今回のお試しは、Claude MCPです。
デスクトップ版からさまざまなMCPサーバーにアクセスして、あれこれ自動化しちゃいます。
そして試運転をするときに家族のリクエストによりレポートを作成することになります。(記事の最後に作成したファイルを記載しています)
今回試すにあたって参考にしたYoutube動画はこちらです。
必要なもの
- PC(Windows,MacどちらでもOK)
- 私の場合はMacを使用しました
- Claude Account(Googleアカウントでも簡単にできます)
- Claude Desktop App
- ダウンロードリンク: https://claude.ai/download
- Node.js(後ほど詳述)
- ダウンロードリンク: https://nodejs.org/ja/download/ (LTS版を推奨)
- APIで必要なAPIキー
Node.jsインストール
まずは、Claude DesktopをDLしてログインを済ませましょう。
そしたら、Node.jsをインストールします。セットアップファイルがDLできたら実行して本体をインストールします。
brew
コマンドでもできますが、少し難しいので今回は省略します。
Claude Desktopのclaude_desktop_config.jsonを見つける
Claude Desktopを起動すると、ブラウザ版と同様のインターフェースが表示されます。ここで、MCPサーバーに接続するための設定を行います。
- Claudeのウィンドウを選択した状態で画面右上の「Claude」という項目を探します。(りんごマークの隣です)
a. - そこをクリックしたら「Settings」を選びます
a. - Settingsの中にあるDeveloperをクリックし、「Edit Config」をクリックするとファイルの場所が表示されます
a.
見つけたファイルをエディタにドロップすれば編集可能になります。
ちなみにファイルパスはこんな感じです。
macOS の場合:~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
Windows の場合:%APPDATA%/Claude/claude_desktop_config.json
MCPサーバーのページにアクセス
MCPサーバーが使えるようにするためにGithub上にあるmodelcontextprotocol/servers
というリポジトリにアクセスします。
そこのReadme
から今回使用する「Filesystem」と「Brave Search」を探します。
なお、Brave SearchはARCHIVEDになっているので、そのままクリックしてもリンク切れと表示されます。
こちらからアクセスしてください。→ https://github.com/modelcontextprotocol/servers-archived
その上で、リポジトリ内でBrave Searchを検索してください。
それぞれの役割は以下のとおりです。
-
Filesystem
:PC内のファイルを操作するときに使用します -
Brave Search
:Web検索をするときに使用します。(ただし、今のClaudeは標準でWeb検索機能があるので不要だったかもしれません。今回はAPIキー取得の練習として使います)
リンクをクリックするとサーバーの説明が書かれたページが表示されるので、下にスクロールして「NPX」という項目を探します。
コードをjsonに貼り付け
そのNPXのコードを丸ごとコピーします。
コピーした内容はjsonファイルにペーストしてください。
なお、2つ目以降のコードはmcpServers
よりも内側のコードだけをコピーし、ペーストする前にカンマを1つ目のコードの後ろに入れてからペーストしてください。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"/Users/username/Desktop",
"/path/to/other/allowed/dir"
]
},
"brave-search": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-brave-search"
],
"env": {
"BRAVE_API_KEY": "MY_API_KEY"
}
}
}
}
そしたら、Filesystem
の操作で必要なファイルパスを編集します。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"/Users/username/Desktop",
"/path/to/other/allowed/dir"
]
}
}
}
この2行を自分のPC環境に合わせた名前にしていきましょう。
ちなみに、Cursor
で編集するとご自身の環境に合わせたファイルパスをサジェストしてくれるので、かなり便利ですよ!
