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Google Antigravity 2.0入門 — Go製CLIとサンドボックスで安全なAI開発

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Last updated at Posted at 2026-05-28

Google Antigravity 2.0 — Desktop IDE・CLI(agy)・マルチエージェントオーケストレーションの統合プラットフォーム

はじめに

2026年5月19日、Google I/O 2026でGoogleはAntigravity 2.0を正式リリースしました。

Antigravity 2.0は単なるバージョンアップではありません。2025年11月に登場したv1が「VS CodeフォークにGeminiを組み込んだIDE」だったのに対し、v2はデスクトップアプリ・Go製CLI・SDKを統合したエージェントファーストな開発プラットフォームに生まれ変わりました。

また、Gemini CLIのサポートが2026年6月18日に終了することも発表されており、現在Gemini CLIを利用している開発者にとってAntigravity 2.0への移行は急務です。

この記事で解説すること

  • Antigravity 2.0の全体像とv1からの変化
  • Go製CLI(agy)のインストールと主要コマンド
  • セキュリティサンドボックスの仕組みと設定方法
  • サブエージェントとプラグインアーキテクチャ
  • MCPとHooksの統合
  • 料金プランと注意点

対象読者

  • Gemini CLIを使用中で移行先を検討している開発者
  • AIエージェントを活用した開発ワークフローを構築したい方
  • Claude CodeやCursor以外のAI開発ツールを評価している方

前提条件

  • Google アカウント(Gmail)
  • macOS / Windows / Linux のいずれか
  • 基本的なCLI操作の知識

Antigravity 2.0 アーキテクチャ — Desktop IDE・CLI・SDKからGemini経由でMCP/Managed Agents/Subagentsへ

TL;DR

  • Antigravity 2.0 = デスクトップIDE + Go製CLI(agy)+ SDK の統合プラットフォーム
  • Gemini CLIは2026年6月18日終了agy plugin import gemini で設定移行可能
  • セキュリティサンドボックス(kernel-level分離)・クレデンシャルマスキング・ドメイン許可リストを標準搭載
  • サブエージェントの並列実行、Antigravityプラグイン(旧Extension)でカスタマイズ可能
  • クォータは5時間ごとリフレッシュ(日次ではない点に注意)

Antigravity 2.0の全体像

v1からv2への変化

観点 v1(2025年11月) v2(2026年5月)
コンセプト VS CodeフォークのAI IDE エージェントファーストプラットフォーム
CLIランタイム Gemini CLI(Node.js) Antigravity CLI agy(Go)
セキュリティ 基本的なパーミッション制御 カーネルレベルサンドボックス
マルチエージェント 限定的 並列サブエージェント対応
拡張機能 Extensions Antigravity plugins
設定ファイル GEMINI.md AGENTS.md(GEMINI.mdも互換)
Managed Agents 非対応 統合済み

最大の変化はアーキテクチャの思想です。v1がIDEを中心に据えていたのに対し、v2はエージェントオーケストレーション基盤として設計されており、デスクトップアプリはその「管理サーフェス」という位置づけになっています。

3つのコンポーネント

1. デスクトップアプリ
VS Codeのフォークとして再構築。macOS・Windows・Linux対応。エージェントの並列実行監視とタスク管理に特化したUIを持ちます。

2. CLI(agy
Go言語で書き直された軽量CLIツール。デスクトップアプリと同じエージェントハーネスを共有するため、CLI側の改善がそのままデスクトップにも反映されます。

3. Antigravity SDK
カスタムエージェントをプログラマティックに構築するためのSDK。MCPとの統合、マルチステップ推論、Google Cloudまたはセルフホストインフラへのデプロイをサポートします。


インストールとセットアップ

CLIインストール

macOS / Linux:

curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash

Windows(PowerShell):

irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iex

インストール完了後、agyコマンドで初回起動するとブラウザでOAuth認証が求められます。

動作確認

agy doctor

設定の整合性チェックと依存ツールの確認を行います。インストール直後に必ず実行することが公式ドキュメントで推奨されています。

デスクトップアプリのインストール

https://antigravity.google/releases からOSに対応したインストーラーをダウンロードします。初回起動時に以下を設定します:

