0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【新卒・未経験向け】NWエンジニア現場デビューへの道:第6回 インフラエンジニアの「三種の神器」(Ping / Traceroute / NSLookup)

0
Last updated at Posted at 2026-03-11

【前回の振り返り】
前回、Tera Termで安全に接続し、ログを取る「証跡の作法」を学びました。

【本連載について】
本連載は、ネットワークエンジニアだけでなく、サーバーエンジニア、クラウドエンジニア、およびネットワーク機器担当など、インフラに関わるすべての職種に共通する「問題解決の思考プロセス」を扱っています。担当領域が違っても、トラブルの切り分けという「共通言語」を身につけることで、トラブルシューティングの精度とスピードが劇的に向上します。

はじめに:なぜこの3つなのか?
障害対応の現場では、「何が原因かわからない」という状態が一番のストレスです。まずはこの3つのツールを使い、障害の範囲を「ネットワークなのか」「DNSなのか」「経路なのか」と切り分けることが、プロとしての第一歩です。

今回からは、ネットワークの状態を読み解くための「コマンド」の実践に入ります。

⚠️ 学習を始める前の前提条件

本連載では、Linuxサーバー上での 「ネットワークコマンドの実行権限」や「環境変数の設定(PATHの追加)」 などは、あらかじめ現場の管理者によって適切に付与・設定されていることを前提として進めます。

もし、解説するコマンドを打っても Command not found(見つかりません)や Permission denied(権限がありません)と表示される場合は、操作ミスではなく権限や環境設定の問題である可能性が高いです。その際は、現場のルールに従って管理者に確認しましょう。


📚 前の記事

【第5回】:「『接続』と『証跡』の作法:インフラ操作の第一歩(Tera Term / SSH)

📚 次の記事

【第7回】:パケットの「通り道」を可視化する(OSI参照モデルの実務的活用)


📚 このシリーズ全体のまとめはこちら

【新卒・未経験向け】NWエンジニア現場デビューへの道【全11回】:記事一覧・重要ポイントまとめ


📋 目次

  1. Ping(ピン/ピング):疎通の第一歩
  2. Traceroute(トレースルート):経路の可視化
  3. NSLookup(エヌエスルックアップ):名前解決の検証
  4. まとめ:結果から「推論」する
  5. 次回予告
  6. 連載一覧:【新卒・未経験向け】NWエンジニア現場デビューへの道
  7. 他連載シリーズへの招待

1. Ping(ピン/ピング):疎通の第一歩

相手の機器までパケットが届き、戻ってきているかを確認する「山びこ」のようなコマンドです。

実行例:

ping -c 4 8.8.8.8

出力結果の読み解き方:

64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=115 time=12.3 ms

ここを見る: time=12.3 ms(応答速度)。ここが100msを超えていたり、数値に大きなバラつきがある場合は、ネットワークの混雑や経路の不安定さを疑います。

異常時の例(Time Out):

Request timeout for icmp_seq 1

ここを見る: 相手がダウンしているか、途中のファイアウォール(FW)等で遮断されています。

↑ 目次に戻る


2. Traceroute(トレースルート):経路の可視化

目的地にたどり着くまでに、どのルータ(ホップ)を経由しているかを追跡します。

実行例:

traceroute 8.8.8.8

出力結果の読み解き方:

1  192.168.1.1 (192.168.1.1)  1.125 ms
2  10.0.0.1 (10.0.0.1)  5.421 ms
3  * * *

ここを見る: * * *(アスタリスク)。ここで通信が途切れています。この一歩手前の「2」の機器までは届いている、という切り分けができます。

↑ 目次に戻る


3. NSLookup(エヌエスルックアップ):名前解決の検証

ドメイン名(URLなど)とIPアドレスの紐付けが正しく行われているかを確認します。

実行例:

nslookup google.com

出力結果の読み解き方:

Server:		192.168.1.1
Address:	192.168.1.1#53

Non-authoritative answer:
Name:	google.com
Address: 172.217.161.238

ここを見る: Server。自分が**「どのDNSサーバー」**に聞きに行っているかを確認します。意図しないサーバーを参照していて失敗するケースは、実務において非常に多いです。

