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【SAC】SAP Analytics Cloud でデモ環境を構築する ~後編~

Last updated at Posted at 2020-01-10

前編のおさらい

↓ 詳しくはコチラ ↓
【SAC】SAP Analytics Cloud でデモ環境を構築する ~前編~

SAP Analytics Cloud(SAC)とは・・・

  • SAPが提供しているエンタープライズ向けソリューションの1つで、 BI(データ分析・探索)、計画(予算管理・プランニング機能)、予測(予測・影響分析)の3つの機能がサポートされている。

環境構築のステップ
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  • 前編はモデルの作成~ディメンション設定までを記載
  • 今回はストーリー作成について記載していきます

3. ストーリー作成

<前提条件>
・ストーリーの作成には、前編で作成したモデルを使用します。

<完成予定図>
・地域別売上分析画面(実績)を作成
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① ストーリーの新規作成

・SAC環境より、メインメニュー>作成>ストーリー をクリック
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・[データのアクセスと探索] をクリック
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・ストーリーに使用するデータの形式を選択する
 今回の場合は事前にモデルを構築しているため、[既存のモデルから取得したデータ] を選択
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・事前に作成したモデルを選択
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・新規ストーリーにモデルが紐づけられ、データ探索画面が表示される
・今回はキャンバス画面から直接ストーリーを作成するため、[ストーリー]をクリック
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・グラフを作成する場合、[チャート]をクリック
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・キャンバス画面と空のオブジェクトが表示される
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② オブジェクトの作成

・いずれのオブジェクトも、空のオブジェクトを作成後、
 画面右のビルダで各種設定を行う、というのが基本形
・設定手順の詳細については、以降に記載していく
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(1) 棒グラフ

・新規オブジェクトを作成した状態で、右のビルダより[棒/縦棒]を選択
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<ビルダの各設定値>
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設定 説明
チャート方向 垂直(縦)/水平(横)のいずれかを選択できる
メジャー グラフのベースとなるメジャー項目(勘定科目)を指定
ディメンション グラフの横軸となる項目を指定
色別に比較表示したい項目を指定
フィルタ グラフ集計するディメンションに制限をかける場合に使用

・今回は次のような設定を行う
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設定 設定値
チャート方向 垂直
メジャー 売上
ディメンション 年月
営業所
フィルタ [バージョン]Actual、[製品]製品合計

・「年月」および「営業所」は、それぞれ表示する階層レベルを指定する

年月:レベル4(月レベル)
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営業所:レベル1(地域レベル)
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・地域・月別の売上実績グラフが表示される
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<グラフの特徴>

ドリルアップ&ドリルダウン:
各チャートをクリックすることで、ドリルアップ&ドリルダウンが可能
(今回作成のグラフの場合、営業所を地域別→都道府県別にドリルダウンする事などが可能)
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スマートインサイト:
メニューより、[スマートインサイトの追加]をクリックすると、
SACがグラフのメジャー項目に貢献している要素を分析する。
分析結果は[詳細表示]から確認することができる。
(今回の場合、売上に対する貢献度合いを確認することが出来る)
⇒ 一般的に手作業で行うような要因の深堀りが、本機能から容易に行える。
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(2) 円グラフ

・画面上部のツールバーより、チャートの挿入ボタンをクリック
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・空のオブジェクトが作成される
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・ビルダより[円]を選択
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<ビルダの各設定値>
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設定 説明
メジャー グラフのベースとなるメジャー項目(勘定科目)を指定
色別に比較表示したい項目を指定
フィルタ グラフ集計するディメンションに制限をかける場合に使用

・今回は次のような設定を行う
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設定 設定値
メジャー 売上
営業所
フィルタ [バージョン]Actual、[製品]製品合計

・「営業所」は、表示する階層レベルを指定する

営業所:レベル1(地域レベル)
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・地域別の売上実績グラフが表示される
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<グラフの特徴>
・棒グラフ同様、ドリルアップ&ドリルダウンやスマートインサイトの利用が可能です
(詳しくは棒グラフの項を参照)

(3) 折れ線グラフ

・画面上部のツールバーより、チャートの挿入ボタンをクリック
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・空のオブジェクトが作成される
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・ビルダより[折れ線]を選択
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<ビルダの各設定値>
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設定 説明
メジャー 左のY軸(必須)、右のY軸(任意)にグラフのベースとなるメジャー項目(勘定科目)を指定
ディメンション グラフのX軸となる項目を指定
色別に比較表示したい項目を指定
フィルタ グラフ集計するディメンションに制限をかける場合に使用

・今回は次のような設定を行う
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設定 設定値
メジャー [左のY軸]売上、[右のY軸]設定しない
ディメンション 年月
Actual
フィルタ [バージョン]Actual、[製品]製品合計

・「年月」は、表示する階層レベルを指定する

年月:レベル4(月レベル)
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・月別の売上実績グラフが表示される
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<グラフの特徴>
・棒グラフ同様、ドリルアップ&ドリルダウンやスマートインサイトの利用が可能です(詳しくは棒グラフの項を参照)

自動予測機能:
・メニュー>追加>予測>自動予測 をクリックすると、
 実績値から計算した将来の予測値が表示される
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【過去日付予測ありの場合】 ※メニュー>表示/非表示から切替可能
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【過去日付予測なしの場合】 ※メニュー>表示/非表示から切替可能
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(4) テーブル

