この記事は 博報堂テクノロジーズアドベントカレンダー 11日目(12/11)の記事です。
博報堂テクノロジーズでは、技術イベントの実施や技術ブログの執筆など、“アウトプットに取り組む文化” が年々強くなってきています。
特に最近は、技術イベントの開催がオンラインからオフラインへと戻りつつあることもあり、私たち自身も対面イベントを実施する機会が増えてきました。
イベント運営のHow ToはQiita上にも数多くありますが、今回は、実践の積み重ねの中で見えてきた「オフラインイベントの体験価値を上げるTips」 に注目してまとめています。
これからイベントを実施する予定のあるエンジニアの方や、コミュニティ運営を行う技術広報の方に届けばうれしく思います。
<イベント当日〜開始前>
■ 当日は余裕を持って会場入りする
万が一のトラブルがあっても落ち着いて対応できるよう、最低限の準備時間に対して +45分〜1時間前に到着するようにしています。
ほしいのは“準備時間”ではなく、むしろ “心理的な余裕” のほうです。
時間に余裕があるだけで気持ちにもゆとりが生まれ、運営側にも自然と「楽しそうに運営している空気」が出てきます。
■ 事務局が笑顔になりやすい環境づくりに投資する
参加者に笑顔で帰ってほしいなら、まずは運営が笑顔でいることが大切です。
笑顔は本当に伝播します。イベント全体の満足度を左右する重要な要素として、運営自身がごきげんでいられる環境づくりを心がけています。
たとえば、
- 会場近くで買える“ちょっと良い”軽食の差し入れ
- バックヤードに置くお菓子やコーヒーの準備
など、運営サイドへのケアを惜しみません。運営がごきげんでいられる状態が、良いイベントをつくる土台になります。
■ オーディエンス属性を読み合わせる
対面イベントは、申込→当日の参加率が体感で50%前後。
そのためイベント当日になると、参加者属性がかなりクリアになります。
- 業種・業界
- 職種
- 年齢層
などの情報を運営メンバーで読み合わせておくと、
「思ったより若手が多いから、説明を少し変えよう」
「この領域の人が多いので、この事例を入れよう」
といった調整がはたらき、参加者にとってより充実した内容を届けられます。
<イベント実施中>
■ 登壇者間の「掛け合い」は遮らない
時間ぴったりの進行よりも、登壇者同士の自然な掛け合いや質疑を優先しています。
準備された回答より、その場でのQ&Aのほうが“実践的でリアル”な話が出ることが多いからです。
また、登壇者が楽しそうに話していると、参加者も質問しやすくなる空気が生まれます。
■ 会社紹介・ご挨拶は最初にやらない
サービス紹介や会社紹介を聞くためにイベントへ来ている人は、ほとんどいません。
とはいえ、企業としてPRを行う必要はもちろんあります。そこで意識しているのは、「大事なオープニングには置かない」ことです。最近は他社イベントでも、QA記入やアンケート回答といった“空き時間”を利用してPRを挟む構成が増えてきたと感じています。
<イベント後・懇親会>
■ パックマンルールの実践
懇親会での立ち話では、輪を完全に閉じず、パックマンのように“口”を開けたフォーメーションを推奨しています。これだけで新しい人が会話に入りやすくなり、交流のハードルがぐっと下がります。
■ “おせっかい” も事務局の仕事と心得る
懇親会に残ってくれる方は、多かれ少なかれ“交流したい気持ち”を持っています。運営ができることは、参加者同士がスムーズにつながれる機会を最大化することです。
私は挨拶した相手の興味や属性を、脳内で“ハッシュタグ”として覚えておき、関連しそうな人がいれば、「そういえば ○○さんは #△△ でしたが、同じ領域の XXさんってご存じですか?」と紹介するようにしています。
このおせっかいがうまくいかなかったときは…
「ちょっと飲み物取ってきますね」とお互い自然に離れられるのも、立食懇親会の良さだと思います。
■イベント終了後即に反省会をしない
イベントは、本務が別にある方々にも協力をお願いして成り立っていますし、登壇者の方にもお時間をいただいています。イベント後はどうしても「あれが上手くいかなかった」と粗探しをしたくなってしまうものですが、当日は「最高でした」とポジティブに終わりたいと思います。なぜなら技術イベントとは、実施することが最初の一歩だからです。せっかく協力してくれた方々が「うまくいかなかった…」とテンションが下がると次回の腰も重くなってしまうもの。運営事務局は当日は「最高でした」と言って帰りましょう。反省は翌日実施できればいいのです。
<まとめ>
- 私自身、交流の場が特別得意かというとそうではないです。ただ、運営側に立つのであれば、せっかくなら皆さんに笑顔で帰ってほしいと思いながら技術イベント運営の経験を重ねてきました。最近は、「オフラインイベントに挑戦したい」というコミュニティや企業の声もよく聞くようになったので、今回まとめたTipsが、技術コミュニティを運営する皆様のお役に立てばうれしいです。
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そして、宣伝は最後に…
- 博報堂テクノロジーズでは定期的に技術イベントを開催しております。ぜひオウンドメディア「HADOH」で情報をチェックしてみてください