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すぐに繋がる Web 会議【有償版が必要】

Last updated at Posted at 2021-12-06

:star: はじめに

この記事は、Webex Advent Calendar 2021 の 7 日目:four_leaf_clover:として投稿しています。

Web 会議は、以前から B2B(Business to Business) では広く使われてきましたが、パンデミックの影響もあり、最近では企業間のみならず、さまざまな場面で使われるようになりました。
例えば、オンライン相談、オンライン診療、オンライン面会などが挙げられます。

Web 会議を B2C(Business to Customer) で利用するケースも増えてきている一方で、普段 Web 会議を利用しない方が初めてアクセスする場合は、会議を開始する前に躓いてしまうポイントがいくつかあります。

新しくリリースされた Webex Instant Connect の API を使って、どのように改善できるか試してみました。

:star: Web 会議のユーザエクスペリエンス

初めて Web 会議にアクセスする場合、ほとんどのサービスにおいて、アプリケーションのダウンロードやユーザ情報の入力などが求められます。
画像1.png

例えば、Webex の場合、主催者から届いたスケジュールの本文に「ミーティングを開始」というボタンがあり、簡単に Web 会議を開始できますが、初めてアクセスする場合は、追加のステップが必要となり、先に進めない利用者向けのサポート業務が増えてしまうことが考えられます。
画像2.png
また、事前にマニュアルを作成して配布しても、クラウドサービスは頻繁にアップデートがあるので更新が追い付かないケースも考えられます。

:star: Webex Instant Connect

そんなことを考えていたら、ワンクリックで Web 会議に参加できる API がリリースされました。
画像3.png
ブラウザベースなのでアプリのインストールが不要で、PC だけでなく、モバイルやタブレットでも動作します。
さらに、参加者(ゲスト)側は、何も入力することなく、専用のリンクにアクセスするだけで、すぐに参加できます。

既存の API や SDK を駆使することで同じことが実現できますが、Webex Instant Connect は、それらをパッケージ化し、さらに簡略化したものです。
画像4.png
※ボタンの色や位置の変更、機能追加などのカスタマイズはできません。
 自由にカスタマイズしたい場合は、既存の API や SDK の利用をお勧めします。
 詳細は、Webex Advent Calendar 2021 の 1日目 をご参照ください。

API や SDK を活用した事例:
・事例1:パーソル パ・リーグTVグループ観戦
・事例2:LINE WORKS 連携

Webex Instant Connect は、2つのコンポーネントで構成されています。
・Link Generator:Web 会議のリンクを生成 (Guest Issuer を活用)
・Meeting UI:Web 会議のユーザインターフェイスを提供 (Browser SDKを活用)
画像5.png
※予約ポータルはサービスに含まれないため、既存の Web サイト、または別途構築する必要があります。

:star: 動作イメージ

実際の動作を動画でご覧ください。

・シナリオ:オンライン面会
・患者家族(ゲスト):メールでリンクが共有され、面会時間になったらリンクをクリックし、待機
・入院患者(ホスト):Webex Messaging でリンクが共有され、面会時間になったらリンクをクリックし、開始
オンライン面会_20211122.gif
※ブラウザの WebRTC が使われており、初回アクセス時は、マイクやカメラのアクセス許可が必要になる場合があります。
※リンクの配布は別途実装する必要があります。

:star: 事前準備

ご利用にあたっての前提条件:

・Webex の有償ユーザ (A-FLEX3.0 契約) であること ・「A-FLEX-MTGBROKER」の PID が契約に含まれていること (追加費用はかかりません :free:)。

(詳しくは、Cisco の担当者までお問合せください :telephone_receiver:)

1. Webex Instant Connect の有効化

Instant Connect for virtual care にアクセスし、「Begin Virtual Care Integration」をクリックします。
画像6.png
Webex のログイン画面が表示されるので、上記前提条件を満たす Webex 組織に登録されている管理者権限のユーザでログインします。

他のユーザで既にログインしている可能性がある場合は、ブラウザのシークレットウィンドウで実施することをお勧めします。

アクセス許可の画面が表示されるので、「承認」をクリックします。
画像7.png
「Activate Instant Connect」をクリックすると、「Instant Connect activated」に変わり、有効化が完了します。
画像8.png

