昨日に引き続き、今年初めて現地参加したAWS Summitの2日目を振り返ります。
オンラインでの参加とは違い、複数のセッションを予約しましたが、1〜2つは外してExpoやブースをもう少し見て回っても良かったかもしれないと感じました。
それでは、本日聴講した印象的な講演を簡潔にご紹介します。
1. 特別講演:AWS基盤技術の深化と進化
アマゾンのグローバルインフラから独自のセキュリティ技術、Nitroシステムや最新のGraviton4プロセッサまで、
最先端のAWS基盤技術が紹介されました。
特にドワンゴのAWS全面移行とサイバー攻撃耐性、NTTドコモのリアルタイム監視自動化など実践事例が興味深かったです。
Auroraのマルチリージョン分散処理やマイクロ秒単位の時間同期、Amazon Bedrockをはじめ多彩な生成AIツールも注目されました。
マイクロサービスを小規模チームで運用する組織文化やAI開発支援ツール「Amazon Q Developer」など、未来志向かつ実用的な内容でした。
2. AI時代におけるソフトウェア開発の変化と対応戦略
生成AIの急速な進化により、開発手法にも大きな変化がもたらされています。
「Everything as Code」という考えのもと、インフラやドキュメント、運用までコード化し、人とAIが協働しやすい環境づくりの方法を学びました。
Amazon Q DeveloperなどのAIエージェントはコーディングからテスト、最適化まで支援し、明確な設計表現の重要性を強調しました。
AIに対する不安よりもツールとして積極活用し、自身の開発スタイルを築くことの必要性を感じました。
3. モダンなCI/CDツールボックス:一貫性と信頼性の確保戦略
CI/CDは単なる自動化を超え、変更管理や構成証明による信頼性確保やセキュリティ強化の実践的手法が紹介されました。
GitOps手法やAWS CloudFormation、CodePipeline V2の活用、過去のデプロイ履歴をAIが学習し判断支援する最新トレンドも印象的でした。
柔軟なデプロイ戦略、自動ロールバック、機能フラグによる段階的リリースなど信頼性と柔軟性を両立する方法も学べました。
ベンダーロックイン回避のためのツール活用も現実的でした。
4. OracleからAuroraへ:クラウドネイティブDX移行戦略
KDDIがOracle基盤からAmazon Aurora(PostgreSQL)へ移行し、
クラウドネイティブなデータ連携基盤「JOINT」を構築してコスト削減や性能向上を実現した事例が紹介されました。
3段階のロードマップや無停止切替戦略、トランザクションベースの検証など非常に緻密なアプローチが印象的でした。
技術導入を超えて「止まらないシステム」と「自律的チーム文化」がDXの本質であると強く共感しました。
5. NTT西日本の自動運転EVバス事業とAWS CDK活用
運転手不足や路線縮小問題に対応し、NTT西日本がフランスのNavya Mobilityと協業して
レベル4自動運転EVバスの実証実験を推進しています。
AWS CDKの導入によりインフラ構築時間を30日から2日に短縮し、コストも大幅に抑制。
少人数で大規模なソフトウェアを自動化・運用できる体制を実現しています。
高齢者に優しいオンデマンド交通や地域DXの拡大が今後の展望です。
6. 「変化を競争力に」:NTTドコモのアジャイルとクラウドによる自律的成長組織
NTTドコモは、市場の急変化に対応し顧客体験を向上させるために
アジャイル経営とクラウドを活用した自律的なエンジニア組織の成長戦略を3年間かけて推進しています。
80項目の開発能力チェックリストやコスト最適化共有、顧客フィードバック分析、実践的ワークショップなど具体的な施策が印象的です。
生産性と士気を同時に高め、顧客信頼と社員エンゲージメントを強化する好循環を生み出しています。
最後に、今回の2日目参加を通じて最新AWS技術や実務適用事例を深く理解でき、
AIやクラウドがビジネスや開発文化をどのように変革しているかを肌で感じました。
今後もこうした現地体験を積極的に増やしていきたいと思います。
気になる講演の詳細はリンク先からぜひご覧ください。
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