はじめに
Claude Code v2.1.139 で Research Preview として公開された Agent View は、複数のバックグラウンドセッションを1つの CLI ダッシュボードで管理する機能です。
従来は複数のターミナルタブを開いて並列エージェントを監視していましたが、Agent View では claude agents コマンド1つで全セッションの状態確認・ユーザー入力への応答・新規タスクのディスパッチまでをまとめて行えます。
この記事で学べること
- Agent View の基本的な使い方(セッション起動・監視・応答)
- セッション状態アイコンの読み方
- バックグラウンドセッションとWorktree分離の仕組み
- シェルから使える管理コマンド
- モデル・パーミッションモードの設定方法
前提条件
- Claude Code v2.1.139 以降(
claude --versionで確認) - Git リポジトリ内での作業(Worktree分離機能の利用に必要)
TL;DR
-
claude agentsでダッシュボードを開く - セッションの状態は「Working / Needs input / Completed」でグループ表示
-
Spaceでピーク(最新出力確認・返信)、Enterでフルセッションにアタッチ - バックグラウンドセッションはターミナルを閉じても継続動作
- ファイル編集前に
.claude/worktrees/配下へ自動分離(並列書き込み競合を防止)
Agent Viewとは
Agent View は Claude Code のバックグラウンドエージェント管理システムです。主要なコンポーネントは3つです。
| コンポーネント | 役割 |
|---|---|
ダッシュボード (claude agents) |
セッション一覧・状態監視・ディスパッチ |
| スーパーバイザープロセス | 全バックグラウンドセッションをホスト |
| Worktree分離 | セッションごとに .claude/worktrees/ 配下で独立したファイル編集空間を提供 |
スーパーバイザープロセスはユーザーごとに起動し、ターミナルや Agent View とは独立して動作します。セッションが終了してから約1時間アタッチがない場合はプロセスを停止しますが、次回アタッチ時に会話履歴から再開します。
クイックスタート
1. Agent View を開く
claude agents
ターミナル全体がダッシュボードに切り替わります。Esc でシェルに戻っても、セッションは継続して動作します。
2. 新規セッションをディスパッチする
ダッシュボード下部の入力欄にタスクを入力して Enter を押すと、バックグラウンドセッションが起動します。
> バグ修正: src/auth/oauth.ts の PKCE フロー検証エラーを調査して修正してください
複数のプロンプトを入力すると、それぞれが独立したセッションとして並列起動します。
3. ピーク(最新出力を確認)
矢印キーでセッションを選択し、Space でピークパネルを開きます。
ピークパネルでは最新の出力・Claude からの質問・プルリクエストの状態が確認でき、その場で返信も可能です。
[Space] → ピークパネル表示
[Enter] → 返信を送信
[Tab] → 推奨返信を入力欄にセット
[!コマンド] → Bash コマンドとして送信
4. フルセッションにアタッチ
Enter または → でフルセッション表示に切り替えます。通常の claude セッションと同じインターフェースで操作でき、空プロンプトで ← を押すと Agent View に戻ります。
5. 既存セッションをバックグラウンドに送る
インタラクティブなセッション内で以下を実行します。
/bg テストスイートを実行して失敗を修正してください
または空プロンプトで ← を押すと現在のセッションをバックグラウンドに移動しつつ、Agent View が開きます。
セッション状態の読み方
各行の先頭アイコンで状態を確認できます。
| アイコン | 状態 | 意味 |
|---|---|---|
アニメーション ✽
|
Working | ツール実行中・応答生成中 |
黄色 ✻
|
Needs input | 質問や権限確認を待機中 |
薄暗い ∙
|
Idle | タスク完了・次のプロンプト待ち |
緑 ✻
|
Completed | タスク完了 |
赤 ✻
|
Failed | エラー終了 |
グレー ∙
|
Stopped | 手動停止済み |
✢ |
Loop |
/loop セッション(カウントダウン表示) |
アイコンの 形状 はプロセスの生死を示します。
-
✻または✽→ プロセス実行中(即座に応答) -
∙→ プロセス停止済み(アタッチ時に再起動して会話を再開)
プロセスが停止していてもセッション履歴はディスクに保持されているため、アタッチすれば中断前の状態から再開できます。
セッションのフィルタと整理
フィルター構文
入力欄で以下のプレフィックスを使うとセッションを絞り込めます。
| フィルター | 対象 |
|---|---|
a:<名前> |
指定したサブエージェントが実行するセッション |
s:working |
実行中セッション |
s:blocked |
入力待ちセッション全般 |
#<PR番号> |
指定 PR を担当するセッション |
整理操作
| キー | 操作 |
|---|---|
Ctrl+S |
グループ切り替え(状態別↔ディレクトリ別) |
Ctrl+T |
セッションをピン留め(常に先頭表示) |
Ctrl+R |
セッション名を変更 |
Shift+↑ / Shift+↓
|
セッションを並べ替え |
Ctrl+X → Ctrl+X(2秒以内) |
セッションを停止→削除 |
バックグラウンドセッションとWorktree分離
自動Worktree分離