Cursorのダウンロードリンク:https://www.cursor.com/downloads
APIキーを貼り付ける
Brave Searchで必要なAPIキーを取得して、jsonファイルにペーストします。
{
"mcpServers": {
"brave-search": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-brave-search"
],
"env": {
"BRAVE_API_KEY": "YOUR_API_KEY_HERE"
}
}
}
}
Brave Search APIキーを作成
まず、Brave Search APIのホームページにアクセスして、ログインもしくはアカウント作成をします。
完了したら、APIキーを作成する前にプランの選択を行う必要があります。
Subscriptions
のタブから入るプランを選択します。
無料版でも十分練習用としては使えるので、無料版に入っておけばOKです👍
登録が完了したらAPI Keysのタブでキー新規作成します。
キーの名前を入力したらキーが作成されるので、先ほど示したファイルの位置にペーストします。
ファイルを保存しClaude Desktopを再起動して、チャット右下の「+」をクリックしてFilesystemとBraveが出現すれば完了です。
家族リクエストで試運転
ここまで準備が整い何をしてもらおうか悩んでいると、家族から連絡が入りました。
身内が認知症認定を受けたため、そのための調べ物を頼めないかというものでした。
というわけで、家族からのリクエストで調べ物から資料化までの様子をお届けします。
リクエストした作業内容
Claude Desktopを立ち上げで以下のリクエストを送りました。
- Brave Search を使って「認知症患者への声かけの仕方」、「認知症患者と会話する時の言葉選び」を調査し要点を簡潔にまとめる
- Filesystemを使用してPCのデスクトップに「認知症患者との会話」というフォルダを作成する
- まとめた内容をmarkdown方式で作成したフォルダ内に保存する
markdown方式にしたのは、今のFilesystemで出力できるファイルは.txt
と.md
に限られているためです。
すると、Claudeは検索調査からファイル作成までを自動で行いました。
デスクトップを確認してみると、確かに指定した名前でフォルダが作成されています。
中を覗いてみると、しっかりとmarkdownで調査結果がまとめられていました。
ファイルを見ると、とても簡潔に調べて欲しいことをまとめてありわかりやすいです。
ただ、どのサイトを参考にしたのか参考文献の記載がありませんでした。
どうやら、Claudeは事前に言わないと参考文献を書かないままレポートを出力してしまうようです。
そこで今度は以下のようなプロンプトにしました。
- 「認知症患者への声かけの仕方」、「認知症患者と会話する時の言葉選び」を調査する
- 調べたサイトは参考資料として資料の一番最後に掲載する
- Filesystemを使用して、まとめた内容を「認知症患者との会話方法.md」で「認知症患者との会話」フォルダ内に保存する
完成したファイルを見てみると、本文の後ろにしっかりと訪問したサイトが記載されていました。
これで、完璧です⭐️
完成したファイルは記事の最後で公開しています。
ただ、markdownのまま家族に渡しても読みにくいと思うので、PDFに変換後家族にレポートを渡しました。
使ってみて思うこと
今回は簡単にWeb検索調査とテキストファイル出力作業を自動化しただけですが、これだけでもかなり便利と感じています。
これからGoogleサービスなどに連携していけば、さらに便利になること間違いなしでしょう!
また、これは家族がAIに触れる良い機会になるかもしれません。
是非ともこの便利なアイテムを布教してください🙇
今回作成したファイル
認知症患者との会話方法
認知症患者との会話方法
はじめに
認知症患者とのコミュニケーションは、介護の基本的かつ重要な要素です。適切な声かけや言葉選びによって、患者の心理的安定と生活の質の向上を図ることができます。一方、不適切な言葉は症状を悪化させる可能性があるため、十分な理解と配慮が必要です。
基本的な考え方
感情残像の法則
認知症の方は、抱いた感情が残像のように相当時間継続するといわれており、この状態は、「感情残像の法則」とも呼ばれています。そのため、負の感情を与えるような言葉や態度は長期間にわたって影響を与える可能性があります。
否定しないことの重要性
「否定しない」が大原則として、認知症患者との接し方において最も重要な原則です。患者の言動には本人なりの理由があることを理解し、受け入れる姿勢が大切です。
言ってはいけない言葉
否定的な言葉
- 「ダメ!」「違う!」
- 「間違っている」
- 「そんなはずない」
- 「できない」
認知症の方が、周囲の理解しがたい行動を取った場合でも、本人にとっては合理的な理由が存在するというケースがよくあります。否定的な言葉は患者の不安や悲しみを増長させてしまいます。
叱責や指摘の言葉
- 「何度言ったらわかるの」
- 「また忘れたの」
- 「さっき言ったでしょう」
- 「もう〇歳なのに」
幼児扱いする言葉
- 過度に幼児語を使用する
- 「〇〇ちゃん」などの呼び方(本人が望まない場合)
声かけのポイント
1. 肯定的な表現を使う
否定的な表現を避け、できるだけ肯定的な言い回しに変換する:
- ❌「まだ食べてないでしょ」→ ⭕「一緒にお食事しませんか」
- ❌「それは違います」→ ⭕「そうですね、〇〇という考え方もありますね」
2. 具体的でわかりやすい表現
抽象的な表現ではなく、具体的でわかりやすい言葉を選ぶことが重要です。細かな情報や具体的な内容を伝えることで、理解しやすくなります。
例:
- ❌「外でお散歩しましょう」→ ⭕「公園に行って、花を見ながら歩きましょう」
- ❌「ご飯を食べましょう」→ ⭕「美味しい魚の料理ができました、食べてみませんか?」
3. 感謝の言葉を伝える
コミュニケーションにおいて感謝の言葉を伝えることは、認知症の方との良好な関係を築く上で重要です。
4. 傾聴と受容
