はじめに
本記事は注意喚起のため作成しました。
Monitronの階層構造
Amazon Monitronサービスは以下の階層構造を持っています。
(画像出典:AWS公式PDF Amazon Monitron Part 2(設定編))
しかし下表のとおり、「サイト」という単位は物理的な建屋のようなロケーションを指す概念であり、各アセットをグルーピングする概念となっているため、設定上必須ではありません。
対象 | 設定単位例 | セットアップ | 備考 |
---|---|---|---|
プロジェクト | 工場/倉庫 | 必須 | セットアップの前提条件となる |
サイト | A工場/B倉庫 | 任意 | |
アセット | Cモーター/Dタービン | 必須 | ポジション作成の前提条件となる |
ポジション | ダクトファン/上部 | 必須 | センサー登録の前提条件となる |
セットアップ上の注意点
よくない手順
そのため、2024年5月15日現在、普通に公式手順に沿ってセットアップすると、サイト作成をせずにセンサー登録までできてしまいます。
Monitronゲートウェイは、プロジェクトまたはサイトに紐づける必要があるのですが、サイトを作らずにセットアップすると、そのとき 選択しているプロジェクトに紐づいてしまいます。
例えば以下のブラウザキャプチャ通り、左メニューからGatewayを選択すると、ゲートウェイは見えるのですが、実は上部のほうに設置先を選択するボタンがあることに気づきます。
クリックしてみると、今回の例ではプロジェクトである「jnit-test」に1つのゲートウェイが表示されますが、(後に作成した)サイトである「MyHomeLivingRoom」というサイトを選択するとゲートウェイが登録されていないことがわかります。
- ちなみにこのとき、ゲートウェイ登録後に作成したサイト「MyHomeLivingRoom」に、手動でアセットを移動させているので、以下のようにチグハグな状況になっています。
- アセットは「サイト」に紐づく
- ゲートウェイは「プロジェクト」に紐づく
これはMonitronのセットアップフローの問題であると個人的に考えています。
この問題はBlackbeltでも注意喚起されています。
(画像出典:AWS公式PDF Amazon Monitron Part 2(設定編))
ゲートウェイがプロジェクトに紐づいたままでもモニタリングは可能ですが、人間の自然な理解にあわせれば、ゲートウェイは物理的に設置された場所、つまりサイトに紐づいてもらわないと、どの場所においてあるゲートウェイなのか判別が難しくなるという管理上の問題が生じます。
2024年5月15日現在、「ゲートウェイを移動させる」機能がないため、 この状況に陥るとゲートウェイを一度削除する必要があります。
ただしい手順
本来は以下の流れになります。
- AWSマネジメントコンソール
- Monitronプロジェクトの作成
- 管理者ユーザの登録
- Monitronプロジェクトの作成
- Monitron web app (ブラウザ or スマホアプリ)
- サイトの追加
- Monitron web app (スマホアプリ)
- サイトを切り替えた上で ゲートウェイの追加
- アセットの追加
- ポジションの追加
ゲートウェイのペアリング先を変更
先にも記載したとおり、ゲートウェイのペアリング先を変更する機能がないため、ゲートウェイをいったん削除してから追加し直します。
ゲートウェイの追加にはスマホアプリが必須なので、スマホアプリでゲートウェイの削除から進めていきます。
ゲートウェイを削除
ゲートウェイの削除が完了しました。忘れずに画面上部のメニューを選択します。
サイト「MyHomeLivingRoom」が選択状態となっていることを確認し、ゲートウェイを追加します。
ゲートウェイとの再ペアリング
ここは別記事にも記載しているので、画面キャプチャは割愛します。
- 以下のような手順を進めます。
- ゲートウェイ側面のボタンを押してスマホとペアリング
- Wifiを選択し、Wifiパスワードを入力
で、アセットや過去データは消えたのか、消えてないのか・・
-
アセット
- 無事残ってました。アセットの再セットアップは不要でした。
- おそらくMonitronサービスはアセットを、ゲートウェイに依存しないユニークIDで掴んでいるため、上位のゲートウェイが一時削除されたところでなんともないようです。
- 私の場合は事前にアセットを適切なサイトに移動させていたので、ゲートウェイ再ペアリング後は何も操作する必要はありませんでした。
- 無事残ってました。アセットの再セットアップは不要でした。
-
アセットのデータ
- こちらも残っていました。
- 1時間毎の取得間隔に被ってしまった場合は、そのタイミングのデータが失われるかもしれませんが(未確認)、過去のデータもしっかり残っています。
- ゲートウェイ再ペアリング後のデータ取得も問題ありませんでした。
- こちらも残っていました。
おわりに
以上のように、ゲートウェイ追加時にサイトを意識しておかないと、本記事執筆時点ではかなり手間な作業が発生するので、注意喚起のため記事をしたためました。
以上です。