コードレビューできるAIの紹介 - 2025年最新版
はじめに
コードレビューは開発プロセスにおいて重要な工程ですが、
時間がかかり、レビュアーの負担も大きいという課題があります。
2025年現在、45%以上の開発者がAIコーディングツールを活用しており、
AIコードレビューツールは実験的な存在から必須ツールへと進化しました。
なぜAIコードレビューツールが必要なのか?
- 時間の削減: 250人の開発者チームで1日1PRをマージする場合、
- 年間21,000時間以上の手動レビュー時間が必要
- レビュアーの疲労: 80-100行のコード後にレビュー効果が低下
- 検出率の向上: セキュリティ脆弱性を95%検出するには12-14人のレビュアーが必要
AIツールは、これらの課題を解決し、
バグ検出、一貫性の維持、開発速度の向上を実現します。
この記事では、2025年10月31日時点で利用可能な25以上のAIコードレビューツールを、有名なものからニッチなものまで網羅的に紹介します。
AIコードレビューツールのカテゴリ
AIコードレビューツールは、その動作方式や統合先によって以下のカテゴリに分類できます。
カテゴリ一覧
- PR/GitHubベースのレビューツール - プルリクエストに自動でコメントを投稿
- IDE統合型ツール - エディタ内でリアルタイムにレビュー
- セキュリティ特化型 - 脆弱性検出に特化
- クラウドベースの静的解析 - CI/CDパイプラインと統合
- AI駆動のアクション/カスタマイズ系 - GitHub Actionsなどで動作
- オープンソース/セルフホスト - 無料で自由にカスタマイズ可能
1. PR/GitHubベースのレビューツール
プルリクエスト(PR)やマージリクエスト(MR)に対して自動的にレビューコメントを投稿するツールです。最も人気のあるカテゴリです。
1-1. CodeRabbit ⭐ 最注目ツール
-
GitHub: https://github.com/coderabbitai
-
特徴:
- PR、CLI、IDEの3方向に対応した総合AIレビューツール
- 200万以上のリポジトリ、1,300万PR以上でレビュー実績
- バグ検出率46%(2025年ベンチマーク)
- オープンソースプロジェクトは完全無料
-
メリット:
- 即座のレビュー(数秒で完了)
- 行ごとの詳細なフィードバック
- 学習機能でチームのコーディング標準に適応
- VS Code、Cursor、Windsurf拡張機能あり
- CLIツールで
coderabbitコマンドから直接レビュー可能
-
料金:
- 個人: $15/月
- チーム: $20/月
- オープンソース: 無料
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket、Azure DevOps
推奨: 総合力が高く、個人開発者から大規模チームまで幅広く対応。オープンソースプロジェクトなら無料で使えるため、まず試すべきツール。
1-2. Greptile
-
特徴:
- コードベース全体をインデックス化してコンテキストを理解
- バグ検出率82-85%(業界トップクラス)
- PRの変更が他のコード部分に与える影響を分析
-
メリット:
- 深い理解に基づくレビュー
- シーケンス図や要約を生成
- 既存コードとの重複検出
-
料金: $30/月
-
対応プラットフォーム: GitHub
推奨: バグ検出精度を最優先するチームに最適。
1-3. Graphite (Diamond)
-
特徴:
- スタックPRワークフローに最適化
- シニアエンジニアレベルのレビュー
- ロジックバグ、エッジケース、パフォーマンス問題に強い
-
メリット:
- 深いロジックエラーの検出
- コンテキストを考慮したフィードバック
- カスタムプロンプト対応
-
料金:
- 無料プランあり
- フル機能: $15/月
-
対応プラットフォーム: GitHub
推奨: スタックPRを使うチームや、アーキテクチャレベルのレビューが必要な場合。
1-4. Qodo (旧Codium)
-
URL: https://www.qodo.ai/
-
GitHub: https://github.com/Codium-ai
-
特徴:
- オープンソース重視のAIプラットフォーム
- バグ検出率78%
- テスト生成、ドキュメント生成も可能
-
メリット:
- 詳細な説明付きでレビュー(学習に最適)
- 自動修正機能
- セルフホスト可能
-
料金:
- コア機能: 無料
- プロ版: $25/月
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket
推奨: 学習目的や、オープンソースプロジェクトに最適。
1-5. Ellipsis
-
特徴:
- Y Combinator出身のスタートアップ
- PRごとに自動レビューとバグ修正
- スタイルガイドをコードとして実装可能
-
メリット:
- 13%速くマージできる実績
- 修正PRを自動作成
- @ellipsis-devでインタラクティブな質問が可能
-
料金: 問い合わせ(2クリックでインストール可能)
-
対応プラットフォーム: GitHub
推奨: マージ速度を重視するチームに。
1-6. Cubic
-
特徴:
- Y Combinator出身
- チームの過去のコードとコメントから学習
