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Google Antigravity入門 — AgentKit 2.0とMCPで複数AIエージェントを並列制御する

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Last updated at Posted at 2026-03-20

Google Antigravityのエージェント型IDEコンセプト

はじめに

Google Antigravityは、Googleが2025年11月にGemini 3と同時に発表したエージェント型開発プラットフォームです。従来のAIコーディングツールがオートコンプリートを起点にエージェント機能を後付けしたのに対し、Antigravityは「マルチステップの自律タスク実行」を前提にゼロから設計されています。

2026年3月にはAgentKit 2.0がリリースされ、16種類の特化エージェント、40以上のドメイン固有スキル、MCP(Model Context Protocol)統合が追加されました。この記事では、Antigravityの全体像からAgentKit 2.0の活用法、MCP統合のセットアップまでを解説します。

この記事で学べること

  • Antigravityのアーキテクチャと従来のAI IDEとの設計思想の違い
  • AgentKit 2.0の16特化エージェントと40以上のスキルの概要
  • MCP統合によるツール連携のセットアップ手順
  • カスタムスキルの作成方法(SKILL.md)
  • 料金体系とレートリミットの実態

対象読者

  • AIコーディングツール(Cursor、Claude Code、Codex等)を使用中のエンジニア
  • エージェント型開発の導入を検討しているチーム
  • MCP統合でAIの外部ツール連携を拡張したい開発者

TL;DR

  • Google Antigravityはエージェントファーストのアーキテクチャで、Editor View(同期的コーディング)とManager Surface(非同期エージェント管理)の二面構成
  • AgentKit 2.0(2026年3月)で16特化エージェント・40+スキル・11プリセットコマンドが追加され、フロントエンド〜テスト〜DB管理まで対応
  • MCP StoreからワンクリックでMCPサーバーを追加でき、 mcp_config.json でカスタムサーバーも接続可能
  • 無料プレビューでGemini 3 Pro・全機能を利用可能。Pro($20/月)とUltra($249.99/月)で上位レートリミットを提供

Antigravityの二面構成アーキテクチャ

Antigravityのアーキテクチャ

エージェントファーストの設計思想

Antigravityの最大の特徴は、エージェントとサブエージェントがファーストクラスの存在として設計されている点です。エディタ、ターミナル、ブラウザの3領域にまたがって自律的にタスクを実行します。

CursorやGitHub Copilotがオートコンプリートツールとして出発し、段階的にエージェント機能を追加してきたのに対し、Antigravityは「複数ステップの自律タスク実行」を根本から想定しています。

二面構成のインターフェース

Antigravityは2つの操作面を持ちます。

画面 用途 操作スタイル
Editor View コード編集、タブ補完、インラインコマンド 同期的・ハンズオン
Manager Surface エージェントの起動・監視・成果物確認 非同期・タスク委譲

Editor Viewは従来のAI IDEに近い体験を提供し、タブ補完やインラインコマンドで即座にコードを書きます。一方、Manager Surfaceでは複数のエージェントを異なるワークスペースで並列実行し、進捗をリアルタイムで観察できます。

Artifact(成果物)によるエージェント検証

エージェントはタスク完了時にArtifact(成果物)を生成します。Artifactには以下が含まれます。

  • タスクリスト(何を実行したかの記録)
  • 実装計画(どの手順で進めたかの構造化ドキュメント)
  • スクリーンショット(UI変更のビジュアル証跡)
  • ブラウザ録画(Webアプリ操作のリプレイ)

Artifactにより、エージェントの判断過程をブラックボックスにせず、ロジックの妥当性を一目で確認できます。

対応モデル

Antigravityはマルチモデル対応で、以下のモデルをサポートしています。

モデル 提供元 特徴
Gemini 3 Pro Google デフォルトモデル、SWE-bench Verified 76.2%
Gemini 3 Flash Google 高速・低コスト向け
Claude Sonnet 4.6 Anthropic 1Mトークンコンテキスト
Claude Opus 4.6 Anthropic 最高性能モデル
GPT-OSS-120B OpenAI オープンソース派生