  1. テーマ選択(ダーク / ライト)
  2. エージェント自律モード(後述)
  3. Gmailアカウントでサインイン
  4. 言語拡張機能のインストール(任意)

Gemini CLIからの移行

既存のGemini CLI設定を一括移行できます:

agy plugin import gemini

このコマンドは既存のスキル・フック・MCP設定を読み込み、Antigravity 2.0形式に変換します。手動で調整が必要な項目は出力に明示されます。


セキュリティサンドボックス(新機能)

Antigravity 2.0の最大の差別化ポイントの1つが多層セキュリティサンドボックスです。

Antigravity 2.0 セキュリティサンドボックスの4層構造

カーネルレベル分離

プラットフォーム別に最適なサンドボックス技術を採用しています:

OS 使用技術
macOS Apple Seatbelt(sandbox-exec)
Linux cgroups + seccomp
Windows Windows Sandbox(AppContainer)

これにより、エージェントのコード実行がホストシステムに意図しない影響を与えることを防ぎます。

クレデンシャルマスキング

.envファイルやシークレット設定ファイルをエージェントが読み取ることを自動でブロックします。セキュリティ上のインシデントが起きやすい「エージェントが誤ってAPIキーを漏洩する」パターンを防ぐための機能です。

Gitポリシー強化

コミット・プッシュ操作に対してセキュリティガードレールを設けます。例えば「git push --force禁止」「シークレットを含むコミットのブロック」などをポリシーとして定義できます。

ドメイン許可リスト

エージェントがアクセス可能なWebドメインを制限します。外部への意図しないデータ送信や、無関係なサードパーティサービスへのアクセスを防ぎます。

推奨セキュリティ設定

デスクトップアプリの設定画面では、最初にセキュリティポリシーを構成することが推奨されています:

# セキュリティ設定(デスクトップ設定画面での推奨値)
artifact_review: "asks_for_review"       # 成果物生成前にレビューを要求
terminal_execution: "request_review"     # コマンド実行前に確認
terminal_sandbox: true                   # カーネルレベルサンドボックスを有効化
file_access: "workspace_only"            # ワークスペース外のファイルアクセスを禁止

パーミッションは action(target) 形式で記述します:

command(git)         # gitコマンドの実行を許可
read_file(/path)     # 特定パスの読み取りを許可
web_fetch(api.github.com)  # 特定ドメインへのアクセスを許可

主要CLIコマンド

基本操作

# エージェントセッション開始
agy

# 設定検証
agy doctor

# CLIアップデート
agy update

# クォータ確認(CLI再起動後に更新)
# セッション内で /usage を実行

スラッシュコマンド(セッション内)

コマンド 説明
/help ヘルプ表示
/goal <目標> Goal Modeの起動
/schedule タスクのスケジュール設定
/usage 現在のクォータ確認
/plugin list インストール済みプラグイン一覧

Goal Mode

Goal Modeは特定の目標に向けてエージェントが自律的に作業し続ける機能です。セッション切断・トークンバジェットリセットをまたいでも作業を継続します:

# セッション内でGoal Modeを起動
/goal "FastAPIとReactで管理画面を構築する"

エージェントは目標達成に向けて自律的にサブタスクを分割・実行します。


サブエージェントとプラグイン

サブエージェントの仕組み

Antigravity 2.0では複数の専門エージェントを並列実行できます。各サブエージェントは完全に分離されており、共通のオーケストレーション層を介してのみ成果物を共有します:

ユーザープロンプト
       ↓
 [Orchestrator Agent]
   ↙      ↓       ↘
[Sub-A]  [Sub-B]  [Sub-C]
 設計      実装     テスト
   ↘      ↓       ↙
    [共通アウトプット層]

非同期ワークフローにより、ターミナルをブロックせずに複数エージェントをバックグラウンドで実行できます。

Antigravityプラグイン

旧Extensionsに相当するプラグインは、以下を1つのパッケージにまとめたものです:

  • カスタムルール(AGENTS.md形式)
  • スラッシュコマンドの追加
  • MCPサーバー設定
  • スキル定義
  • サブエージェント設定
# プラグイン一覧表示
/plugin list