- PRレビューを4倍高速化
-
メリット:
- カスタムルール対応
- コード変更の提案を直接記載
- チームのパターンに適応
-
料金: 問い合わせ
-
対応プラットフォーム: GitHub
推奨: チーム固有のコーディング規約を重視する場合。
2. IDE統合型ツール
エディタ内でリアルタイムにコードをレビューし、コーディング中に問題を検出します。
2-1. GitHub Copilot
-
特徴:
- GitHub純正のAIアシスタント
- PRレビュー機能(Copilot PR Agent)
- バグ検出率75%、誤検知15%未満
-
メリット:
- GitHubとシームレスに統合
- 自然言語での提案
- コード修正パッチを直接提案
-
料金:
- 個人: $10/月
- ビジネス: $19/月
-
対応IDE: VS Code、JetBrains、Neovim、Visual Studio
推奨: すでにGitHubを使っているチームには最適。
2-2. Cursor (Bugbot)
-
URL: https://cursor.com/
-
Bugbot URL: https://cursor.com/bugbot
-
特徴:
- AI優先のコードエディタ(VS Codeフォーク)
- Bugbot機能でリアルタイムレビュー
- バグ検出率42%
-
メリット:
- インライン修正をワンクリックで適用
- カスタムレビュールール設定可能
- プロジェクトコンテキストを理解
-
料金: $20/月
-
注意点: GitHubとの連携時に使用量クォータを大量消費する報告あり
推奨: IDEでの開発体験を重視する開発者向け。
2-3. Windsurf(旧Codeium)
-
URL: https://codeium.com/
-
特徴:
- AIパワードIDE + GitHubボット
- Cascade機能でマルチファイル編集
-
/windsurfコマンドでPR分析
-
メリット:
- IDEとPRの両方に対応
- コンテキスト認識の高精度な提案
- 自動PR説明生成
-
料金:
- 無料プランあり
- 有料プラン: 問い合わせ
-
対応IDE: 独自IDE + VS Code拡張
推奨: IDEとPRレビューの両方を一つのツールで統一したい場合。
2-4. Tabnine Code Review Agent
-
特徴:
- プライバシー重視の設計
- チームのベストプラクティスを学習
- エンタープライズグレードのセキュリティ
-
メリット:
- ローカルモデル実行可能
- コードが外部に送信されない
- チーム固有の標準を強制
-
料金: Dev Preview版を提供中(2025年4月にBasicプラン終了)
-
対応IDE: VS Code、JetBrains、その他主要IDE
推奨: プライバシーとセキュリティを重視する企業向け。
3. セキュリティ特化型
セキュリティ脆弱性の検出に特化したツールです。
3-1. Snyk Code (DeepCode)
-
特徴:
- セキュリティ脆弱性検出に特化
- 脆弱性検出率85%
- DeepCodeエンジン搭載
-
メリット:
- OWASP Top 10対応
- サプライチェーンリスク分析
- 修正方法の提案
-
料金:
- オープンソース: 無料
- チーム: $25/月〜
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket、Azure DevOps
推奨: セキュリティを最優先するプロジェクトに必須。
3-2. Aikido Security
-
特徴:
- AIセマンティック解析
- アジャイルチーム向け設計
- 実際のバグ検出に焦点
-
メリット:
- 脆弱性スキャン
- コード品質分析
- 無料でスキャン開始可能
-
料金: 問い合わせ(無料スキャンあり)
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab
推奨: スタートアップやアジャイルチーム向け。
3-3. Amazon Q Developer / CodeGuru
-
CodeGuru URL: https://aws.amazon.com/codeguru/
-
特徴:
- AWS公式のAI開発ツール
- セキュリティレビューと静的解析
- Amazon Bedrockと統合
-
メリット:
- AWS環境との完全統合
- コード品質とセキュリティの両方をカバー
- AWS管理コンソールから利用可能
-
料金: 従量課金制
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket
推奨: AWS環境をメインで使用しているチーム向け。
4. クラウドベースの静的解析
CI/CDパイプラインに統合し、継続的にコード品質を監視します。
4-1. SonarQube / SonarCloud
-
特徴:
- 老舗の静的解析ツール
- AI機能で強化
- **カバレッジ70%**の精度
-
メリット:
- 品質ゲート機能
- 技術的負債の可視化
- 30以上の言語対応
-
料金:
- コミュニティ版: 無料
- プロ版: $10/月〜
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket、Azure DevOps
