はじめに
AWS Summit Japan 2025 の2日目(6/26木)に参加しましたので、そのレポート記事になります。
AWS Summitの概要は下記公式ページをご確認ください。
当ページでは、本イベントの基調講演と一部ブースのご紹介ができればと思います。
基調講演:スペシャルセッションビルダーのための AWSテクノロジー:その深化と進化
AWSは近年、セキュリティ強化とAI技術の進化を軸に成長を加速させており、今回のセッションでは「進化と深化」という観点で、成長の変遷と、国内企業の実例・最先端技術の紹介がなされていました。
セキュリティ:MadPot・Sonaris・Mithra
まず強調されたのは、このクラウド時代、セキュリティが「最優先事項」であるという点。
AWSでは世界規模の攻撃情報分析基盤「MadPot」を24時間体制で運用しており、ハニーポットを活用し、潜在的な脅威をリアルタイムで監視している。
さらに「Sonaris」は悪性ネットワークトラフィックを分析,「Mithra」は悪性ドメインの分析を行い、これらの仕組みが連携することで、包括的な防御体制が構築されている。
AWS Nitro SystemとGraviton4
AWSの成長における特筆すべきもう一つの要素がサブシステム「Nitro System」の存在。
専用のハードウェアとカスタムシリコンにより、ハード面とソフト面を分離し、膨大な処理負荷の低減を行っている。
また、最新の「Graviton4」では高性能ながら、認証処理の性能も向上しており、あらゆるEC2インスタンスでのセキュアな実行が可能となっている。
次世代AI:BedrockエージェントとAWS Nova
今後の注目分野として「AIエージェント」にも大きな期待が寄せられており、Gartner社のレポートでは、「日常業務の15%はエージェントが代替可能」と予測されている。
AWSでは、Bedrock上で「エージェント構築」を可能とするFlowsや、Multi-Agent 対応、さらに「Strands」というSDKも展開。
また「Amazon Nova」では図面解析から改善提案までを可能とし、さらに画像や動画生成といった分野にも対応可能とのこと。
実例:ドワンゴ社のクラウド転換とサイバー攻撃対応
事例紹介では、ニコニコ動画などを運営するドワンゴ社のケースが紹介された。
2022年よりオンプレ→AWS移行を進めていたが、途中2024年に大規模なサイバー攻撃を受けた。同社はシステムのAWS移行を早め、早期にオンプレ脱却を図る対応を取ることに。
→2025年3月にすべて移行を完了(VM5000台規模)。
サイバー攻撃のわずか3日後には新規サービスを公開するなど、対応力の高さが際立っていた。
また各社クラウドベンダーの中からAWSを選定した理由について、取締役の夏野氏は「堅牢性・柔軟性・献身性・多様性」を挙げていた。
責任あるAIと小さなチームの開発文化
AWSは主要クラウドプロバイダーとして初めて、AIに関する国際規格「ISO/IEC 42001」を取得。
責任あるAIサービスの公開・利活用推進に向けて、透明性の高い仕組みを整えている。
同時に、AI駆動を前提とする場合、小単位のサービスを小さな開発チーム(数名など)で素早く回す文化を推奨・重視している。
→アジリティとイノベーションを支える原動力を維持するため
ブース展示
今回のサミットでは多くのブースを回ることが出来ました。
ここでは一部内容を記述したいと思います。
notion
5月に発表された[AI Meeting Notes]で音声→議事録変換することが出来る。
Notion AI自体かなり活用幅が増えてきている。
databricks
DB,オブジェクトストレージなど管理先を分けることなくすべてのデータを統合的に扱えるレイクハウスを提供する分析プラットフォームサービス。
近年、databricksがBQ性能を上回る性能を確認されたとのこともあり、BQからdatabricksへの乗り換えケースが増えている。
また6月にフリープランを発表しており、操作感など気になる方は実際に導入して試すことが可能となっている。
頂いたグッツ類(その他ブース含む)
new relicさんのTシャツが家に増えてきました
その他
今回のサミットでは、前回にはおそらくなかった(?)お弁当の配布がありました。
中身もそれなりに豪華で嬉しかったです。
また今回入場時間は9:30頃でしたが、先着限定で配布されるクッションをいただきました。
次回も基調講演前に入ればクッションは基本貰えるかなと思います。
まとめ
全体的な印象として、生成AIを使ったサービス紹介が中心でしたが、特にセキュリティという観点での紹介が多いように見受けられました。
サミット醍醐味としては各ブースに足を運び担当者とコンタクトが取れることにあると思うので、今年も現地参加出来てよかったなあと思います。