画の承認を取り消すことができる。
3 第十条第六項の規定は、前項の規定による承認計画の承認の取消しについて準用する。この場合において、第十条第六項中「第一項」とあるのは、「第十条第一項」と読み替えるものとする。

(厚生労働大臣の権限の委任)

第十三条 第八条から前条までに規定する厚生労働大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
2 前項の規定により第八条に規定する厚生労働大臣の権限が都道府県労働局長に委任された場合には、同条第四項中「労働政策審議会」とあるのは、「都道府県労働局に置かれる政令で定める審議会」とする。

(都道府県が処理する事務等)

第十四条 第八条から第十二条までに規定する当該業種に属する事業を所管する大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
2 第八条から第十二条までに規定する当該業種に属する事業を所管する大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。

附則

この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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