推奨: CI/CD統合を重視する中規模以上のチーム。
4-2. Codacy
-
特徴:
- 30以上の言語対応
- AI+ルールベースのハイブリッド
- カバレッジ72%
-
メリット:
- カスタマイズ可能なダッシュボード
- コードメトリクス追跡
- 自動コード分析
-
料金:
- 小規模リポジトリ: 無料
- 有料プラン: $21/月〜
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket
推奨: 多言語プロジェクトやメトリクス重視のチーム。
4-3. CodeScene
-
特徴:
- 技術的負債の可視化
- 行動コード分析
- PRの自動レビュー
-
メリット:
- リファクタリング優先順位の提案
- チームのコラボレーション分析
- ホットスポット検出
-
料金: 問い合わせ
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab、Bitbucket
推奨: 技術的負債管理を重視するチーム。
5. AI駆動のアクション/カスタマイズ系
GitHub Actionsなどのワークフローに統合できるツールです。
5-1. Claude Code (Anthropic)
-
GitHub Action: https://github.com/anthropics/claude-code-action
-
特徴:
- Anthropic公式のセキュリティレビューツール
-
/security-reviewコマンド - GitHub Actionsで自動実行
-
メリット:
- SQL injection、XSS、認証/認可の欠陥を検出
- 詳細な説明と修正案
- 誤検知のフィルタリング
-
料金: Claude APIの従量課金
-
対応プラットフォーム: GitHub(Actions経由)
推奨: セキュリティレビューを自動化したいチーム。
5-2. Sourcery
-
URL: https://sourcery.ai/
-
特徴:
- 30以上の言語対応
- 開発者のフィードバックから学習
- GitHubとIDE両対応
-
メリット:
- 即座の実用的なフィードバック
- 知識共有の促進
- 図やサマリーの生成
-
料金: 基本機能無料
-
対応プラットフォーム: GitHub、GitLab
推奨: 無料で高品質なレビューを求める個人開発者。
5-3. Bito AI
-
URL: https://bito.ai/
-
特徴:
- IDE内とGitワークフローの両対応
- コードレビュー時間短縮
- VS Code、IntelliJ対応
-
メリット:
- コンテキスト認識
- 複数のGitプラットフォーム対応
- 無料プランあり
-
料金: 無料プランあり、有料プラン問い合わせ
推奨: IDE中心の開発フローの開発者向け。
5-4. Korbit.ai
-
URL: https://korbit.ai/
-
特徴:
- Bitbucketサポート
- 具体的な問題発見(セキュリティ、パフォーマンス、機能)
- 読みやすいレビューフォーマット
-
メリット:
- GitHub、GitLab、Bitbucket対応
- リアルタイムの実用的なフィードバック
- 開発者の生産性向上
-
料金: 問い合わせ
推奨: Bitbucketを使用しているチーム。
6. オープンソース/セルフホスト
無料で利用でき、自由にカスタマイズ可能なツールです。
6-1. PR-Agent (Tabnine)
-
特徴:
- オープンソースのPRレビューエージェント
- Docker対応
- カスタマイズ可能
-
メリット:
- 完全無料
- コード分析の自動化
- セルフホスト可能
-
料金: 無料
推奨: 完全な制御とカスタマイズを求めるチーム。
6-2. Kody (Kodus)
-
URL: https://kodus.io/
-
特徴:
- オープンソースのGitベースAIレビュー
- チームのコード、標準、フィードバックから学習
- コード品質とパフォーマンスをカバー
-
メリット:
- 完全無料
- コンテキスト認識のレビュー
- Gitワークフローで動作
-
料金: 無料
推奨: オープンソースツールを優先するチーム。
6-3. Cline + Ollama
-
Cline URL: https://github.com/cline/cline
-
特徴:
- ローカルLLM(Ollama)を使用可能
- コードが外部に送信されない
- プライバシー完全保護
-
メリット:
- 完全オフライン動作
- カスタムモデル使用可能
- 無料
-
料金: 無料
推奨: プライバシーを最優先するチーム。
7. その他の注目ツール
7-1. Gemini Code Assist
-
GitHub App: https://github.com/marketplace/gemini-code-assist
-
特徴:
- Google Gemini 2.5搭載
-
/geminiコマンドで対話的レビュー - PRサマリー自動生成
-
メリット:
- 無料で利用可能
- 高度なコンテキスト理解
- インタラクティブなレビューセッション
-
料金: 無料
-
対応プラットフォーム: GitHub
推奨: Google Cloud環境を使用しているチーム。
7-2. CodeAnt AI
-
特徴:
- セキュリティ重視
