はじめに
前回の記事では、社内利用可能な Copilot を用い、架空のプロモーションバナーに対して誤表記検出が可能かを検証した。
その結果、施策期間の終了日の年の誤表記を Copilot は検知できなかった。

当初の想定では、業務活用を見据えて「社内で利用可能な Copilot のみ」を対象としていたが、実際には画像認識が可能な AIモデルは他にも多数存在する。
そこで今回は、代表的な ChatGPT / Gemini / Claude を使い、まったく同じバナー画像と施策内容で再度試行を行った。
試行結果
いずれのモデルも、Copilot が見逃した 終了日の“年”の誤表記 を難なく検出した。
以下、実際の返答抜粋を掲載する。
ChatGPT(GPT-5.1)
施策名・開始日時・最大ポイントなどはすべて問題なしと判断され、誤り箇所のみシンプルに特定できている。
以下、バナー画像と施策内容を照合した結果です。
❗ 指摘すべき相違点(重要)
① 終了日の「年」が間違っています
バナー表記
2025年1月5日(月)09:59
正しい施策内容
2026年1月5日(月)09:59
👉 「2026年」が「2025年」と誤表記されています。
⚠ その他の確認ポイント(問題なし)
■ 表示内容に関して
「最大 5,000ポイント当たる!」
→ 1等が5,000ポイントなので内容としては問題なし(※等級の詳細はバナー非表示でもOKなケースが多い)。
「N周年記念!!」
→ 施策名と一致。
期間開始日時
→ 2025年12月22日(月)10:00 は施策内容と一致。
✅ 結論
修正が必要なのは終了日の西暦のみです。
「2025年1月5日」→「2026年1月5日」
ほかは施策内容との不整合はありません。
必要であれば修正案の文言やデザインのチェックも対応できます!
Gemini
開始日より前に終了してしまう「時間的矛盾」まで指摘しており、文脈理解が非常に強い点が印象的だった。
ご提示いただいたバナー画像と施策概要を照らし合わせてチェックを行いました。
**1点、日付(年)に関する重大な修正必要箇所**が見つかりました。
以下に詳細をまとめます。
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### ⚠️ 修正が必要な箇所
**終了日時の「年」表記**
施策概要では期間が年をまたいでいますが、バナー上の表記が開始年と同じ「2025年」のままになっており、**開始日より前の日付で終了する矛盾した表記**になっています。
| 項目 | バナー画像の表記 (誤) | 施策概要 (正) |
| :--- | :--- | :--- |
| **終了年** | **2025年**1月5日(月) | **2026年**1月5日(月) |
> **修正案:**
> バナー下部の終了日時を `2026年1月5日(月)09:59` に修正してください。
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### ✅ 問題なかった箇所
以下の点は施策概要と一致しており、問題ありません。
* **施策名:** 「N周年記念!!」
* 表記一致。
* **訴求内容(インセンティブ):** 「最大5,000ポイント当たる!」
* 1等の5,000ポイントを「最大」として訴求しており、内容に齟齬はありません。
* **開始日時:** 「2025年12月22日(月)10:00」
* 表記一致。
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日付の年は見落としやすいポイントですので、入稿前に気づけてよかったです。
修正後の画像が上がってきましたら、再度最終チェックを行うことも可能です。いかがいたしましょうか?
Claude(Sonnet4.5)
Claude だけは、終了日の誤表記に加えて 訴求表現の妥当性 にまで踏み込んだ指摘を行った。
実務的な“広告校正”に近い動きだと言える。
バナー画像と施策内容を照らし合わせた結果、以下の**重大な不一致**があります:
## 🚨 指摘事項
### 1. **期間の表記ミス(年が間違っている)**
- **バナー表記**: 2025年12月22日(月)10:00~2025年1月5日(月)09:59
- **実際の施策期間**: 2025年12月22日(月)10:00~**2026年**1月5日(月)9:59
バナーでは終了日が「2025年1月5日」となっていますが、開始日の2025年12月22日より前の日付になってしまっています。正しくは「**2026年1月5日**」です。
### 2. **当選内容の表記不足**
- **バナー表記**: 「最大5,000ポイント当たる!」のみ
- **実際の施策**: 1等/2等/3等の3段階の当選内容がある
バナーには1等の5,000ポイントしか記載されておらず、2等(500ポイント)や3等(5ポイント)の情報が掲載されていません。「最大」という表現は使われているものの、他の当選内容や当選者数の記載がないため、ユーザーに誤解を与える可能性があります。
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## ✅ 問題ない箇所
- 施策名「N周年記念!!」の表記
- 最大当選額「5,000ポイント」の金額自体
**早急に修正が必要です。特に期間の年号は法的にも問題になる可能性があります。**
まとめと今後の展望
今回、主要な AI モデル(ChatGPT / Gemini / Claude)はいずれも Copilot が見落とした誤表記を即座に検出 した。
このことから、業務で画像校正を行う際には、
- どの AI モデルを採用するのが適切か
- セキュアに利用するためのワークフローをどう構築するか
- 実務に耐える精度を出せるか
といった点を慎重に検討する必要があると感じた。
今後は、
誤表記パターンの増加・複雑化、画像種類の多様化、LP全体のチェック
など、より実務に近いシナリオでの検証も進めていく予定である。