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SchooAdvent Calendar 2024

Day 20

Schooエンジニアのリスキリング体験記 〜 大学院卒業見込み

Last updated at Posted at 2024-12-19

この記事はSchoo Advent Calendar2024の20日目の記事です!

はじめに

みなさんこんにちは。株式会社Schooでエンジニアをしている福嶋と申します。今年10月からSchooに所属し、多くの学びと刺激を得る毎日を過ごしています🔥

もう2024年も終わりに近づいていますね。😳

私はエンジニアとして働きながら情報系の大学院に通っていたのですが、まもなく卒業をむかえる見込みです。この経験をもとに、大学院での学びや仕事との両立についての体験談をお届けします。

※ 通っている大学院は、産業技術大学院大学です。大学院のみが設置されている教育機関であり、専門職大学院として実践的なスキルを磨くことを目的としています。詳細はこちらをご覧ください。

誰に向けて書いているか

  • 情報系に限らず、学位取得に興味がある方
  • コンピューターサイエンスやソフトウェア工学の知識を体系的に学びたい方
  • 社会人として大学院に通う生活や学びについて興味がある方

2年前、私自身が入学を迷っていた際に情報が不足しており、特にリアルな体験談に触れる機会が少なかったことから、同じような悩みを持つ方の参考になればと思い執筆しました。

なぜ大学院に行こうと思ったのか

理由① 圧倒的なエンジニアとしての成長機会を求めていたため

自分のミドルウェアに関する知識やネットワークに関する知識が浅くパフォーマンス対策に手間取ったことがあったり、プロジェクトの進め方が非常にうまい先輩エンジニア方を見て、少しでも彼らに近づきたいという感覚を幾度となく味わいました。

そこで、当初20代後半に差し掛かり、まだ私生活に自由度の高いタイミングで、高いレベルの負荷をかけ成長にドライブをかけたいという思いが芽生えてきました。

特に、コンピューターサイエンスやソフトウェア工学といったエンジニアとしての土台となる知識を改めて深く学び直し、中長期的な視点で成長を目指していきたいと考えていました。

理由② 体系的に学ぶことによる、スキルや知識のチューニングのため

 一般的に、仕事中に自分が足りないと感じた知識は書籍やネット上の記事などから学ぶことが多いかと思います。そのようにフレキシブルに都度学習することも大切である反面、デメリットも一定あるように感じました。

  • 断片的な知識に偏る傾向がある
  • 都度情報を探したり、理解が浅い部分を補うために余計な時間がかかる
  • 基礎を飛ばして学ぶことが多いため、後で「なぜそうなるのか」を理解するために時間を使うことが多い

それに対して、体系的に学ぶメリットは以下のようなものがあるかと思います。

  • 知識を網羅的に習得することで、特定の分野やスキルの全体像を理解できる
  • 基本的な概念や理論を体系的に学ぶことで、後から応用や発展がしやすくなる
  • 長期的な応用力が高まる

そのような体系的に学ぶ場として改めて学校はうってつけの場所だと考えました。
また、もともと文系学部出身+エンジニア以外からのジョブチェンジ組だった自分にとって、情報系の学校に通う効果は高いだろうと考えました。

今通っている学校にした決め手

最終的には、以下の理由で今の学校に通うことを決めました。

理由① : 専門実践教育訓練給付金の対象で、結果的に少ない費用負担で済んだため

私が入学した時点では、本来であれば、以下の費用が必要になります。

項目 金額
入学金 282,000円
※東京都在住の方は半額適用
授業料 年額 520,800円 × 2年 = 1,041,600円
合計 1,323,600円

ですが、専門実践教育訓練給付金により、私が入学したタイミングでは7割国が補助してくれるので、実質397,080で2年間通うことができ少ない費用負担で済みました。

※ 今は8割補助があるようです😳

※専門実践教育訓練給付金を受けるには、雇用保険の加入期間や、2回目の給付金使用の場合など制約があります。詳しい支給要件は厚生労働省のQ&A~専門実践教育訓練給付金~教育訓練給付制度を参照してください

理由② : 平日夜間・土曜日中心・オンライン中心の授業構成になっていたため
一部サーバー実験室を使う授業などでは、通学が必要ではあるもののオンライン中心の授業構成になっており、仕事と両立することが十分可能であると感じました。

理由③ : 学べる内容 = 自分の学びたいことであったため。
先ほど述べたように、情報系分野における網羅的な学びを得るために、最適な学校を選びました。さらに、公開されている講義の時間割やシラバスを確認した結果、自分が学びたい内容に適した環境が整っていることを確認しました。

学んだこと(1年次・2年次の前半)

現時点で44単位分の授業を受講しました。コンピューターサイエンス系・ソフトウェア工学系の科目を中心に学んでいきました。
参考までに取得した授業を掲載しておきます。授業名だけではない内容の判別がつかないもののみ説明を書いています。

  • コンピューターサイエンス系
    • 情報アーキテクチャ特論1: 離散数学・グラフ理論など
    • システムプログラミング特論: アルゴリズムやデータ構造などを学ぶ
    • セキュアプログラミング特論: C言語を使って、セキュアプログラミングについて学ぶ
    • 情報セキュリティ特論
    • データベース特論
    • ネットワークシステム特別講義: 物理サーバーを使った授業
    • データ分析基礎特論
    • データ分析実践特論
    • ネットワーク特論
  • ソフトウェア工学系
    • 情報アーキテクチャ特論3: モデリングの授業
    • クラウドサービス構築特論: クラウド系のサービスについて学ぶ
    • ソフトウェア工学特論:
    • コラボレイティブ開発特論: アジャイル開発を実践で学ぶ
    • プロジェクトマネジメント特論1: プロジェクトマネジメントの基礎
    • プロジェクトマネジメント特論2: アジャイル開発の理論
  • その他システム開発系
    • IoT開発特論
    • インテリジェントシステム特論: 人工知能分野基礎(論理学・探索など)
    • AIシステム特論
    • 機械学習特論
  • 2年次でやるゼミ的なもの
    • 情報システム学特別演習1 : 2年次でやるゼミ的なもの(前期)
    • 情報システム学特別演習2 : 2年次でやるゼミ的なもの(後期)
  • その他
    • サービスサイエンス特論: マーケティング基礎
    • 情報ビジネス特別講義3: マーケティング系授業
    • 情報技術倫理特論: 法や倫理について学ぶ
    • マネジメントシステム基礎論: 経営学

