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【 M1 Mac 】高速でUbuntuの仮想環境を構築

Last updated at Posted at 2024-01-04

はじめに

WindowsやIntel Macでは、VirtualBoxというツールを使いUbuntuのVM(仮想マシン)を構築する方法が一般的でした。

しかし、Apple Silicon (M1,M2) を搭載したMacでは、VirtualBoxでのUbuntuのVM構築がまだまだ安定しないという課題があります。

そこで、Windows、Intel Mac、Apple Silicon Mac(M1,M2)に対応し、高速でUbuntuのVMを構築できるソフトウェアを紹介します。

MultiPassとは

MultiPassは、Ubuntuの開発をしているCanonical社が提供しているツールです。Windows、Linux、macOSそれぞれのプラットフォームで、同じ操作感で UbuntuのVMを扱うことができます。操作は基本的にCUIで実施します。

MultiPassのインストール

brew install multipass

こちらのページに、Windows、Linuxのインストール方法も載っています。

バージョン確認

multipass version

仮想マシンの作成(初回起動)・状態確認

UbuntuのVMを作成(初回起動)するにはmultipass launchコマンドを使います。以下の表の通り、オプションを付けて実行する事ができます。また、末尾にはUbuntuのバージョン番号を指定します。バージョン番号を省略した場合には、最新のLTS(Long Term Support)リリースが使われます。

オプション デフォルト値 説明
--name 適当な名前 仮想マシン名を指定
--cpus 1 CPUの数を指定
--memory 1G メモリのサイズを指定
--disk 5G ディスクのサイズを指定

以下のコマンドで、UbuntuのVMを作成(初回起動)しましょう。

multipass launch --name ubuntu --cpus 1 --memory 1G --disk 5G 20.04

初回起動時には、イメージのダウンロードや検証が入るので、少し時間がかかります。なお、指定できるバージョン番号 (ディストリビューション) は multipass find コマンドで確認できます。

multipass find

起動が終わるとmultipass lsコマンド(または multipass list)を叩く事で、仮想マシンが表示されるようになります。

multipass ls

出力結果は以下のとおりです。

Name            State         IPv4             Image
ubuntu          Running       192.168.0.2      Ubuntu 20.04 LTS

仮想マシンのより詳しい情報はmultipass infoコマンドで確認できます。デフォルトでは1GBのメモリと5GBのディスクが割り当てられます。

multipass info ubuntu

出力結果は以下のとおりです。

Name:           ubuntu
State:          Running
IPv4:           192.168.0.2
Release:        Ubuntu 20.04.6 LTS
Image hash:     --
Load:           0.00 0.00 0.00
Disk usage:     2.7G out of 4.7G
Memory usage:   157.5M out of 970.0M
Mounts:         --

仮想マシンに割り当てるCPUやメモリ、ディスクの容量などは起動時にカスタマイズできます。 具体的にはmultipass launchコマンドで--cpus--mem--disk といったオプションを指定します。 詳細はmultipass launch --helpから確認できますので参照してみてください。

シェルへログイン

multipass shellコマンドを使えばシェルにログインできます。シェルにログインしたら、通常のUbuntuと同じように使用できます。

multipass shell ubuntu

また、シェルから出るときは、以下のようにexitを叩きます。

exit

VMを停止・起動・削除する

まず、VMの状態を確認します。

multipass ls

出力結果のとおり、StateがRunnningとなっており、VMが起動している事がわかります。

Name            State         IPv4             Image
ubuntu          Running       192.168.0.2      Ubuntu 20.04 LTS

仮想マシンを停止するにはmultipass stopコマンドを使います。

multipass stop ubuntu
multipass ls

起動するときはmultipass startコマンドを使います。

multipass start ubuntu
multipass ls

仮想マシンを削除するときはmultipass deleteコマンドを使います。 ただし、この時点では完全に削除されません。ゴミ箱に入るようなイメージです。

multipass delete ubuntu
multipass ls

出力結果のとおり、Deletedとなっている事が確認できます。

Name            State         IPv4         Image
ubuntu          Deleted       --           Not Available

Deletedな状態であれば、まだmultipass recoverコマンドで復旧できます。

multipass recover ubuntu
multipass ls

仮想マシンを完全に削除するには、multipass deleteでゴミ箱に入れた後にmultipass purgeでゴミ箱の中身を削除します。これでDeletedな状態の仮想マシンが完全に削除されます。

multipass delete ubuntu
multipass purge
multipass ls

おわりに

今回は、Windows、Intel Mac、Apple Silicon Mac(M1,M2)に対応し、高速でUbuntuのVMを構築できるソフトウェアとして、Multipassを紹介しました。基本的な操作方法について、この記事を参照していただき、細かい操作についてはGoogle検索やhelpコマンドを確認してみてください。この記事が、少しでも多くの方にとって有益になれば幸いです。

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