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AWS Config と AWS CloudTrail で何ができる?構成管理のやりたいこと27件を整理してみた

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Last updated at Posted at 2026-11-03

はじめに

こんにちは、mori (@morimori) です。

前回の記事で、AWS の構成管理を一枚にまとめた「できることマップ」を紹介しました。

今回はその中身の話です。AWS Config と AWS CloudTrail で何ができるのかを、「やりたいこと」から整理してみます。

AWS構成管理 機能×できることマップの全体

まずは役割分担

AWS Config と AWS CloudTrail は、記録するものが違います。

  • AWS Config:何が・どう変わったか(リソースの設定を記録して、ルールで判定する)
  • AWS CloudTrail:誰が・いつ操作したか(API 操作を記録する)

AWS Config だけでは誰がやったかが分かりませんし、AWS CloudTrail だけでは設定が結果的にどうなったかを追いにくいです。構成管理では、この2つをセットで使います。

AWS Config でできること

AWS Config の機能は、「記録する」と「判定する」に分けると整理しやすいです。マップでも上段を「記録する」、下段を「判定する」にしています。

マップの AWS Config・AWS CloudTrail のエリア

記録する

機能 できること
リソース記録 設定が変わるたびに記録する。変更前後の設定や、リソース同士の関係(例:セキュリティグループと EC2 インスタンス)も見られる
構成スナップショット ある時点の全リソースの設定を、JSON ファイルで Amazon S3 に出力する
高度なクエリ SQL に近い書き方で、今の構成を条件検索する
アグリゲータ 複数アカウント・リージョンの情報を1か所に集める

リソース記録は変更の履歴、スナップショットはある時点の全体の写真です。

高度なクエリでは、たとえばどこにも接続されていない EBS ボリュームを次のように探せます。

SELECT resourceId
WHERE resourceType = 'AWS::EC2::Volume'
  AND configuration.state.value = 'available'

検索できるのは今の状態だけで、過去の状態や削除済みのリソースは探せません。

判定する

機能 できること
Config ルール 設定が基準どおりか(準拠/非準拠)を自動で判定する
適合パック ルールをまとめて、アカウントや組織全体に展開する
自動修復 非準拠になったリソースを、AWS Systems Manager Automation で直す

Config ルールには、AWS が用意しているマネージドルールと、自分で作るカスタムルールがあります。評価のタイミングは、設定が変わったときと、定期(1・3・6・12・24時間から選択)の2種類です。

AWS CloudTrail でできること

AWS CloudTrail で使うのは、主にイベント履歴と証跡の2つです。

機能 できること 注意点
イベント履歴 直近90日の操作を、設定なしで画面から検索できる 1アカウント・1リージョン単位。絞り込みは1項目と期間のみ
証跡 操作記録を Amazon S3 に長期保管する 検索には Amazon Athena などの仕組みが必要

ちょっと調べるだけならイベント履歴で十分です。90日より前を追いたい、全アカウントをまとめて見たいなら、組織全体の証跡を作っておきます。

やりたいこと27件

マップでは、構成管理のやりたいことを7分類・27件に整理しました。

分類 やりたいこと
A 資産把握 A-1 リソース一覧 / A-2 構成台帳の自動作成 / A-3 タグの付け漏れ検出 / A-4 不要リソースの発見
B 変更の把握 B-1 変更履歴の確認 / B-2 操作者の特定 / B-3 前日の変更レポート / B-4 人と AWS 自動の区分 / B-5 重要な変更の通知
C セキュリティ C-1 危険な設定の検知 / C-2 社内基準の一律適用 / C-3 違反設定の自動修復 / C-4 指摘事項の一覧
D 監査対応 D-1 時点の構成の提出 / D-2 無変更の証明 / D-3 違反期間の提示 / D-4 基準対応の説明
E 変更管理 E-1 申請との突合 / E-2 時間外変更の検知 / E-3 IaC とのずれ検出
F 障害対応 F-1 障害前後の変更確認 / F-2 影響範囲の確認
G AI の活用 G-1 ことばで質問 / G-2 対話で原因調査 / G-3 チャットから質問 / G-4 レポートの要約 / G-5 作成の手助け

全部紹介すると長くなるので、ここからは分類ごとにいくつかピックアップします。

やりたいこと別に見てみる

A-2 月末時点の構成台帳を自動で作りたい

Excel で手作業管理している構成台帳をなくしたい、というケースです。

Amazon EventBridge Scheduler で毎月末に小さな処理(AWS Lambda など)を動かし、構成スナップショットか高度なクエリの結果を Amazon S3 に月別で保管します。全項目を残すならスナップショット、必要な項目だけならクエリが向いています。スナップショットは項目の多い JSON なので、台帳として見るには整形が要ります。

ユースケースA-2の詳細パネル

B-2 その変更を誰が行ったか知りたい

AWS Config と AWS CloudTrail の両方を使う、一番分かりやすい例です。

  1. AWS Config のリソースタイムラインで、対象の変更を見つける
  2. 関連する AWS CloudTrail のイベントを開く
  3. 操作者・日時・接続元・操作内容を確認する

1人ずつ別のユーザーでログインする運用(AWS IAM Identity Center など)になっていることが前提です。共用のユーザーで作業していると、記録はあっても「誰か」までは分かりません。