2. アクセストークンの取得

Webex for Developers にアクセスし、上と同じ管理者権限のユーザでログインします。
画像9.png

「My Webex Apps」を選択します。
画像10 (小).png

有効化されたタイミングで自動作成された「GuestIssuerApp」が確認できます。

これは絶対に削除しないでください :no_good:

画像11-1.png

右上の「Create a New App」をクリックします。
画像11-2.png

Create a New App 画面が表示されたら、「Create a Bot」をクリックします。
画像12.png

New Bot 画面が表示されたら、必要な情報を入力し、右下の「Add Bot」をクリックします。
画像13.png

「Bot access token」の値をコピーして保管しておきます。

画像14.png
※「Integration」の「OAuth Access token」を利用することも可能です。詳細は、こちらの記事をご参照ください。

:star: リンクの作成

1. API 情報の確認

Instant Connect for virtual care にアクセスし、「Begin Virtual Care Integration」をクリックします。
画像15.png

Host と Guest の URL が表示されます。

主催者(ホスト)と参加者(ゲスト)のリンク作成時に必要な情報ですので、コピーして保管しておきます。

画像16.png

画面下部に POST メソッドの URI が表示されます。

API のリクエスト先になりますので、こちらもコピーしておきます。

画像17.png

POST メソッドの URI をクリックすると、Header や Body の仕様が確認できます。
画像18.png

2. API リクエスト

リクエストが成功すると、ホスト用(host)とゲスト用(guest)の情報がそれぞれ返ってきます。
画像19.png

※"aud" は、非公開ですので Cisco の担当者までお問合せください :telephone_receiver: ※"sub" は、会議室毎にユニークな値を設定します。

Python でのリクエスト例:

import requests
import json

url = "https://mtg-broker-a.wbx2.com/api/v1/joseencrypt"

payload = json.dumps({
  "aud": "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
  "jwt": {
    "sub": "test"
  }
})
headers = {
  'Content-Type': 'application/json',
  'Authorization': 'Bearer Zjc4M2NjNGEtMjkzYi00MTIyLWE5ZjgtN2U3ZjRkMTg4ZGJjZTNlYmU2MjktMDI2_P0A1_2b3e2fe0-c4ea-4dd4-958b-48eb4cb375a7'
}

response = requests.request("POST", url, headers=headers, data=payload)

print(response.text)

※'Authorization'の Bearer ヘッダには、コピーしておいた「Bot access token」の値を設定します。

3. リンクの作成

先程コピーした主催者(ホスト)と参加者(ゲスト)用 URL の後ろに Response で取得した情報をくっつけることでリンクの完成です。
画像20.png
複数のアルゴリズムで暗号化されており、文字数がとても長いです。
画像21-22.png

:star: 動作確認

作成したリンクを参加者(ゲスト)と主催者(ホスト)がそれぞれクリックします。

参加者(ゲスト)は主催者(ホスト)が参加するまで待機画面のままです。
画像23.png
※WebRTC の仕様上、カメラやマイクが利用できないデバイスではエラーになります。
※1台の PC でテストする場合、mac と Windows で内蔵 Web カメラの動作に違いがあります。

mac:Web カメラを複数のブラウザウィンドウで共有できる Windows:Web カメラを複数のブラウザウィンドウで共有できない :arrow_right: Web カメラを増やすか、仮想カメラで対応

主催者(ホスト)は、初回参加時にログイン画面が表示されます。
ここでは管理者権限のユーザではなく、Webex Meetings のライセンスが付与されたユーザでログインします。
アカウント情報を保存することで 2 回目以降はログインを省略することが可能です。
画像24.png

「Start Consultation」をクリックすると、会議が開始されます。
画像25.png

:star: 最後に

最後まで読んで頂き有難うございます。

シンプルな API で会議リンクを取得できるので、さまざまなサービスで活用できると感じました。

あとは、発行されたリンクを配布する必要がありますが、最近は CPaaS や iPaaS が普及してきているので、同じ要領 (API 連携)で解決できると思います (配布先は Eメール、SMS、LINE などを想定)。

SMS でリンクを共有する場合は、短縮 URL サービスを利用して短くしてから配布する必要があります。

今後、Web 会議を皆様のサービスとして活用する場合に少しでもお役に立てれば幸いです。

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