※現在のペースで行くと卒業時には50単位になる予定です。
※当初は、コンピューターサイエンス・ソフトウェア工学系の科目だけ取る予定だったのですが、システム開発系の科目や情報系と全く関係ないマーケティングや経営学の授業も興味本位で取ってしまいました。

学んだこと(2年次)

今通っている大学院は、2年次においては、論文を書かずにPBL(プロジェクトベースラーニング)というものを取り入れています。

ざっくりというと以下のような内容の開発を実際のプロジェクト開発形式で行っていました。

  • 2年次前半: エッジコンピューティングを使ったプロダクト開発
  • 2年次後半: 推薦アルゴリズムのOSS、自分たちで実装した推薦アルゴリズムを搭載したWEBアプリケーション

開発や実習がメインであるものの、実際にユーザーインタビューをした上で自分たちで実装したいものを決めていたりしています。

大変だったこと

とにかく、仕事・プライベートの両立は大変 の一言につきます。
平均して、学校に週20時間費やす生活になっていたので楽な両立とはいきませんでした。

20代前半の時と同じ気合いで乗り切れるだろうという甘い考えは通用しませんでしたw

特に、開発プロジェクトが過渡期の期間や、学校のテスト期間は特に大変でした。

最初の頃は力技で乗り切っていましたが、疲労が蓄積することで体調を崩すことなども経験しました。

対応策としては、以下のように、日々のスケジュールやルールを決めてそれをできるだけ厳格に守るようにしました。

  • 日曜日は絶対に休んでメリハリはつける。その代わり、土曜日は1日全て学習の時間に充てる
  • 6時間睡眠は絶対確保
  • 運動する日を決めて、その日は何がなんでも運動をする
  • etc

よかったこと

① コンピューターサイエンス・ソフトウェア工学に関して一通り学ぶことができて業務に活きる場面が出てきた。

私は元々インフラに苦手意識がありましたが、大学院で以下のような授業を履修したことで、深い知識を身につけることができました。

  • ネットワークの基礎に関する科目
  • 物理サーバーを使用したサーバー構築や、物理サーバーを活用してAWSのような仮想クラウド環境を構築する実習

これらの学びを通じて、システム設計の引き出しが増えただけでなく、障害対応やパフォーマンス改善時の原因切り分けが以前よりスムーズに行えるようになったと感じています。

② 様々な人との出会い
学びに対しての意欲があり、自分より経験が豊かなエンジニアと出会うことができました。

学んだ知識が業務で活きたことはもちろん、同じ志を持つ多くの人と出会えたことが大きな収穫です。中には、ネットワークのスペシャリストや凄腕アーキテクトの方々もおり、大いに刺激を受けました。

③ 深めたい領域との出会い

体系的に学んだり、業務では普段触れることのない領域に触れる中で、自分がさらに深く学びたいと感じる分野が見つかりました。その一つが「推薦アルゴリズム」です。

推薦アルゴリズムの仕組みを紐解くこと自体の面白さに加え、私が課題として考えている「フィルターバブル現象を打破しながら、ユーザーに喜んでもらえる推薦」に強い興味を持っていて今後さらに学びを深めていきたいと思っています!

今後やろうと思っていること

① 学びの発信を増やす

今年学校の中で何度か学んだことや成果などを発表することがありました。そこでの経験から発信は、自分自身の学びを深めることに繋がる事を改めて痛感しました。

直近では、3月に情報処理学会の研究発表会があるので、自分が学んだことや研究した事を発表する予定です。

そして2025年は、学会に限らず技術記事を書く頻度を増やしたりイベントへの登壇ができるような存在になりたいと思います!

② さらなる学びへの挑戦

約2年間学ぶ中で、いろんな事を知ることができ業務に活かすことができただけなく、何より学ぶことは面白いし自分の世界観が広がると思ったのが理由です。

例えば、実際に物理のサーバーを触る中で、「ルーターってこういう仕組みなんだ!」などシステムが動く仕組みの解像度をかなり高めることができました。

未知の分野への学びを積極的に行ったり、今回より深めたいと思う分野に出会ったので博士号にチャレンジしたりということも将来的にしていきたいと思っています。

最後に

Schooは 「世の中から卒業をなくす」というMissonを掲げている会社であり、リスキリングや復学などに対してポジティブな環境です。

そのような中でも、自分が大学院に通って得たことや大変だったことは実例として周囲の参考となれば良いなと思っています。

また、社会人として働きながら学校に通うことは、もちろん楽なことではありませんが、その分得られる知識や経験は大きいと感じていますし、今後の自分の糧になることを確信しています!

この記事を読んでくださった方が少しでも「学校に通ってみよう」「新たな学びを始めてみよう」と思えるきっかけになれば、とても嬉しいです!

2025年も止まることなく、学び続けていきたいと思います!

ここまでお読みいただきありがとうございました!よろしければ、記事にいいねをお願いします🙇‍♂️

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