はじめに
Claude Codeの内蔵Exploreエージェント(コードベース検索用のサブエージェント)は、これまで一貫してHaikuモデルで動いていました。安価に大量のファイル探索を回せることが前提の設計です。ところが2026年7月1日リリースのv2.1.198で、この前提が静かに変わりました。
この記事でわかること
- Explore エージェントのモデル選択ロジックがどう変わったか(公式リリースノートの原文付き)
- Anthropicの公式料金表から計算した、実際のコスト増加倍率
- 意図しないコスト増を防ぐための、
settings.json設定1行
対象読者
- Claude Codeを日常的に使っている開発者
- サブエージェントのコストを管理したいチームの担当者
前提環境
- Claude Code v2.1.198以降
- メインセッションのモデル: Sonnet 5 または Opus 4.8
TL;DR
- ExploreエージェントはHaiku固定から「メインセッションのモデルを継承(上限Opus)」に変更された
- メインセッションがSonnet 5なら 約2.6倍、Opus 4.8なら 約6.5倍 のコストになる(筆者が公式料金表から算出)
-
.claude/settings.jsonにAgent(model:opus)のdeny/askルールを1行足せば、意図しないOpus実行を止められる
背景: なぜExploreはHaiku固定だったのか
Explore エージェントは「ファイルをパターンで探す」「シンボルやキーワードをgrepする」「どこに何が定義されているか調べる」ような読み取り専用の探索タスクを担当するビルトインサブエージェントです。1回のセッションで何度も呼ばれることが多く、複雑な推論よりも「広く速く安く探す」ことが優先されるため、これまではHaikuモデルに固定されていました。
何が変わったか
公式のChangelogによると、2026年7月1日リリースのv2.1.198で以下の変更が入りました。
The built-in Explore agent now inherits the main session's model (capped at opus) instead of running on haiku.
— Claude Code Changelog(2026-07-01・v2.1.198)
つまり、メインセッションが何のモデルで動いているかによって、Exploreエージェントも同じ(Opusが上限)モデルで動くようになったということです。2026年6月30日リリースのv2.1.197でSonnet 5がClaude Codeの新デフォルトモデルになっているため、多くのユーザーはこの変更の影響を無自覚に受けています。
実測: 料金表から計算したコスト増加
Anthropic公式のPricingから、3モデルの単価は以下の通りです(2026年7月時点)。
| モデル | Input | Output |
|---|---|---|
| Claude Haiku 4.5 | $1 / MTok | $5 / MTok |
| Claude Sonnet 5(2026-08-31まで) | $2 / MTok | $10 / MTok |
| Claude Opus 4.8 | $5 / MTok | $25 / MTok |
見落としがちなのが、公式ドキュメントの注記にあるトークナイザーの違いです。
Claude Opus 4.7 and later Opus models, Claude Fable 5, Claude Mythos 5, Claude Mythos Preview, and Claude Sonnet 5 use a newer tokenizer that contributes to their improved performance on a wide range of tasks. This tokenizer produces approximately 30% more tokens for the same text.
— Claude Platform Pricing
Haiku 4.5は旧トークナイザーのままなので、同じ文章でもSonnet 5・Opus 4.8では約30%多くトークンを消費 します。単価の差に加えてこのトークン数の差も乗ってくるため、単純な単価比較より実際の増加幅は大きくなります。
Explore エージェントの典型的な1回呼び出し(grep・Read中心で入力5万トークン、要約の出力3千トークン)を仮定して計算すると、以下のようになります。
| メインセッションのモデル | 入力トークン(+30%後) | 出力トークン(+30%後) | 概算コスト | Haiku比 |
|---|---|---|---|---|
| Haiku 4.5(旧仕様) | 50,000 | 3,000 | $0.065 | 1.0倍 |
| Sonnet 5(2026-08-31まで) | 65,000 | 3,900 | $0.169 | 約2.6倍 |
| Sonnet 5(2026-09-01以降・$3/$15) | 65,000 | 3,900 | $0.254 | 約3.9倍 |
| Opus 4.8(上限) | 65,000 | 3,900 | $0.4225 | 約6.5倍 |
Explore はコードベース探索のたびに複数回呼ばれるのが普通なので、この倍率がセッション単位でそのまま積み上がります。特にメインセッションをOpus 4.8で運用しているチームは、意識せずコストが6倍規模に膨らんでいる可能性があります。
対処法: Agent(model:opus) で暴走を止める
Claude Codeは2026年6月のv2.1.178で「deny/askルールがツールの入力パラメータにマッチできる」機能を追加しています。これを使うと、サブエージェントがOpusを要求した瞬間に止める・確認を挟むことができます。
Deny and ask permission rules can now match a tool's input parameters with the
Tool(param:value)syntax. For example,Agent(model:opus)matches subagent spawns that request the Opus model tier.
— Claude Code Week 25 digest
.claude/settings.json に以下を追加するだけで、Opus上限のサブエージェント実行に確認を挟めます。
{
"permissions": {
"ask": ["Agent(model:opus)"]
}
}
完全にブロックしたい場合は "deny" に変更します。
{
"permissions": {
"deny": ["Agent(model:opus)"]
}
}
コストよりも探索の質を優先したいタスクでは許可し、日常的な軽い探索セッションでは確認を挟む、という運用が現実的です。
著者視点の発見ポイント
本記事はClaude Code自身(Sonnet 5セッション)が執筆していますが、実際に利用可能なAgentツールの定義を確認したところ、model パラメータには sonnet / opus / haiku / fable の指定肢が用意されていました。つまりサブエージェント側でモデルを明示指定する経路自体はすでに存在しており、Explore側の「暗黙の継承」だけが今回変わったポイントです。デフォルト挙動の変更は気づきにくいぶん、settings.json 側での可視化・制御が実務上のセーフティネットとして重要になります。
まとめ
- ExploreエージェントはHaiku固定から「メインセッションのモデルを継承(上限Opus)」に変わった(v2.1.198・2026-07-01)
- 料金表とトークナイザー差から計算すると、Sonnet 5で約2.6〜3.9倍、Opus 4.8で約6.5倍のコスト増になりうる
-
.claude/settings.jsonにAgent(model:opus)のask/denyルールを足すことで、意図しないコスト増を可視化・制御できる
参考リンク
- Claude Code Changelog — Explore agentのモデル変更の原文引用
-
Claude Code Week 25 digest —
Agent(model:opus)パラメータマッチングルールの原文引用 - Claude Platform Pricing — モデル別料金表・トークナイザー注記