# Gemini CLIの設定をプラグインとして移行
agy plugin import gemini

# プラグインのインストール(コミュニティ共有)
agy plugin install <plugin-name>

設定ファイル構成

Antigravity 2.0ではAGENTS.mdをプロジェクトルートに配置するのが新しい標準です(GEMINI.mdも引き続き読み込まれます):

プロジェクト/
├── AGENTS.md                    # プロジェクトルール(Anthropic CLAUDE.md相当)
└── .agents/
    ├── rules/                   # 追加ルール
    ├── workflows/               # ワークフロー定義
    └── skills/                  # カスタムスキル

~/.gemini/
├── GEMINI.md                    # グローバルルール
└── antigravity/
    ├── global_workflows/        # グローバルワークフロー
    └── skills/                  # グローバルスキル

AGENTS.mdはAnthropicのCLAUDE.mdやOpenAIのAGENTS.mdとほぼ同じ思想で設計されており、エージェントへの指示・制約・コンテキストを記述します。


MCPとHooks統合

MCP(Model Context Protocol)

Antigravity CLIはMCPをネイティブサポートしています:

# .agents/rules/mcp.yaml
mcp_servers:
  - name: github
    command: npx
    args: ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"]
  - name: filesystem
    command: npx
    args: ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "."]

Hooks

Gemini CLIのHooksシステムはAntigravity CLIでも継承されています。AGENTS.md内またはスキルファイルでフック定義が可能です:

## Hooks

- PreToolUse: ファイル変更前にLintを実行
- PostToolUse: コミット後にテストを自動実行
- Notification: Slackチャンネルへの進捗通知

デスクトップアプリのキーボードショートカット

アクション macOS Windows/Linux
エージェントパネル切替 Cmd+L Ctrl+L
インライン補完 Cmd+I Ctrl+I
ターミナル切替 `Ctrl+`` `Ctrl+``
エディター/マネージャー切替 Cmd+E Ctrl+E
設定画面 Cmd+, Ctrl+,

料金プラン

2026年5月現在の料金体系は以下の通りです(公式料金ページ より):

プラン 月額 特徴
Free $0 エージェント機能フル利用可・ローテーション制限あり
AI Pro $19.99 基本有料プラン
AI Ultra $99.99 Proの5倍のクォータ、継続的マルチエージェントワークフローに最低限必要
AI Ultra(20x) $199.99 Proの20倍のクォータ

注意点: クォータは5時間ごとにリフレッシュされます(日次ではありません)。重いマルチエージェントワークフローを継続的に実行する場合はAI Ultra以上が実質的な最低ラインです。

追加クレジットは$0.01/クレジットで購入可能です(従量課金)。


Gemini CLIからの移行チェックリスト

移行期限(2026年6月18日)まで約3週間です。以下を確認してください:

  • agyのインストール完了
  • agy doctorで設定検証完了
  • agy plugin import geminiでプラグイン設定移行完了
  • GEMINI.mdAGENTS.mdへの設定内容確認・調整
  • CI/CDパイプラインのgemini-cliコマンドをagyに更新
  • MCPサーバー設定の動作確認
  • セキュリティサンドボックス設定のレビュー

CIパイプラインやスクリプトでGemini CLIを使用している場合、6月18日までにagyへの切り替えが必須です。期限後はPro/Ultraアカウントでもリクエストが処理されなくなります。


まとめ

Antigravity 2.0の主要ポイントをまとめます:

  • v1からの刷新: IDEから「エージェントファーストプラットフォーム」へ。CLIはNode.jsからGoに書き直され高速化
  • セキュリティ強化: カーネルレベルのサンドボックス・クレデンシャルマスキング・ドメイン許可リストを標準搭載
  • 並列サブエージェント: 専門化されたエージェントを非同期で並列実行可能
  • プラグインエコシステム: ルール・スキル・MCP・サブエージェントを1パッケージで管理
  • 移行期限: Gemini CLIは2026年6月18日終了。agy plugin import geminiで設定移行可能

6月18日の移行期限が迫る中、まずはagy doctorで環境構築を進めることをお勧めします。

参考リンク

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