はじめに
私は5年前(2020年)にエンジニアを目指した時に初めて、「2025年の崖」や「DX推進」という話題について知りました。
そして気づいたら2025年。
あれからIT業界全体でこの問題に対してどのような変化があったのかをリサーチしてみました。
本記事をご覧いただいている、エンジニアの皆さまからの実際の経験やご意見をコメントで共有いただけると、他の読者にとって大きな励みになります🙏
2025年の崖とは
経済産業省が2018年に発表した『DXレポート』のなかで警鐘を鳴らした「2025年の崖」。国内企業がDXを推進しないと業務効率・競争力の低下により、2025年には年間で最大約12兆円もの経済損失が発生する。
引用:実際どうなる?「2025年の崖」の現状と取り組むべきこと
これに加え、システムを支える熟練エンジニアの大量退職期も重なり、技術継承や人材不足の深刻化が指摘されています。
DXとは?
ITやデジタル技術、ビッグデータ、AIなどを活用し、従来の業務プロセスや企業文化、組織全体を抜本的に変革して新しい価値や競争力を生み出す取り組みです。
単なるIT化・自動化ではなく、製品・サービス、ビジネスモデル、企業文化そのものの改革まで含みます。
企業だけでなく社会全体が、デジタル技術でより効率的・便利に変わることをめざす広義の概念です。
DX推進の現状
DX定義の進化
| 以前 | 現在 |
|---|---|
| 老朽化した IT システムの刷新 | 企業がビジネス環境の変化に対応し、デジタル技術とデータを活用して顧客や社会のニーズに応え、製品・サービスやビジネスモデル、業務・組織・文化まで変革し、競争力を高めること |
デジタル進化の3段階
現在、多くの企業は以下の 3 段階のどこかに位置しています。
| 段階 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | デジタイゼーション(Digitization) | アナログデータのデジタル化 |
| 2 | デジタライゼーション(Digitalization) | 個別業務プロセスのデジタル化 |
| 3 | デジタルトランスフォーメーション(DX) | 組織横断的なビジネスモデル変革 |
多くの日本企業は「段階2」に留まっており、真の変革である「段階3」への移行が課題となっています。
引用:日本 DX の現在地:「2025 年の崖」から戦略的必須事項へ
「崖」とどう向き合うか?
現場では、「まだCOBOLなどの旧技術が使われている」「要件定義が複雑すぎて対応が難しい」などの声が現役エンジニアの方々から挙がっているようです。
また、X(旧Twitter)上でも、2024年頃から「#2025年の崖」や「#SIerの悲鳴」が再燃しています。
しかし、この「崖」は恐怖ではなく、再設計のチャンスでもあると思います。
実際に部分的なレガシー刷新が進んでいる一方、DXの成果が企業全体に行き渡っていないとの課題感も共有されているようです。
よって、これらの投稿が単なる愚痴にとどまらず、「どう乗り越えるか」を考える建設的な議論へと発展していると捉えています。
一人一人のエンジニアができることは?
こういった現状を知って、1人のエンジニアだけで業界全体を変えることは難しいと思いますが、プロジェクト単位で小さな変化を起こすことは可能と思っています。
技術的なスキルアップとレガシーシステム改善
既存のレガシーシステムのブラックボックス化した部分を理解し、段階的な刷新やマイクロサービス化、共通プラットフォームの導入に貢献する。
必要に応じて不要な機能の削除や新技術の導入に関し提案や開発を行うことで、DX推進の基盤を整備する。
DX推進の社内コミュニケーションと橋渡し
エンジニア視点から経営層や他部署にDXの意義や必要性を伝え、理解を促す。
ベンダー企業との協力関係を円滑にし、現場の課題や要望を経営層と共有する役割も重要となる。
DX人材としての自己研鑽と知識共有
DX推進に不可欠なデジタル技術やクラウドサービス、開発手法の学習・習得。
社内外での知識共有、勉強会開催、後進育成などを通じてIT人材不足の解消に貢献する。
自らの担当業務のデジタル化や効率化推進
日々の業務でできる範囲の自動化や改善提案を積極的に行い、DXの文化づくりを底上げする。
小さな成功体験の積み重ねが組織全体のDX推進に好影響を与える。
所感
私の場合はこれまでは主に、「自分が思い描いたアイディアを形にする」とか「Webサービスの開発によって、社会に新しい価値を提供する」など、どちらかといえば個人の欲求を満たすために開発をしてきたと思っています。
最近では2025年の崖やDX推進といった、社会的に重要な課題であるテーマにも取り組み、社会に貢献できる価値を提供していきたいと考えるようになりました。
(あくまでも個人の所感です)
