はじめに
先日、re:Inventにて Kiro powers が発表されました。
Kiro powersを使うと、MCPサーバーをより効率的に利用できるだけでなく、ドメイン固有の知識を組み込んでチーム内で共有できるとのことです。
簡単に作れるようだったので、実際に試してみました。
Kiro powersとは
Kiro powersは AIエージェントに「特定ツールやドメインの専門性」を後付けできる仕組みです。
Powersを使うことで、MCPサーバー設定・steering(エージェントへのガイド)・hooks(自動化トリガー)をひとつの“機能パック”にまとめられます。これにより、コンテキストを最適化しつつ、APIの呼び出しやデータ取得などの具体的な作業を、指示だけで実行できるようになります。
詳細は公式ドキュメントを参照してください。
作成手順
前提条件
- Kiro IDEがインストール済みでバージョンが0.7以上であること
- MCPサーバーに接続済みであること
- 本記事だとSplunk MCP Server を利用しています
1. Powerとしてインストールするのに必要なファイルを作成する
作成方法についての公式ドキュメントはこちらを参照してください。
Powerはディレクトリを1つ用意し、markdownとjsonからなる以下のファイルを用意することで作成できます。(最小構成だと POWER.md 1つで可能)
my-power/
├── POWER.md # 必須
├── mcp.json # 任意。MCPサーバー設定
└── steering/ # 任意。判断基準や手順、規約などを記載する
├── quickstart.md
└── monitoring.md
以下のように「Splunk MCP Server用のKiro Powersを新規で作りたい」というプロンプトを渡して作成しました。
今回はこのように作成しましたが、後述のPower Builderを使用した方が適切にPowerが作られると思われます。
ファイルの作成が完了したらPOWERS -> INSTALLEDから Add Custom Power を選択し、作成したディレクトリを指定することで利用可能なPowerとして追加されます。
Power Builderを使用する場合
上記のように作ることもできましたが、Kiro powersを作るためのPowerも用意されています。
これは Kiroの POWERS -> RECOMMENDED からインストールができます。
この Power Builder を使用することで下図のように、Kiroが 対話形式でPower作成に必要な情報をヒアリングしながら、ひな形を自動生成してくれます。
2. 専門的な知識の追加
作成したPowerを業務で活用するにはドメイン知識を追加してあげる必要があります。
Splunkについては下記ブログのようにダッシュボードの情報などをIaC化していたため、このコードを読み込ませて、「どのような時」に「どのようなクエリ(SPL)」が実行されるかという情報を追加することとしました。
現在操作中のワークスペースにSplunkのコードのディレクトリを追加する方法としては、先日追加されたマルチルートワークスペースの機能を使っています。
下記画像のように、SLO監視に使用しているダッシュボードのコードとその用途を併せてKiroに渡したところ、POWER.mdやsteeringファイルが編集され、
- サービス稼働率を取得するためのSPL
- サービスのレイテンシを取得するためのSPL
- SLOの基準値
- 5xxエラー数を取得するためのSPL
Powerの有無による結果比較
Powerの設定を追加する前後で、SLOに関する質問をした結果を比較しました。
| Power追加前 | Power追加後 |
|---|---|
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Powerを追加する前は、どのように検索すればよいか手探りの状態で、SPLを何度も実行しながら必要な結果を探す形になっていました。
一方、Powerを追加した後は「何を確認すべきか」と「どのSPLを実行すればよいか」があらかじめ整理されているため、迷うことなく効率的に正しい情報へたどり着けるようになりました。
おわりに
今回はSplunk MCP Server向けにKiro powersを自作し、IaC化されたコードを知識源として取り込むことで、SLO調査で必要な観点やSPLをPowerとしてまとめました。
Powerとしてまとめておくことで、自分だけでなくチーム全体でも活用しやすくなりそうなので、今後も継続して整備を進めていきたいと思います。