・画面上部のツールバーより、テーブルの挿入ボタンをクリック
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・テーブルのプレビューとビルダが表示される
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<ビルダの各設定値>
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設定 説明
テーブルの行項目(縦)にする要素を指定
テーブルの列項目(横)にする要素を指定
フィルタ テーブル集計するディメンションに制限をかける場合に使用

・今回は次のような設定を行う
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設定 設定値
営業所
年月
フィルタ [Account]売上、[バージョン]Actual、[製品]製品合計

・テーブルの最終行に合計値を出すために、
 [下に合計/親ノードを整列]にチェックを入れたうえで
 「営業所」のオプションより[合計表示]をクリック
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・「年月」は階層設定より、[ウィジェットで最下位ノードのみ表示]を選択
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・現時点で実績データの無い月(Nov 11月)以降の列もテーブルに表示しておくために
 「年月」のオプションより、[入力値のないデータ]を有効にする
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・地域別・月別の売上実績テーブルが表示される
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<テーブルの特徴>

しきい値の追加:
メニュー>追加>新規しきい値 より、
しきい値の追加(〇〇万円以下で警告表示 等)が可能  ※今回は割愛
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エクスポート機能:
メニュー>エクスポート より、
現時点でテーブル表示されているデータをcsvまたはexcel形式で出力することが出来る
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(5) 地理マップ

・画面上部のツールバーより[+]ボタンを展開し、[地理マップ]をクリック
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・空の地理マップと、ビルダ画面が表示される
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・ビルダ画面より、マップのデザインを変更できる
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・プロパティを開くと、ストーリー初期表示時の地図のロケーションを設定できる
 今回は実際にデータが存在する日本が常に初期表示される状態にするため、
 [データポイントに合うように最適化]を選択する
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・データポイントを追加する際は、[レイヤ追加]をクリック
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グラフ作成時と異なり、地理マップは初期段階ではモデルが紐づいていない状態のため、鉛筆マークをクリックのうえ、事前に作成したモデルを選択する

  【2020.8.21 追記】
  アップデートにより修正されました。

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<ビルダの各設定値>
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設定 説明
レイヤタイプ 地図上に表示するデータポイントの表示形式を選択
ロケーションディメンション モデル内の地理データ(緯度,経度)を指定
バブルの色 値の大小によりバブルのを変化させたい項目を指定
バブルのサイズ 値の大小によりバブルの大小を変化させたい項目を指定
フィルタ 集計するディメンションに制限をかける場合に使用

・今回は次のような設定を行う
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設定 設定値
レイヤタイプ バブルレイヤ
ロケーションディメンション Location
バブルの色 勘定科目(メジャー入力コントロール)※
バブルのサイズ 勘定科目(メジャー入力コントロール)※
フィルタ [バージョン]Actual

※メジャー入力コントロールとは:
1つのオブジェクトとして独立して存在するフィルタ機能。
ストーリー全体またはページ全体にフィルタ適用させることが出来る。

・[+クリックして新しいメジャー入力コントロールを作成]をクリック
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・今回は「売上」のみを選択
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・タイトル部分は自由に変更可能なので、「勘定科目」に変更
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・売上分布のマップが表示される
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(6) その他オブジェクト

入力コントロール:
1つのオブジェクトとして独立して存在するフィルタ機能。
ストーリー全体またはページ全体にフィルタ適用させることが出来る。
(メジャー入力コントロールとの違いはメジャー項目であるか否かのみ)

・画面上部のツールバーより、入力コントロールの挿入ボタンをクリック
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・ディメンション>年月>メンバーによるフィルタ をクリック
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・「2016」「2017」「単一選択」を選択し、[OK]をクリック
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・年月の入力コントロールが作成されるので、
 今回使用しているモデルの実績年である「2016」を選択しておく
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テキスト:

・画面上部のツールバーより、[+]ボタンをクリックし、[テキスト]をクリック
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・テキストエリアが表示されるので、任意のタイトル名を入力
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図形:

・画面上部のツールバーより、[+]ボタンをクリックし、[図形]をクリック
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・使用する図形を選択し[挿入]をクリック
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・自由に拡大/縮小して配置
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(7) 完成図

・最後に各オブジェクトを見やすく配置しなおせば、ストーリーの作成は完了。
※予定図と少々見てくれが異なるのはご愛嬌
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(8) その他

スタイル編集:
ビルダ画面右上の[スタイル(ブラシマーク)]をクリックすると、
各オブジェクトのスタイル編集を行うことができる。

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ストーリー設定:
画面上部のツールバーより、[ストーリーの編集]>[設定] をクリックすると、
ストーリー全体のスタイル編集ができる。
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リンク付き分析:
ストーリーに配置した各オブジェクトを連動させることができる。
(例)地理マップから都道府県をクリックすると、他のグラフもその都道府県に絞ってデータ表示する など

・[リンク付き分析]をクリック
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・連動させる範囲を選択。[データポイントの選択に応じてフィルタ]にチェックを入れ、[適用]をクリック
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・初期表示
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・地理マップより、[東京営業所]を選択 ⇒ 他のグラフも連動
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・ポリゴンフィルタ等で、複数の地域を選択することも可能
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さいごに

今回製品売上データを想定して、モデル作成~ストーリー作成までのプロセスを記載しました。
SACのストーリー機能には他にも様々な設定が実装されています。
本記事ではそこまでお伝えしきれませんでしたが、本製品を新たに学習される方にとって、良い参考となれば幸いです。

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