1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

Raspberry PI上のPython-slimコンテナ(Debianベース)でrustc依存のパッケージ構築に苦労した話

Last updated at Posted at 2023-01-19

初投稿です.今後よろしくお願いします.

ある研究案件でRaspberry PI上のPythonのslimコンテナ(執筆時python:3.9-slim)にpip経由で色々入れようとしたところいろいろ躓いたのでメモ

Debianのaptで入るrustが古かったり,Dockerfile内でのPATH変数の更新などで一苦労しました

最後に書きますが,今のところこの方法じゃない方がよいかもです.

2023.02.02追記
Arm32v7環境のみです.Arm64v8環境では特に問題なくpipによるインストールが通ります

前提条件

OS: Rasbian( on Raspberrypi4 )
Docker及びDocker-composeをapt経由でインストール
Dockerfile内にpip経由でbcryptを含むいくつか(主にFlask関係)をインストールする文を書いた
ベースコンテナはpython:3.9-slim

経緯

面倒な方は結論だけどうぞ

出てきたエラー

From: python:3.9-slim
.....
RUN pip install bcrypt....

とbcryptパッケージのpipインストールを含むコンテナ(例えばdocker-composeやFlask-bcryptなど)を構築しようとすると

  error: can't find Rust compiler

でbcryptパッケージのインストールがこけます
Rustのコンパイラが見つからないようです

対策1

apt-get install rustc を追加

結果

This package requires Rust >=1.56.0.

執筆時点でのPython:slimコンテナのベースはDebian(Bullseye),apt経由で入るrustは1.42
古いのが入ってしまいました

対策2

本家の情報を元にインストールシェルをcurlで落として来て実行.
なお,本家シェルファイルはInteractiveな形式なので本家のInstructionにある
RUN curl https://sh.rustup.rs -sSf | sh

ではなく

RUN curl https://sh.rustup.rs -sSf > /rust.sh && sh /rust.sh -y

としています.そのままshに投げると躓きます.
なお,slimコンテナではgccパッケージもomitされてるので事前にapt-get gccしないとコケます.

結果2

error: can't find Rust compiler<br/>

入れたはずのrustが見つかりません
どうやらPATHが通ってない様子
そもそも本家インストールシェルの最後にsource $HOME/.cargo/env を実行しろと出るくらいなのでPATHはいじってくれない様子
Dockerfileはsh環境で実行されるので愚直にsource..とやるとアウトです
sourceの代わりに . $HOME/.cargo/envとやりますが...コケます
その代わりに直打ちでPATHに追加してみました

対策3

Dockderfileに以下のrustcへのPATHを追加
RUN PATH=$PATH:/root/.cargo/bin

結果3

何故かまた見つかりません.

ここで調べたら以下の記事を発見
Updating PATH Environment Variable in Dockerfile
Dockerfile開発中はRUN構文を小分けにすることもあるかと思いますが
(少なくとも自分はそうして,ある程度固まってからまとめてます)
RUN構文でPATH変数を更新しても恒久的には変わらないのだそうです.

ということで

最終対策

pip installと同じRUN文にPATH追加分を合わせて書きます
RUN PATH=$PATH:/root/.cargo/bin && pip install .....

ようやく通りました.
参考記事では

ENV PATH=$PATH:<追加PATH>

する方法もあるよ,と書いています
(個人的にはコンポーネント入ってからPATHいじるものだろという固定概念があったので目から鱗でした)

そもそも

途中で開発環境入れたりするせいか,slimコンテナの恩恵であるサイズがむしろ通常コンテナをベースにした時より大きくなってます.

(注:まだチューニングしてないため今後改善する可能性あり)
(投稿後4時間後追記)コンテナの仕様も大分固まったので一つのRUN文でrustcの導入,bcryptのインストール,rustc他開発環境の削除までやってみました.
結果だらだらRUN文を並べていたころに比べイメージの容量が6分の1になりました

また詳しい方ならapt-get install python3-bcrypt とかでいけんじゃね?と思われるかと思いますが,今のところ自分の環境では
apt経由で入れたパッケージがpip経由のpythonパッケージから見つけららず,別途調査中です ( 追加記事参照ください )
rustとか入れなくていいようにbcrypt関係だけaptで入れてみたところ,pipで入れたflaskから見つからないのでPATHを通す必要がありました

結論

Dockerfile内でのPATH変数の挙動が分かっただけでもいっか
Pythonのslimタグが付いたコンテナだとbcryptパッケージのインストールに失敗するので
Dockerfile内に

RUN apc-get install gcc

した上で

RUN curl https://sh.rustup.rs -sSf > /rust.sh && sh /rust.sh -y

でRustの最新コンパイラを入れて,

RUN PATH=$PATH:/root/.cargo/bin && pip install ....

とすると通ります
但しコンパイラのコンパイルからやるので1時間近くかかります..

1
0
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?