バックグラウンドセッションがファイルを編集しようとすると、Claude は自動的にセッションを .claude/worktrees/ 配下の独立した git worktree に移動します。これにより複数セッションが同じファイルを同時編集する競合が防止されます。
.claude/
└── worktrees/
├── abc123/ ← セッション1 の作業領域
├── def456/ ← セッション2 の作業領域
└── ghi789/ ← セッション3 の作業領域
Worktree 分離が行われる条件:
- Git リポジトリ内で動作しているセッション
- ファイル編集(Write)を初めて試みるタイミング
- まだ
.claude/worktrees/配下にいない場合
セッション削除とWorktreeの関係
セッションを削除するとその Worktree も削除されます。残したい変更は 削除前にマージまたはプッシュ してください。
Worktree が残存した場合のクリーンアップ:
git worktree list # 残存する worktree を確認
git worktree remove <path> # 個別に削除
シェルからの管理コマンド
バックグラウンドセッションにはショートIDが割り当てられ、claude --bg 実行時に表示されます。
claude --bg "決済フローの E2E テストを追加する"
# → backgrounded · 7c5dcf5d
# claude agents セッション一覧
# claude attach 7c5dcf5d このターミナルで開く
# claude logs 7c5dcf5d 最新ログを表示
# claude stop 7c5dcf5d セッションを停止
主なシェルコマンド:
| コマンド | 用途 |
|---|---|
claude agents |
Agent View を開く |
claude agents --cwd <path> |
指定ディレクトリ配下のセッションのみ表示 |
claude attach <id> |
セッションにアタッチ |
claude logs <id> |
最新ログを表示 |
claude stop <id> |
セッションを停止 |
claude respawn <id> |
停止済みセッションを会話履歴から再起動 |
claude respawn --all |
全停止セッションを再起動(スリープ復帰後に便利) |
claude rm <id> |
セッションをリストから削除(Worktreeも削除) |
モデル・パーミッションモードの設定
Agent View 起動時にデフォルト設定を指定できます(v2.1.142 以降)。
# すべての新規セッションに適用するデフォルト設定
claude agents --permission-mode plan --model opus --effort high
設定の優先順位:
- セッション起動時の個別指定(
--model等) - Agent View 起動時のデフォルト(
claude agents --model ...) - ディレクトリの設定ファイル(
defaultMode) - ディスパッチするサブエージェントの frontmatter(
permissionMode)
パーミッションモードの注意点
bypassPermissions または auto モードは、一度インタラクティブセッションで受け入れた後でないと使用できません。監視なしに動作するモードのため、意図しない操作を防ぐための安全装置です。
キーボードショートカット一覧
? を押すとショートカット一覧が表示されます。
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
↑ / ↓
|
セッション間を移動 |
Enter |
選択セッションにアタッチ(入力欄にテキストがある場合はディスパッチ) |
Space |
ピークパネルを開閉 |
Shift+Enter |
ディスパッチしてすぐにアタッチ |
→ |
選択セッションにアタッチ |
←(空プロンプト時) |
現在のセッションをバックグラウンドに移動 |
Alt+1〜Alt+9
|
グループ内のセッション 1〜9 にアタッチ |
Tab |
空入力時にサブエージェント一覧、それ以外は候補補完 |
Ctrl+S |
グループ方式を切り替え(状態別↔ディレクトリ別) |
Ctrl+T |
ピン留め・解除 |
Ctrl+R |
セッション名を変更 |
Ctrl+G |
$EDITOR でプロンプトを編集してディスパッチ |
Ctrl+X → Ctrl+X
|
停止→削除 |
Esc |
ピークパネルを閉じる・入力をクリア・Agent View を終了 |
? |
ショートカット一覧を表示 |
現在の制限事項
Agent View は Research Preview のため、以下の制限があります。
- レート制限: バックグラウンドセッションは通常セッションと同じサブスクリプションクォータを消費します。10並列実行すれば消費は約10倍になります
-
ローカル実行のみ: セッションはローカルマシン上で動作し、スリープ・シャットダウンで停止します(
claude respawn --allで再起動可能) - Worktreeはセッション削除時に消える: 必要な変更は先にマージ・プッシュしてください
まとめ
Claude Code Agent View で実現できること:
- 並列開発: バグ修正・PR レビュー・テスト調査を同時並行で実行
- ノンブロッキング開発: 長時間タスクを背景で走らせ、入力が必要なときだけ確認
- 競合なし並列編集: Worktree 分離により同一リポジトリでも安全に複数セッションが動作
-
スリープ対応:
claude respawn --allで全セッションを一括再起動
Research Preview の段階ですが、claude agents の1コマンドで開始できるため、日常的な開発ワークフローへの組み込みを試す価値があります。