全プランでGemini 3 Proがデフォルトで利用可能であり、無制限のタブコード補完とAgent Managerへのアクセスが含まれます。

AgentKit 2.0の16特化エージェント分類

AgentKit 2.0 — 16特化エージェントと40+スキル

2026年3月にリリースされたAgentKit 2.0は、Antigravityのエージェント機能を大幅に拡張するアップデートです。

16種類の特化エージェント

AgentKit 2.0には、開発ワークフローの各段階をカバーする16種類の特化エージェントが含まれます。

カテゴリ エージェント例 対応タスク
フロントエンド Frontend Design Agent UIコンポーネント設計、レスポンシブレイアウト
バックエンド Backend Logic Agent API設計、ビジネスロジック実装
テスト Testing Agent ユニットテスト生成、E2Eテスト
デバッグ Debug Agent エラー診断、パフォーマンス分析
データベース Database Agent スキーマ設計、クエリ最適化
SEO SEO Agent メタデータ最適化、パフォーマンス改善
モバイル Mobile Layout Agent モバイル対応レイアウト
UX UX Agent ユーザー体験設計、アクセシビリティ

各エージェントはAgent MD(Markdown形式の運用ルール定義)に従い、タスクを解釈・実行します。

40以上のドメイン固有スキル

スキルはエージェントの能力を拡張するモジュールです。AgentKit 2.0では40以上のスキルが標準搭載されており、11のプリセットコマンドでフロントエンド、バックエンド、テストの各領域をカバーします。

カスタムスキルの作成(SKILL.md)

独自のスキルを作成するには、プロジェクト内にスキルディレクトリを作り、 SKILL.md ファイルを配置します。

my-project/
├── .antigravity/
│   └── skills/
│       └── deploy-staging/
│           ├── SKILL.md          # スキル定義(指示とルール)
│           ├── scripts/
│           │   └── deploy.sh     # 自動化スクリプト
│           └── resources/
│               └── config.yaml   # 静的/動的リソース

SKILL.md にはメタデータと、エージェントが従うべき具体的な手順を記述します。

---
name: deploy-staging
description: ステージング環境へのデプロイ手順
trigger: "deploy to staging"
---

## 手順

1. `npm run build` でプロダクションビルドを作成
2. `scripts/deploy.sh` を実行してステージングにデプロイ
3. デプロイ後のヘルスチェックURLにアクセスして確認

## 制約

- mainブランチからのみデプロイ可能
- テストが全件パスしていること

スキルの重要な特徴は オンデマンドローディング です。システムプロンプト(常にロードされる)とは異なり、スキルはエージェントがユーザーのリクエストに関連すると判断した場合にのみコンテキストにロードされます。これにより、コンテキストウィンドウの効率的な利用が可能になります。

MCP統合 — 外部ツール連携のセットアップ

AntigravityはModel Context Protocol(MCP)をネイティブサポートしており、エディタと外部サービスの間をシームレスにつなぎます。

MCP Storeからのインストール

最も簡単な方法は、MCP Storeを利用する方法です。

  1. Editor View内で ... メニューを開く
  2. MCP Servers を選択
  3. MCP Storeから目的のサーバーを検索(例: "BigQuery", "GitHub", "Firebase")
  4. Install をクリック
  5. 必要な認証情報を入力して有効化

Google Cloudの主要サービス(BigQuery、AlloyDB、Cloud SQL等)のMCPサーバーは、MCP Storeから直接インストール可能です。

カスタムMCPサーバーの追加

MCP Storeにないサーバーを接続する場合は、 mcp_config.json を直接編集します。

  1. MCP Storeで Manage MCP Servers を選択
  2. View raw config をクリック
  3. mcp_config.json に以下の形式でサーバーを追加
{
  "mcpServers": {
    "my-custom-server": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@myorg/mcp-server"],
      "env": {
        "API_KEY": "your-api-key"
      }
    }
  }
}

Firebase MCP Serverとの連携も公式にサポートされており、Firebase Hosting、Firestore、Cloud Functionsの操作をエージェントから直接実行できます。