コミュニケーションにおいては、声かけや話し方よりも重要なのが「聴き方」です。患者の話を最後まで聞き、受け入れる姿勢を示すことが大切です。
実践的なコミュニケーション技法
非言語コミュニケーションの活用
言語以外の方法も有効です:
- 穏やかな表情
- アイコンタクト
- 優しいタッチング
- ジェスチャー
環境への配慮
- 落ち着いた雰囲気作り
- 騒音の少ない環境
- 適切な照明
- 集中できる空間
タイミングの重要性
- 患者の体調や気分を考慮
- 急がせない
- 十分な時間を確保
症状別の対応方法
記憶障害がある場合
- 繰り返しの質問に対しても忍耐強く対応
- 新しい情報は簡潔に伝える
- 記憶の混乱を無理に訂正しない
失語がある場合
認知症が進行して、失語がみられていますという状況では、非言語コミュニケーションの活用がより重要になります。
不安や混乱がある場合
- 安心できる言葉をかける
- 一緒にいることを伝える
- 本人のペースに合わせる
コミュニケーションの効果
認知機能への良い影響
会話の量が増えれば脳が活性化され、認知機能にもいい影響を及ぼします。適切なコミュニケーションは認知症の進行抑制にも期待できます。
生活の質の向上
さまざまな人と交流することで、生活にハリが出て、気持ちも明るくなります。
症状の緩和
相手に合せてコミュニケーションをとることで、安心し穏やかな気持ちになり、症状を緩和することができます。
介護者への配慮
自分を責めない
言ってはいけない言葉を言い返してしまうなどして、苦しまれている方がたくさんいらっしゃいます。もしあなたがそのような状況だったとしても、どうかご自分を責めないでください。
ストレス管理の重要性
介護者自身のメンタルヘルスも重要です。適度な休息と支援を求めることが大切です。
まとめ
認知症の方への声かけは、「常にこれが正解」というものは存在しません。しかし、基本的な原則を理解し、患者一人ひとりに合わせたコミュニケーションを心がけることで、より良い関係を築くことができます。
重要なのは:
- 否定せず、受け入れる姿勢
- 具体的で分かりやすい表現
- 傾聴と共感
- 非言語コミュニケーションの活用
- 介護者自身のケア
これらのポイントを意識して、認知症患者との温かい関係を築いていきましょう。
参考資料
-
認知症の人との接し方。「言ってはいけない言葉」とは? | 認知症ポータルサイト「テヲトル」
https://theotol.soudan-e65.com/care/point_how-to-interact -
認知症の家族への接し方・声かけのポイント|豆知識・コラム|よくわかる介護の話|ALSOK介護株式会社
https://kaigo.alsok.co.jp/care_story/archives/51 -
介護の声かけ、話し方、聴き方の基本とは - ekaigo with
https://www.ekaigotenshoku.com/ekaigowith/2022/12/12/communication/ -
「否定しない」が大原則。認知症の方との接し方と上手なコミュニケーション方法|認知症のコラム|有料老人ホーム検索さがしっくす
https://www.sagasix.jp/column/dementia/communication/ -
認知症の方との接し方のポイントは?よくあるシーン別に解説
https://www.asahi-life.co.jp/nethoken/howto/ninchisyo/communication-with-people-with-dementia.html -
認知症の人に対する話し方のコツ
https://www.ninchisho-forum.com/knowledge/kaigo/004.html -
認知症患者の会話の特徴と注意点|コミュニケーションのポイント解説
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/dementia/6558 -
自尊心を傷つけない認知症の方とのコミュニケーション方法
https://www.azumien.jp/contents/method/00019.html -
言葉が理解できない場合【認知症患者とのコミュニケーション】 - NsPace(ナースペース)-家で「看る」あなたを支える
https://www.ns-pace.com/article/category/feature/a7368/ -
100歳プロジェクトPart 2 認知症の方が安心する『声かけ 」 - JA岩手県厚生連
https://www.ja-iwatekouseiren.or.jp/osusume/osusume202312/ -
認知症の人への声かけのコツは?言ってはいけない言葉や接し方のポイントも解説!
https://point.charmcc.jp/trivia/th8Dz -
認知症の方にいってはいけない言葉。避けるべき20のフレーズ | 【公式】介護付有料老人ホームアズハイム
https://as-heim.com/column/column-14003/ -
認知症の方に言ってはいけない言葉とは?接し方のポイントや介護の注意点|朝日生命
https://anshinkaigo.asahi-life.co.jp/activity/ninchisho/column10/04/ -
セコムの介護応援ブログ - 「認知症」の方とのコミュニケーションのコツ
https://www.secom.co.jp/kaigo/method/20170523.html -
高齢者・認知症の人に言ってはいけない言葉とは?介護でNGな声掛け・ダメな接し方|ハートページナビ
https://www.heartpage.jp/contents/magazine/08-00729 -
認知症の人に言ってはいけない言葉とは?適切なコミュニケーションの取り方を解説|オンライン診療サービス おうち病院
https://anamne.com/dementia-forbidden-words/ -
認知症の方に言ってはいけない言葉とは?接し方について解説 - 再生医療クリニック|ルネクリニック東京院
https://renee-clinic.jp/report/544/