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NimでAPIドキュメントを書く

Last updated at Posted at 2019-12-03

まえがき

APIドキュメントの書き方

Nimのドキュメンテーションコメント

Nimではコメントを書く時に#と書きますが、ドキュメンテーションコメントを書く時は##と書きます。

以下のように書きます。

sample.nim
## sample.nim はAPIドキュメントのサンプルです。
##
## これはトップレベルのドキュメンテーションコメント。

var v1* = 1
  ## v1 は1が入っています。
  ## 複数行のテキストも表現できます。

const
  v2* = 2
    ## v2 は2です。
    ## こちらも複数行のテキストを表現できます。
  v3 = 3
    ## v3 は非公開なのでドキュメントが生成されない。

type
  SampleObject* = object
    ## SampleObject はサンプルオブジェクトです。
    v: int

proc sampleProc*(n: int) =
  ## サンプルプロシージャです。
  echo "Sample"

このコードからドキュメントを生成してみます。
以下のように実行します。実行するとsample.htmlが生成されます。

$ nim doc sample.nim

生成されたドキュメントは以下です。

sample.png

ドキュメント記法(reStructuredText)について

Nimでのドキュメント記法はreStructuredTextです。
reStructuredTextの書き方については以下の記事がとても参考になります。

サンプルコードの書き方(runnableExamples)

サンプルコードの書き方ですが、runnableExamplesというNimの組み込みプロシージャを使います。
以下に使用例を示します。

sample.nim
## sample.nim はAPIドキュメントのサンプルです。
##
## これはトップレベルのドキュメンテーションコメント。
##
## 使用例
## ------
##
runnableExamples:
  import sample

  echo 1.add1()
  ## Output:
  ##   2

proc add1*(n: int): int =
  ## add1 は ``n`` に1加算する。
  runnableExamples:
    doAssert 1.add1() == 2
    doAssert 10.add1() == 11
  return n + 1

このコードから以下のAPIドキュメントが生成されます。

sample2.png

runnableExamplesのブロックのコードが、HTMLでコードブロックとして表現されています。

runnableExamplesでサンプルコードを実装すると以下のメリットを得られるので、積極的にこちらを使うべきです。

  • エディタのオートコンプリートやシンタックスハイライトが効く
  • コンパイルが通ることを検証できる
  • サンプルコードが実際に動作することを検証できる

runnableExamplesのコードはデバッグビルドとリリースビルドからは無視されるので、実行時の無駄な負荷も発生しません。

reStructuredTextでもコードブロック記法があるので、以下のようにサンプルコードを書くこともできます。

## .. code-block:: Nim
##    echo "Hello"

こちらはコンパイルが通ることの検証ができないのでrunnableExamplesが使えるときはそちらを使うと良いと思います。

runnableExamplesでは、実際にコンパイルしてバイナリを生成してサンプルコードを実行して正常終了することでサンプルコードを検証するような作りになっています。

サンプルコードのコンパイルが通らなかったり、サンプルコード内でエラーが発生したらドキュメントの生成はそこで停止します。

複数モジュールのドキュメント生成

以下のように、複数のモジュールをimportしているNimコードのドキュメントを生成したい場合があります。

src/
  +- sample/
  |   +- module1.nim
  |   `- module2.nim
  `- sample.nim
sample.nim
import sample/[module1, module2]

単純にnim docだけでドキュメントを生成すると、import先まではドキュメントを生成してくれません。

この場合は--project--index:on--outオプションを使用します。
以下のように実行することでドキュメントを生成できます。

$ nimble doc --project --index:on -o:docs src/sample.nim

これでdocsディレクトリ配下にAPIドキュメントのhtmlが生成されます。
上記の例だと、sample.nimからimportしているサブモジュールのmodule1module2のドキュメントも生成されます。

実際にやってみた

迷路を生成するコマンド兼ライブラリのハイブリッドなモジュールを作成しました。

こちらのモジュールでも前述と同様にnimble doc --project --index:on -o:docsでドキュメントを生成しています。

生成されたドキュメントはGitHub Pagesで公開しています。
以下がそのページです。

こちらはGitHub ActionsをCIに使用しています。
masterブランチが更新されると自動でGitHub Pagesに公開されるようにしています。

以前僕が書いたQiita - Nim用のGitHub Actionsを作ってみたで作成した自作のGitHub Actionも使用しています。

まとめ

以下の内容について書きました。

  • APIドキュメントの書き方
  • ドキュメント生成コマンド
  • サンプルコードの書き方
  • 実際にやってみた例の紹介

APIドキュメントの書き方としては公式のlib/pure配下のドキュメンテーションコメントが参考になります。
困った時は標準ライブラリのドキュメンテーションコメントを読むのもありですね。

以上です。

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