🔰 はじめに:なぜ「UXのためのアクション設計」なのか?
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Struts2はMVCに基づく堅牢なフレームワークだが、「アクション層」は設計の良し悪しがUXに直結する。
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多くの業務系Webアプリは、次のような悩みを抱えがち:
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戻るボタンで意図しない画面に遷移する
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入力値がリセットされてしまう
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ボタンの動きが直感とズレている
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隠しフィールドやURLパラメータが増殖して保守が難しい
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本シリーズでは、ユーザー操作の流れと状態を意識したアクション設計のベストプラクティスを体系的に紹介。
📌 本シリーズの全体像(Vol.11.2.xの構成)
🔹 Vol.11.2.1:アクション層の役割と設計パターン
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UIイベント → アクション → Service の橋渡しロジック
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Command型アクション、ユースケース別設計パターン(Create / Edit / Listなど)
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アクションの粒度と単責任原則
🔹 Vol.11.2.2:戻り遷移制御とキャンセル処理のUX設計
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「キャンセル」や「戻る」ボタンの期待される動作とは?
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hiddenでの遷移元保存 vs セッション保持 vs URL付加
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戻り先の「中央集約型管理」パターン
🔹 Vol.11.2.3:多画面遷移でのパラメータ受け渡し設計
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セッション vs hiddenフィールド vs URLパラメータ
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パラメータ整合性/セキュリティ/デバッグ性を考慮した設計のポイント
🔹 Vol.11.2.4:ユーザー操作を意識したResult設計とリダイレクト戦略
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dispatcherとredirectの違い、PRG(Post-Redirect-Get)パターン
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入力エラー時の戻し方、完了画面後の操作ガイド
🔹 Vol.11.2.5:アクション層の共通化とBaseAction設計
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セッション・パラメータ共通処理、ログ出力、初期化処理などの集約化
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「冗長にならず、でも使い回せる」BaseActionの実例紹介
🧭 この記事(Vol.11.2)の目的
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上記のVol.11.2.xシリーズで何を学べるのかを俯瞰する
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なぜStruts2で「UX」を意識する必要があるのかを整理する
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アクション層設計の基本スタンスと考え方を共有する
💡 アクション層の失敗例から学ぶ(よくあるアンチパターン)
状況 | よくある実装 | 問題点 |
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キャンセルボタン |
input.action に戻すだけ |
遷移元が毎回違うと整合性が取れない |
再表示時の値保持 | セッションに何でも突っ込む | メモリ使用量や並行セッションで問題 |
一覧画面から編集画面へ | URLにIDをつけて飛ばす | URL改ざんや直接アクセスリスク |
入力エラーの戻し方 | redirectにしている | フォームデータが消える(PRGパターンの誤用) |
✅ 今後の読者への呼びかけ
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実業務の現場で「Struts2をどう設計するか」に悩んでいる開発者へ
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Javaフレームワークの「画面遷移と操作性」を論理的に整理したい方へ
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各記事(Vol.11.2.1〜)で具体的な実装Tips・コード例も掲載予定です!
📚 次回予告:Vol.11.2.1「アクション層の役割と設計パターン」
アクションって「ただの受け口」だと思っていませんか?
実は、UIイベントをユースケースに変換する“司令塔”なんです。
次回は「アクション層の位置づけ」と「正しい設計アプローチ」から始めましょう!
✨ シリーズまとめ(Vol.11.2.xx アクション層設計)
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✅ Vol.11.2.1 アクション層の役割と設計パターン ―「ただのリクエスト受け口」から「ユースケースの橋渡し役」へ―
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✅ Vol.11.2.2 アクションクラスの3設計スタイルと選定基準 ― 機能粒度・責務分離・保守性のバランスをどう取るか? ―
🧭 関連記事(Vol.11.xxxシリーズ)
連番 | タイトル | 内容分類 |
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Vol.11.0 | Struts2が提供してくれる便利機能まとめ9選 | 導入&概要 |
Vol.11.1 | 自動注入とステートレスActionの仕組み | フレームワーク内部理解 |
Vol.11.2 | UX改善に効く!アクション層設計と入力制御の極意(プロローグ)** | UX設計・アクション層総論 |
Vol.11.2.1 | 【実践編】Struts2アクション層の役割と設計パターン(Command型 / UIアクション分離など) | アクション設計パターン |
Vol.11.2.2 | 【UX重視】戻るボタン・キャンセル処理の設計手法と「戻り先管理」のスマート実装 | 戻り先制御とUX設計 |
Vol.11.2.3 | 【設計ノウハウ】多画面遷移時のパラメータ受け渡し・保持戦略(セッション vs hidden vs URL) | パラメータ多重管理 |
Vol.11.2.4 | 【実践ガイド】ユーザー操作を考慮したアクション遷移設計(リダイレクト vs フォワードの使い分け) | UX遷移設計/Result制御 |
Vol.11.2.5 | 【トラブル防止】アクション層の共通処理とメンテナブルなBaseAction設計 | アクション共通化/保守性 |
Vol.11.3 | Struts2の defaultStack とは?Interceptorの中身を詳しく追ってみる | Interceptor |
Vol.11.4 | 入門者のための「パラメータ自動バインディング」完全理解ガイド | 自動バインディング |
Vol.11.5 | struts.xml 完全攻略ガイド(package / action / result) | 設定ファイル構造 |
Vol.11.6 | ActionSupport の便利メソッドと国際化対応 | ユーティリティ / i18n |
Vol.11.7 | アノテーションベースの設定 vs XML定義の比較 | 開発スタイルの違い |
Vol.11.8 | バリデーション完全解説(XML / アノテーション) | バリデーション(※Vol.9補完) |
Vol.11.9 | Struts2の「OGNL」ってなに?しくみと使い方をやさしく解説 | 式言語OGNL解説 |
Vol.11.10 | ModelDriven インターフェースの使いどころと注意点 | Model駆動開発 |
Vol.11.11 | SessionAware と RequestAware でセッション/リクエスト管理 | セッション管理 |
Vol.11.12 | Resultタイプ完全解説(dispatcher / redirect / stream など) | 遷移パターン理解 |
Vol.11.13 | Interceptorチェーンを自作してみよう(ログ / 認証フィルタ) | 実装系上級編 |
Vol.11.14 | エラー処理と例外ハンドリングの実践パターン | ハンドリング設計 |
Vol.11.15 | Struts2でファイルアップロード機能を実装する方法 | 実装系Tips |
Vol.11.16 | 非同期通信(AJAX)とStruts2の連携方法 | フロント連携編 |
Vol.11.17 | Service層設計パターンと例外処理の実践 | 設計Tips |