ユースケースB-2の詳細パネル

B-3 前日に何が変わったかを毎朝一覧で見たい

マップで「組み合わせ技!」として大きく扱ったものです。

マップの「組み合わせ技!」の帯

AWS Config の履歴ファイル(何が変わったか)と AWS CloudTrail の証跡(誰がやったか)を Amazon S3 に貯めておき、毎朝 Amazon Athena で前日分を集計します。結果は CSV で保管し、Amazon SNS でメール通知します。

AWS CloudTrail の操作者情報を使うと、変更を「人の作業」「デプロイ」「AWS の自動変更(Auto Scaling など)」に分けることもできます(B-4)。毎朝確認するのは、人の作業とデプロイだけで済みます。

気をつけたいのは配信のタイミングです。AWS Config の履歴ファイルは約6時間ごとに届くので、深夜の変更は翌日分に入ることがあります。

ユースケースB-3の詳細パネル

C-1 危険な設定を常にチェックしたい / C-3 自動で元に戻したい

SSH の全開放や S3 バケットの公開などは、Config ルールで常にチェックできます。たとえばマネージドルールの restricted-ssh を有効にしておくと、セキュリティグループで 22 番ポートが全開放されたときに「非準拠」と判定されます。

自動修復を組み合わせれば、AWS Systems Manager Automation で設定を元に戻すこともできます。ただ、申請なしで設定が変わることになるので、最初は手動実行から始めるのが無難です。

ユースケースC-1の詳細パネル

D-3 いつからいつまでルール違反だったかを示したい

監査で「いつからいつまで違反していたのか」を聞かれたときに使えます。Config ルールの準拠状況の履歴を見れば、非準拠になった日時と準拠に戻った日時が分かります。

この履歴は、AWS::Config::ResourceCompliance というリソースタイプとして記録されます。コスト削減で記録対象を絞るときに、これを外すと履歴が残らないので注意です。

ユースケースD-3の詳細パネル

E-3 IaC で作ったリソースが手作業で変えられていないか確認したい

AWS CloudFormation で作ったリソースなら、Config ルール cloudformation-stack-drift-detection-check でドリフト(テンプレートとのずれ)をチェックできます。対象は AWS CloudFormation のスタックだけなので、Terraform で作ったリソースには使えません。

ユースケースE-3の詳細パネル

F-1 障害の前後で何が変わったかを確認したい

B-2 の流れを、障害対応に使う例です。影響のあったリソースのタイムラインで障害前後の変更を確認し、変更があれば AWS CloudTrail で操作者を確認します。

影響範囲を知りたいとき(F-2)は、リソースの詳細画面の「関係」が役立ちます。たとえば、あるセキュリティグループにつながっている EC2 インスタンスが分かります。

ユースケースF-1の詳細パネル

G-1 自然言語でリソースについて質問したい

Amazon Q Developer を使うと、コンソールのチャットで「東京リージョンで動いている EC2 インスタンスを一覧にして」のように聞けます。

ただし、回答はその都度 AI が生成するものなので、証跡にはなりません。また、セキュリティ・ID・認証情報・暗号化に関わるリソースの質問は対象外です。

ユースケースG-1の詳細パネル

マップでは付箋に「AI は手助け役。判定と記録は仕組みで担う」と書きました。AI で当たりを付けて、最後は AWS Config と AWS CloudTrail の記録で確かめる、という使い方です。

AI との組み合わせ技

マップの最後には、AI との組み合わせを中心に9パターンを載せています。ロボット印が AI を使うものです。

マップの「組み合わせ技いろいろ」

AI を使うものも、最後に判断するのは人です。AI に任せるのは、要約や解説、たたき台づくりまでにしています。

料金の目安

主なものだけ載せておきます。

項目 料金
AWS Config の構成アイテム 連続記録 0.003 USD/件、日次記録 0.012 USD/件
Config ルールの評価 0.001 USD/件(最初の10万件。以降は段階的に安くなる)
AWS CloudTrail のイベント履歴 無料(直近90日)
AWS CloudTrail の証跡(管理イベント) 最初の1つは無料。追加の証跡は 2.00 USD/10万イベント

米国東部の料金です(2026年11月時点)。最新の料金は、参考に載せた公式ページで確認してください。

構成アイテムは、記録したリソースが変わるたびに1件ずつ増えます。Auto Scaling のように頻繁に変わるリソースが多いと、そのぶん料金も増えます。変更の多いリソースタイプは日次記録に切り替える、記録対象から外す、といった調整もできます。

まとめ

  • 「何が変わったか」は AWS Config、「誰がやったか」は AWS CloudTrail
  • AWS Config は「記録する」と「判定する」に分けると整理しやすい
  • やりたいことから逆引きすると、必要な機能と組み合わせが見えてくる
  • AI は記録の上に乗せる手助け役

「とりあえず設定しておくもの」だった AWS Config と AWS CloudTrail ですが、整理してみると、思った以上にいろいろできました。

AWS には、小さなサービスをブロックのように組み合わせて仕組みを作る「ビルディングブロック」という考え方があります。AWS Config と AWS CloudTrail は、その土台になる記録のブロックです。そこに Amazon Athena での集計、Amazon EventBridge での通知、Amazon Bedrock での要約を積み上げていくと、台帳づくりから監査対応、AI の活用まで広げられます。

今回の27件も、あくまで一例です。組み合わせ方次第で、まだまだいろいろなことが実現できる可能性を秘めています。構成管理で何から手を付けるか迷ったら、まずはやりたいことの一覧から眺めてみてください。皆様の AWS 活用に少しでもお役に立てば幸いです。

参考

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