はじめに
私はこれまでに多くのハッカソンに参加してきました。
出るだけでめちゃくちゃ楽しいし、チームで徹夜して作る体験って、それだけで尊い。
ただその中でも、
「せっかく出るなら、何かしらの賞を取りたい」
と思うタイプです。
実際に、
- Yahoo Hackday 決勝 2位(Silver)+賞金100万円
- Google AI Agent Hackathon「優秀賞」+25万円
という結果もいただくことができました。
そこでこの記事では、
「ハッカソンで賞を取りに行くとき、自分が常に意識していること」
だけを3つに絞ってまとめます。
技術の話はほとんどしません。
勝ち負けを分けるポイントは、実はもっと“本質的な部分”です。
1. とにかく「課題の質」に全振りする
これが一番大切。
昔の自分も含め、多くの人がやりがちな負けパターンはこれです。
- 「この技術使いたいからテーマ決めよ」
- 「なんとなく便利そうだから作ってみる?」
これは絶対に弱いと思っています。
私が意識しているのはひとつだけ。
“その課題は、誰がどう困っているのか、直感で想像できるか?”
これが YES なら強い。
NO ならどれだけ高度な技術を使っても刺さらない。
例を挙げると:
- ×「最新の画像解析×機械学習で、雲の形から今日の気分を推定してくれるサービス」
- ○「利用規約を要約して、結局大丈夫なのかどうなのかを一瞬で判定できるサービス」
後者は、一言で“絵”が浮かぶし、誰でも困りごとを理解できると思いませんか?
実際にこの○の例は、2022年のYahoo Hackdayで1位に輝いていた、「規約の意訳」というサービスです。
課題の強さは、完成度を上回る。
どんなプロダクトを作るかより、何を解決するのか。
ここが勝敗に大きく関わってくると思います。
2. プレゼン準備は「開発と同じくらい」時間を使う
ハッカソンでよくある失敗の原因は、プレゼン準備に時間が使われないということも大きいと思っています。
みんな開発に全力になってしまって、気付いたらプレゼンの準備をしないといけない時間になってしまっているという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 当日になって慌ててスライド作る
- デモ導線が複雑すぎて事故る
- 冒頭の説明が伝わらない
- “何がすごいのか” が理解されない
など
私はこうしています。
- 開発に使う時間と同じくらい、プレゼン準備にも時間を使うこと
- 冒頭で「課題 → 解決策」が伝わる構成にする
- デモは“成功率100%の導線”一本に絞る
- 発表者はたくさん練習する(10回以上できていると安心)
これをやるだけで、
作品の魅力の“伝わり方”が圧倒的に変わります。
何回も練習するのは、見る側の安心感にも繋がってきます
(見ていてヒヤヒヤするプレゼンは絶対に避けたいです)
3. チーム内では遠慮せずに言い合う(めちゃくちゃ大事)
ハッカソンって、短距離走です。
だからこそ、曖昧さは即事故に繋がる。
これも典型的な負けパターン:
- 「まあ…それでいいか」で妥協
- 本当は納得してないけど時間ないし、と飲み込む
- やることが暗黙的で、人によって解釈がズレる
- 方向性のズレを放置したまま進む
これはほとんどの確率で成果物に影響が出ますし、ハッカソン中も楽しくありません。
私がハッカソンでは徹底していること:
- 気になることがあったら“すぐ言う”
- 分からないことは“その場で質問する”
- 方向性は何度も口に出して確認する
- 役割分担は絶対に曖昧にしない
遠慮して気を遣うより、
衝突するほうがまだマシ です。
短時間のプロジェクトでは、
“言わないこと”がいちばんの敵になります。
遠慮ではなく、スピードと理解を優先する。
これがチーム力を最大化し、クオリティも速度も上がる。
(参考)私が実際に作ったもの
Yahoo Hackday
- テーマ:幼稚園バスの置き去り防止システム
- RFID+センサーで乗降を自動チェック
- 置き去り時にアラート通知
Google AI Agent Hackathon
- テーマ: 迷子のペットをAIの力を使って見つけ出すプラットフォーム
- 地図上のヒートマップから探索範囲の絞り込み
- 登録されているペットをマッチングして迷子になっているペットを見つけ出す
まとめ:技術だけでは勝てない。勝敗は本質で決まる。
私がハッカソンで賞を狙うときに
毎回意識していることはこの3つだけです。
- とにかく「課題の質」に全振りする
- プレゼンに開発と同じくらい時間を使う
- チームでは遠慮せず言い合う
これは Hackday でも、AI Agent Hackathon でも同じでした。
“本質に時間を使うかどうか” が、勝ち負けを決めます。
ハッカソンは出るだけで最高に楽しいですが、
せっかくなら賞も取りに行きたい人の参考になれば嬉しいです。