2025年8月24日最新情報に基づき更新
Linux on WSL2 on Windows 11 の設定や日々の運用方法の備忘録です.仮想マシンのLinuxディストリビューションはUbuntu-24.04 LTS で検証しています.インストール関連は下端にメモを付けました.
仮想マシンのインストール
Ubuntu-24.04 LTS をWSL2にインストールします.管理者モードのPowerShellで作業します.初めてWSLを使用する場合は関係するコマンドをインストールしておきます.その後,再起動が必要です.
wsl --install
オンラインストアで利用可能なLinuxディストリビューションを確認します.
PS C:\home> wsl --list --online
インストールできる有効なディストリビューションの一覧を次に示します。
'wsl.exe --install <Distro>' を使用してインストールします。
NAME FRIENDLY NAME
AlmaLinux-8 AlmaLinux OS 8
AlmaLinux-9 AlmaLinux OS 9
AlmaLinux-Kitten-10 AlmaLinux OS Kitten 10
AlmaLinux-10 AlmaLinux OS 10
Debian Debian GNU/Linux
FedoraLinux-42 Fedora Linux 42
SUSE-Linux-Enterprise-15-SP6 SUSE Linux Enterprise 15 SP6
SUSE-Linux-Enterprise-15-SP7 SUSE Linux Enterprise 15 SP7
Ubuntu Ubuntu
Ubuntu-24.04 Ubuntu 24.04 LTS
archlinux Arch Linux
kali-linux Kali Linux Rolling
openSUSE-Tumbleweed openSUSE Tumbleweed
openSUSE-Leap-15.6 openSUSE Leap 15.6
Ubuntu-20.04 Ubuntu 20.04 LTS
Ubuntu-22.04 Ubuntu 22.04 LTS
OracleLinux_7_9 Oracle Linux 7.9
OracleLinux_8_10 Oracle Linux 8.10
OracleLinux_9_5 Oracle Linux 9.5
Ubuntu-24.04 LTS をインストールします(2025年8月現在最新版で,この時点ではubuntuも同一,ubuntuは最新版を指すようですが,何を入れたか明確にするため,バージョン付きを入れます).ディストリビューションによってはオンラインストア経由でインストールする必要があるかもしれません.
wsl --install -d Ubuntu-24.04
インストールされているLinuxディストリビューションの表示
wsl -l
既定のディストリビューションの変更
もし古いバージョンが既定になっていたら,既定をUbuntu-24.04に変更します.
wsl --set-default Ubuntu-24.04
wsl -l
インストール後のシステムアップデート
インストール直後にシステムを更新しておきます.Powershellのまま,Ubuntu-24.04が起動されているので,そのまま実行します.
sudo apt -y update
sudo apt -yV upgrade
sudo apt -yV dist-upgrade
sudo apt -yV autoremove
sudo apt autoclean
完了したらexitし,再度ログインすることで更新が反映されます.ここで,MobaXtermを起動するとWSL-Ubuntu-24.04が登録されているはずですので,それをダブルクリックすればMobaXtermでUbuntu-24.04を起動できます.
アンインストール
wsl --shutdown
wsl --unregister Ubuntu-24.04
WSLのアップデート
wsl --update
ファイルシステムのマウント
仮想マシンのファイルシステムをWindowsのZドライブに割り当て,Windowsから簡単に仮想マシンのファイルシステムにアクセスできるようにします.
LinuxファイルシステムをWindowsファイルシステムにマウント
Windowsエクスプローラで作業します.マウントできるのはWindowsのドライブのみで,フォルダはできないようです.
- Linuxのターミナルを起動しておく(必須)
- エクスプローラの左端に表示で,Linux アイコンをクリックする.右側に現れる Ubuntu-24.04 アイコンを右クリックする
- ネットワークドライブの割り当てをクリックする
- ドライブを
Zに割り当て,完了 をクリックする(フォルダは入力された状態になる) - Windowsのドライブ
ZからLinuxファイルシステムにアクセスできることを確認する - アンマウントするにはドライブ
Zを右クリックで切断する
Windowsファイルシステムで Linux の パーミッションを有効にする
LinuxからWindowsのファイルシステムを参照する場合もパーミッションを有効にできます.仮想マシンでの作業です.
/etc/wsl.conf に以下を記述し,仮想マシンを再起動します.
[automount]
options="metadata"
外付けドライブをLinuxファイルシステムにマウント
Windows のドライブは /mnt 以下にマウントされます.例えばCドライブは /mnt/c です.
外付けドライブは自動的にはマウントされません.外付けドライブEをマウントします.効かない場合はWindowsを再起動してみましょう.
sudo mkdir /mnt/e
sudo mount -t drvfs e: /mnt/e/
マウントを解除します.
sudo umount /mnt/e/
属性を維持してコピー
Linuxのファイル属性(含タイムスタンプ)を維持したままWindowsのファイルシステムにコピーするにはrootで-pオプションを用います.こうしないとタイムスタンプが現在になってしまいます.
d:\dat\,を e:\dat\としてコピーします.
sudo cp -r -p /mnt/d/dat /mnt/e
仮想マシンの複製
他のWindowsマシンに仮想マシンを丸ごとTARファイルとして出力する方法です.WindowsのコマンドプロンプトまたはPowerShellで作業し,export,importコマンドを用います.
準備
対象の仮想マシンにおいて,デフォルトユーザ名(teemとします)が指定されていなければ,/etc/wsl.conf に以下を追記します.ホスト名(以下ではwslとしました)も追記しておきます.仮想マシンを再起動します.
これは環境構築として一度行うだけです.
[user]
default=teem
[network]
hostname=wsl
仮想マシンのexport
存在するLinuxディストリビューションを確認します.
PS C:\Users\teem> wsl -l -q
Ubuntu-24.04
このUbuntu-24.04 を C:\Users\teem\WSL_IMAGES に Ubuntu-24.04-2025.tar のファイル名でexportします.
PS C:\Users\teem> wsl --export Ubuntu-20.04 C:\Users\teem\WSL_IMAGES\ubuntu-24.04-2025.tar
仮想マシンのimport
複製した Ubuntu-24.04-2025.tar を別のWindowsマシンの C:\Users\teem\WSL_IMAGES\ にコピーしておきます.
PS C:\Users\teem> wsl --import Ubuntu24.04 C:\Users\teem\WSL_IMAGES\Ubuntu-24.04 C:\Users\teem\WSL_IMAGES\ubuntu-24.04-2025.tar
Syntaxは以下の通りです.
wsl --import <ディストリビューション名> <保存先> <importするtarファイル名>