書籍概要
書名:実戦で学ぶコード改善の極意 5行ルールで強く美しくリファクタリングする
著者:Christian Clausen
翻訳:松田 晃一
テーマ:リファクタリング
使用言語:TypeScript
書評
書名に記載のある5行ルールに従ってコードを修正していく過程を、様々なリファクタリング手法を演習を通して体験することができます。
リファクタリングを行う目的や対象について明確に説明されており、なぜリファクタリングが必要なのか、どのようなコードを改善すべきかを体系的に学ぶことができました。
良かった点
特に第一部では、実際に手を動かしながらリファクタリングを進める構成になっており、単なる理論ではなく、リファクタリングの過程そのものを体験できる点が良かったです。その過程で、オブジェクト指向設計の考え方にも触れることができました。
第二部では、リファクタリングの具体例やNG行動例が豊富に記載されており、非常に参考になりました。
難しかった点、注意点
普段 C 言語を使用し組み込み開発に従事している私にとって、TypeScript を用いた演習はやや負荷が高く感じられました。
オブジェクト指向に十分慣れていない状態では、リファクタリング手順そのものが複雑に見える場面もあります。
また、本書の内容には C言語的なシンプルな実装思想とは相性の悪い設計も含まれており、普段 if / switch を中心とした実装を行っている人や、抽象化をあまり必要としない開発をしている人には、取捨選択しながら読む必要があると感じました。
さらに、本書ではリアルタイム性や精度など、パフォーマンスが求められる箇所はリファクタリングするべきでないと記載があり、コード改善による処理性能の向上について知りたい人向けではありません。読みやすさや修正しやすさといった、保守性の向上がメインです。