- 検出率82%
- OWASP準拠
-
メリット:
- 修正コードを提供
- Slackアラート
- Git統合
-
料金:
- オープンソース: 無料
- プロ版: $15/月
推奨: 手頃な価格でセキュリティレビューを求めるチーム。
7-3. Macroscope
-
特徴:
- バグ検出率48%(ベンチマークトップ)
- 実際のバグに対する評価で最高スコア
- 詳細なベンチマーク公開
-
メリット:
- 高精度なバグ検出
- 透明性の高い評価
- 実際のプロダクションバグでテスト済み
-
料金: 問い合わせ
推奨: 最高精度のバグ検出を求めるチーム。
7-4. HackerOne Code (旧PullRequest)
-
特徴:
- AI + 人間のハイブリッドレビュー
- セキュリティ重視
- 専門家によるメンタリング
-
メリット:
- AIと人間の両方のフィードバック
- セキュリティ専門家の知見
- 学習機会
-
料金: 問い合わせ
推奨: 高品質なレビューと学習を求めるチーム。
比較表
バグ検出率比較(2025年ベンチマーク)2025/10/31時点
| ツール名 | バグ検出率 | コメント数 | カテゴリ |
|---|---|---|---|
| Macroscope | 48% | 中 | PR |
| CodeRabbit | 46% | 多 | PR/IDE/CLI |
| Cursor Bugbot | 42% | 中 | IDE |
| Greptile | 82-85% | 少 | PR |
| Graphite Diamond | 18-74% | 少 | PR |
| GitHub Copilot | 75% | 中 | IDE |
| Snyk Code | 85% (脆弱性) | 中 | セキュリティ |
料金比較
| ツール名 | 無料プラン | 個人向け | チーム向け | オープンソース |
|---|---|---|---|---|
| CodeRabbit | - | $15/月 | $20/月 | 完全無料 |
| GitHub Copilot | - | $10/月 | $19/月 | - |
| Greptile | - | $30/月 | $30/月 | - |
| Qodo | ◯ | - | $25/月 | ◯ |
| Sourcery | ◯ | 無料 | - | - |
| SonarCloud | ◯ | $10/月 | - | ◯ |
| Codacy | ◯ | - | $21/月 | - |
| Graphite | ◯ | $15/月 | - | - |
| Snyk Code | - | - | $25/月 | 完全無料 |
| Gemini Code Assist | 完全無料 | 完全無料 | 完全無料 | 完全無料 |
対応プラットフォーム比較
| ツール名 | GitHub | GitLab | Bitbucket | Azure DevOps | IDE |
|---|---|---|---|---|---|
| CodeRabbit | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| Greptile | ◯ | - | - | - | - |
| GitHub Copilot | ◯ | - | - | - | ◯ |
| Cursor | ◯ | - | - | - | ◯ |
| Qodo | ◯ | ◯ | ◯ | - | ◯ |
| Snyk Code | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| SonarCloud | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - |
選び方のガイド
チーム規模別の推奨
個人開発者
- CodeRabbit: オープンソースなら無料、総合力が高い
- Sourcery: 基本機能無料、学習しやすい
- Qodo: オープンソース重視、テスト生成も可能
- Gemini Code Assist: 完全無料でGoogle最新AIを利用
小規模チーム(2-10人)
- GitHub Copilot: GitHub純正で統合がスムーズ
- Windsurf: IDEとPRの両対応
- CodeRabbit: PR/IDE/CLI全対応
- Graphite: スタックPRワークフローに最適
中規模チーム(10-50人)
- Greptile: 高精度なバグ検出
- Ellipsis: マージ速度向上
- SonarQube: CI/CD統合
- Cubic: チーム標準の学習
大規模チーム(50人以上)
- CodeRabbit Enterprise: スケーラブル
- Snyk Code: セキュリティ重視
- Amazon Q Developer: AWS環境
- Tabnine: プライバシー重視
用途別の推奨
セキュリティ重視
- Snyk Code: 脆弱性検出85%
- Aikido Security: アジャイル向け
- Amazon Q Developer: AWS統合
- Claude Code: セキュリティレビュー特化
学習・教育目的
- Qodo: 詳細な説明付き
- CodeRabbit: 教育的フィードバック
- Sourcery: 知識共有重視