Antigravity vs Cursor vs Claude Code比較

他のAI IDEとの比較

Google Antigravityは、CursorやClaude Codeと異なるポジションを取っています。公開情報に基づく主要な違いを整理します。

項目 Antigravity Cursor Claude Code
設計思想 エージェントファースト IDE拡張 ターミナル中心
並列エージェント 最大5(Proで5、Freeでも対応) 最大8(Pro) 逐次実行
SWE-bench Verified 76.2% 非公開 公式スコアあり
デフォルトモデル Gemini 3 Pro 複数選択可 Claude Sonnet/Opus
MCP対応 MCP Store + カスタム 設定ファイル MCP対応
ブラウザ統合 内蔵ブラウザ なし なし
料金(月額) 無料〜$249.99 $20〜 従量課金

Antigravityはエージェントを複数並列実行する「委譲型」の開発に向いています。一方、Cursorは慣れ親しんだVS Code体験で高速なフィードバックを得たい場合に、Claude Codeはリポジトリ全体の深い理解に基づく推論タスクに適しています。

料金体系とレートリミット

プラン構成

プラン 月額料金 レートリミット更新 特徴
Free $0 週単位 全機能利用可、Gemini 3 Pro対応
Pro(AI Pro) $20 5時間ごと 優先アクセス、上位レートリミット
Ultra(AI Ultra) $249.99 5時間ごと 高ボリューム利用向け

追加クレジットは$25/2,500クレジットで購入可能です。

クォータの仕組み

使用量はエージェントの「作業量」に相関します。単純なタスクは消費量が少なく、複雑な推論を伴うタスクは多くのクォータを消費します。全プランで以下が共通して利用可能です。

  • Gemini 3 Proモデルへのアクセス
  • 無制限のタブコード補完
  • Agent Managerとブラウザ統合
  • MCP統合

レートリミットに関する注意

2026年3月時点で、需要増加に伴うレートリミット制限が報告されています。Googleは2026年3月11日に「AI Plans の進化」を発表し、AIクレジットシステムと段階的アクセスモデルを導入しました。Pro/Ultra加入者には優先アクセスが提供され、Free tier は週単位のレートリミットに移行しています。日常的に集中して利用する場合はProプラン以上の契約が推奨されます。

セットアップ手順

インストール

Antigravityはクロスプラットフォーム対応で、macOS、Windows、Linuxで動作します。

  1. antigravity.google にアクセス
  2. OSに対応したインストーラをダウンロード
  3. インストーラの指示に従いセットアップ
  4. Googleアカウントでサインイン

初回設定

サインイン後、プロジェクトを開いてEditor Viewを使い始めます。

# プロジェクトディレクトリでAntigravityを起動
antigravity open ./my-project

Google Codelabsの「Getting Started with Google Antigravity」チュートリアルでは、初回セットアップからエージェントへのタスク委譲、Artifactの確認までをステップバイステップで案内しています。

ADKスキルとの連携

Google Agent Development Kit(ADK)で構築したエージェントスキルをAntigravityに統合することも可能です。ADKのエージェントをAntigravityのスキルとして登録し、開発ワークフロー内で呼び出せます。

まとめ

Google Antigravityは、エージェントファーストの設計思想により、従来のAI IDEとは根本的に異なる開発体験を提供します。

  • エージェントファースト設計: 複数エージェントの並列実行、Artifactによる透明性確保
  • AgentKit 2.0: 16特化エージェント・40+スキルで開発ワークフロー全体をカバー
  • MCP統合: MCP StoreとカスタムMCPサーバーで外部ツール連携を拡張
  • マルチモデル対応: Gemini 3 Pro(デフォルト)に加え、Claude、OpenAIモデルも利用可能
  • カスタムスキル: SKILL.mdでプロジェクト固有のエージェント動作を定義

エージェント型開発は2026年のメインストリームに入りつつあり、Antigravityはその中でも「タスク委譲」と「並列実行」を最も積極的に推し進めるプラットフォームです。CursorやClaude Codeとは競合ではなく補完関係にある場面も多いため、用途に応じた使い分けが有効です。

参考リンク

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