↑ 目次に戻る


4. まとめ:結果から「推論」する

単にコマンドを打つのではなく、複数の結果を組み合わせて原因を絞り込みます。

  • Pingが通らない + Tracerouteが途中で止まる
    経路(ルータ等)の問題
  • Pingが通らない + NSLookupも失敗する
    名前解決(DNS)の問題
  • Pingは通る + 特定のアプリだけ動かない
    上位レイヤー(ポート番号やアプリ設定)の問題

↑ 目次に戻る


5. 次回予告

今回紹介した「三種の神器」を使えば、障害がどこで起きているかの「アタリ」を付けることができます。

しかし、現場ではさらに一歩踏み込んで 「なぜそこがボトルネックになるのか?」 を論理的に説明する力が求められます。そこで次回は、新人エンジニアが最初につまずきやすい「OSI参照モデル」を、教科書上の知識ではなく 「実務でどう使うか」 という視点で徹底解説します。

第7回:パケットの「通り道」を可視化する(OSI参照モデルの実務的活用)

「Pingは通るのに、なぜWebページが見られないのか?」——この謎を解く鍵は、レイヤーの考え方にあります。お楽しみに!

↑ 目次に戻る


📚 前の記事

【第5回】:「『接続』と『証跡』の作法:インフラ操作の第一歩(Tera Term / SSH)

📚 次の記事

【第7回】:パケットの「通り道」を可視化する(OSI参照モデルの実務的活用)


📚 このシリーズ全体のまとめはこちら

【新卒・未経験向け】NWエンジニア現場デビューへの道【全11回】:記事一覧・重要ポイントまとめ


6. 連載一覧:【新卒・未経験向け】NWエンジニア現場デビューへの道

回数とタイトル 内容(概要)
第0回:IT業界の地図を読み解く インフラエンジニアが活躍するフィールドの全体像を把握する。
第1回:組織という「面」で動く(組織図とステークホルダー) 現場は一人では回らない。周囲との関係性とチームプレーの重要性。
第2回:技術より先に身につけるべき「現場サバイバル術」 「報・連・相」の型と、周囲から信頼されるための振る舞い方。
第3回:ログイン前に「情報の地図」を揃える:設計書と業務の全体像 実機を触る前に把握すべき、ドキュメントの読み方と業務分類。
第4回:実作業の極意:地雷を避け、道を整備するエンジニアの作法 作業の正確性を担保し、次へ繋げるためのドキュメントメンテナンス術。
第5回:「接続」と「証跡」の作法:インフラ操作の第一歩(Tera Term / SSH) プロの「初期設定」を学び、確かな裏付け(エビデンス)を残す準備を整える。
第6回:インフラエンジニアの「三種の神器」(Ping / Traceroute / NSLookup) 特定のOSに依存しない、通信の生死と経路、名前解決を確認する技術。単に打つだけでなく、「結果から何が言えるか」を読み解く力。
第7回:パケットの「通り道」を可視化する(OSI参照モデルの実務的活用) 教科書上の知識ではなく、現場で「どこで止まっているか」をL1〜L4のレイヤーで迅速に切り分ける思考プロセス。
第8回:実機操作の「安全装置」とロールバック 設定変更における共通の作法。バックアップ、投入前の差分確認(diff)、そして「もし通信が切れたらどう戻すか」の計画策定。
第9回:現場で信頼される「エビデンス」と報告の技術 「動きました」ではなく、何を根拠に正常と判断したのか。第三者が納得する作業報告書の書き方。
第10回:【最終回】「点」を「線」にする:自走し続けるための学習術 現場デビューは通過点。実務から得た知識を、どうやって汎用的な技術(資格や深い理論)へ昇華させていくか。

↑ 目次に戻る


📚7. 他連載シリーズへの招待

本記事の内容をさらに深掘りする「思考法」や、現場での「立ち回り」「基礎知識」など、他の連載シリーズは以下の統合ブログにまとめています。

「技術だけでは評価されない」現場で生き残るエンジニア戦略まとめ【全連載ガイド】

(今の自分に必要な「武器」を、全シリーズから逆引きで探せます)


↑ 目次に戻る


0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?