- HackerOne Code: 人間の専門家からも学べる
コスト重視
- Gemini Code Assist: 完全無料
- Sourcery: 基本機能無料
- PR-Agent: オープンソース
- Kody: オープンソース
- Cline + Ollama: 完全無料
バグ検出精度重視
- Greptile: 82-85%
- Macroscope: 48%(総合1位)
- CodeRabbit: 46%
- Cursor Bugbot: 42%
開発速度重視
- Ellipsis: 13%マージ速度向上
- CodeRabbit: 即座のレビュー
- GitHub Copilot: GitHub純正で高速
- Cubic: 4倍高速化
実装のベストプラクティス
1. AIは補助ツール、完全置き換えではない
AIレビューツールは人間のレビュアーを完全に置き換えるものではありません。以下のバランスを取ることが重要です:
- AIの役割: スタイル、一般的なバグ、セキュリティ脆弱性の検出
- 人間の役割: アーキテクチャ判断、ビジネスロジックの妥当性、複雑な設計判断
2. チーム標準とAIの提案を調和させる
- コーディング規約を文書化し、AIツールに学習させる
- カスタムルールを設定可能なツールを選ぶ
- チームのフィードバックをAIに反映させる
3. 定期的なチューニングが必要
- AIの誤検知(False Positive)を定期的にレビュー
- 無視すべき警告タイプを設定
- チームにとって価値のあるフィードバックに焦点を合わせる
4. 段階的な導入
- Phase 1: 少数のリポジトリでパイロット実施
- Phase 2: チームのフィードバックを収集して調整
- Phase 3: 全リポジトリに展開
- Phase 4: メトリクスを測定して効果を評価
5. メトリクスの追跡
以下の指標を追跡して効果を測定:
- PRマージまでの平均時間
- 検出されたバグ数
- プロダクションでの不具合減少率
- レビュアーの負担軽減度
AIコードレビューの課題と対策
課題1: コンテキスト認識の限界
問題: AIはプロジェクト固有のビジネスロジックを理解できない
対策:
- カスタムルールの設定
- ドキュメントの充実
- 人間の最終レビュー
課題2: 誤検知(False Positive)
問題: 無関係な提案が10-20%含まれる
対策:
- フィードバック機能を使って学習させる
- ノイズの多いルールを無効化
- 重要度でフィルタリング
課題3: プライバシーとセキュリティ
問題: クラウドベースツールにコードを送信する
対策:
- セルフホストオプションを選択(SonarQube、Tabnineなど)
- オンプレミス対応ツールを使用
- ローカルLLM(Ollama + Cline)を検討
課題4: コストの増加
問題: 無料プランから有料プランへの移行
対策:
- オープンソースプロジェクトは無料ツールを活用
- リポジトリ数に応じた料金プランを選択
- ROIを測定して価値を確認
2025年のトレンド
1. AIスロップ(AI Slop)の増加
AI生成コードの増加により、低品質なコードが量産される「AIスロップ」問題が顕在化。
AIコードレビューツールが、この問題の解決策として注目されています。
2. CLI統合の進化
CodeRabbit CLIのように、ターミナルから直接レビューを実行できるツールが増加。AI coding agentとの統合がトレンドに。
3. セキュリティレビューの自動化
Claude Codeの/security-reviewコマンドのように、セキュリティに特化した自動レビュー機能が標準化。
4. コンテキスト理解の向上
Greptileのように、コードベース全体をインデックス化して深い理解を実現するツールが増加。
5. ハイブリッドアプローチ
HackerOne Codeのように、AIと人間のレビューを組み合わせたハイブリッドサービスが登場。
まとめ
2025年は、AIコードレビューツールが成熟し、
開発ワークフローに不可欠な存在となった年です。
重要なポイント
- 45%以上の開発者がAIツールを活用している現在、コードレビューの自動化は競争優位性の源泉
- **バグ検出率は最高85%**に達し、人間のレビュアーを補完する信頼性を獲得
- オープンソースプロジェクトは多くのツールで無料利用可能
- 適切なツール選択でコード品質と生産性が大幅に向上
最初に試すべきツール
まず試すべきツールのTop 3:
- CodeRabbit: 総合力No.1、オープンソースなら無料
- GitHub Copilot: GitHub使用中なら最も統合がスムーズ
- Gemini Code Assist: 完全無料でGoogleの最新AI
AIコードレビューツールは、開発チームの生産性とコード品質を向上させる強力な味方です。
適切なツールを選択し、効果的に活用することで、より良いソフトウェア開発が実現できます。
参考リンク
主要ツール公式サイト
比較・ベンチマーク
- Macroscope Benchmark 2025
- DevTools Academy - State of AI Code Review 2025
- Apidog - Top 10 AI Code Review Tools
コミュニティ
更新日: 2025年10月31日



























