概要
AmazonConnectの問い合わせフローを作成していた際、着信順に電話を取ることができないという問題が発生したので問題点と解決策を記載します。
また、解決策を行ったことで変更される点についても記載します。
やりたかったこと
・AmazonConnectのある電話番号にかけてきた人に対して、オペレータに空きがある場合と無い場合で違う音声アナウンスを流したい。
空きがある⇒「オペレータにおつなぎいたします」 + コール音 ・・・①
空きがない⇒(「少々お待ちください」 + 保留音)をループさせる ・・・②
・電話をかけてきた順にオペレータに繋ぎたい
発生した問題
問題Ⅰ.
オペレータを1人のみAvailableにしてA,B,Cの順番で連続してかけたところ
A⇒①のアナウンス
B⇒①のアナウンス
C⇒②のアナウンス
が流れた。
・オペレータ1名のため、①のアナウンスは2名に流れてほしくない
問題Ⅱ.
オペレータに繋がれた順番がA⇒C⇒Bとなった。
・着信順がA→B→Cなのでその通りにオペレータに繋ぎたい
問題発生時のフロー
・一番左の赤枠にてキューを確認し、オペレータの空き情報を確認している。
・真ん中の赤枠にて、「オペレータにおつなぎいたします」の音声を流している。
・「customer queue」ではコール音をオペレータが電話応答を取るまで流し続けている。
・「customer queue busy」では「少々お待ちください」 + 保留音を流している。
※顧客キューフローはキューに転送した後、オペレータがコールを取るまで流れるフローです。
※顧客キューフロー内で再生する音声はループ処理されます。
原因
問題Ⅰ.
この問い合わせフロー内でプロンプト再生を行っている場合、音声が終了するまで処理が先に進みません。
つまり、キューに登録されません。
Aさんが電話をかけ、「オペレータにおつなぎいたします」を聞いている間にBさんが電話をかけた場合、Aさんはまだキューに登録されていないため、Bさんに①のアナウンスが流れることになりました。
問題Ⅱ.
次にAさんがキューに登録された後、Cさんが電話をかけた場合、オペレータに空きがないため、Cさんに②のアナウンスが流れます。
しかし、②のアナウンスは「顧客キューフロー」で再生しているため、Cさんは音声を聞く「前に」キューに登録されました。
その後、音声を聞き終わったBさんがキューに登録されたため、オペレータへの着信順がA⇒C⇒Bとなりました。
**「オペレータにおつなぎいたします」**は一度以上流す必要がないため、問合せフローに記載していましたが、その結果上記のような問題につながった結果となりました。
解決方法
・「customer queue」では**「オペレータにおつなぎいたします」**+コール音を流す。
・「customer queue busy」では「少々お待ちください」 + 保留音を流している。
①のアナウンスも②のアナウンスも顧客キューフローで再生することで、下記のことから問題を解決できます。
・空き状態を確認してから、キューに転送されるまでの時間も短縮でき、問題Ⅰを解決できる。
・①と②の間でキューに入れられるまでにかかる時間差をなくすことができ、問題Ⅱを解決できる。
上記方法で変更になる点
顧客キューフローにて流す音声については、必ずループして流すという処理になります。
そのため、オペレータが受電するまで、「オペレータにおつなぎいたします」+コール音がループして流れることになります。
「オペレータにおつなぎいたします」を一度しか流したくない場合には注意が必要です。
コール音をとても長い音声ファイルにするなどの対応を行う必要があります。
まとめ
キューの状態を確認して分岐させる場合には、途中で音声再生は行わないようにするのが吉です。
音声再生がキューに入った後でもよいなら、「顧客キューフロー」を活用しましょう。
またその際には、音声がループ再生されることを意識した設定が必要となります。