はじめに
CSV に出力した表を Word にコピペするのダルい!
表の体裁をチマチマ整えていくのはもっとダルい!
レビューに応じて被験者の除外基準変えたら、結果の数値が全部変わっちゃった。
論文に書いた数値全部書き換えていくのめんどいわ
投稿先のジャーナル変えたから、新しいフォーマットに文章コピペしてかなきゃ……
そんな苦しみを Quarto が解決してくれます。
Quarto ってなに?
Microsoft Word や LaTeX記法 を使わず、Markdown と呼ばれる書き方で論文を書くソフトです。
プログラミングのときに使っているテキストエディタを使って↓のように書くと、
↓こんな風にいい感じなPDFを出力してくれます。
.tex ファイルも出力してくれるので、そのまま論文投稿も可能です。
解析時に出力した数値や表を自動で論文内に埋め込んでくれるところがイチオシです。
また、Quarto はさまざまな学術論文誌に向けたテンプレートを用意しています。
テンプレートを切り替えることで、すぐに新しいフォーマットの論文PDFを生成できます。
本邦でも、Quarto を用いて学術論文を執筆する試みがなされています。
この記事シリーズについて
この記事シリーズでは、Quarto を用いて論文を執筆し、海外論文誌へ投稿するまでの過程の一例をご紹介します。
Quarto を使った論文執筆・論文投稿のチュートリアルとして用いてもらえれば幸いです。
あくまで私はこんな感じでやったというだけのお話ですので、もっと効率的な方法もあるかもしれません。
その場合はコメントなどで教えていただけますと嬉しいです。
やったことをなるべく余さず記録することを重視しています。
だいぶ冗長で読みづらいかもしれませんが、ご容赦ください。
Quarto の素敵なところ
MS Word との比較
- Vim を用いて執筆できる(MS word にも Vim-like な環境を作るプラグインはあるそうですが)
- Git によって、解析コードと合わせて原稿を管理できる
TeX との比較
MS Word に対する利点に加えて……
- 解析結果等をそのまま埋め込める(コピペにより原稿に転記する必要がない)
- 記法が簡単(TeX 記法を学ぶ必要がない)
Pandoc との比較
- 環境構築が簡単(Pandocを使ったときはデータ埋込の自作プログラムを用意してました)
Quarto のイマイチなところ
- 環境構築が大変(Pandoc よりちょっとマシ程度)
- 慣れるまで大変(使い方を理解するのに時間がかかる)
- 使い方に関する資料が少ない
- 他人に文書を校閲してもらいにくい
Quarto はオススメ?
上にあげたイマイチポイントが強く、現状、万人にはオススメしにくい印象です。
とくに、ほかの人からの校閲をしてもらいにくい点が痛いです。
こんな記事をここまで読んでもらっておきながらすみません。
しかし、Quarto はそれでもなお強い魅力を持っています。
私は今後も Quarto を使って論文を書こうと思っています。
Git 管理が簡単な点やデータを埋め込める点など、Quarto の魅力に興味がある方は、ぜひ記事をご覧ください。
TOC
(1) データ解析から Quarto 導入まで
- Step 0. データ解析
- Step 1. Quarto のインストール
- Step 2. 執筆環境の準備
(2) メタデータ記入からデータ埋め込みまで
- Step 3. メタデータの記入
- Step 4. 参考文献・略語リストの準備
- Step 5. データの読み込み
(3) 本文執筆からPDF出力まで
- Step 6. 本文を執筆する
- Step 7. データを本文に埋め込む
- Step 8. 本文を PDF 出力する
(4) 周辺文書作成まで
- Step 9. カバーレターの作成
- Step 10. そのほかの周辺文書準備
(5) Git 管理から投稿まで
- Step 11. Git 管理
- Step 12. 共同編集者との共有
- Step 13. ジャーナルへ投稿