本日も、ネットに流れるトピックから個人的に興味を引かれたものを拾っていきます。
この記事への感想等コメントで頂けるとありがたいです。
忙しい方向け要約
Go言語は「Go 1.25.4」と「Go 1.24.10」がリリースされ、重要なセキュリティアップデートが適用されました。
Pythonでは、コード高速化のテクニックを10項目紹介する記事があり、setによる判定の高速化や不要なコピーの回避、__slots__活用によるメモリ効率化、mathモジュールによる計算最適化など実用的なノウハウがまとめられていました。
.NET分野ではJetBrainsによる一ヶ月のまとめと、「Rider 2025.3 RC」が登場。新しいC# 14対応やUI改善、パフォーマンス向上、UnityやGodot開発強化、OpenTelemetry対応など開発効率を促進する内容が盛り込まれています。
Rubyでは「中高生Rubyプログラミングコンテスト2025」の最終審査会進出者10組が選ばれ、11月29日に三鷹で開催予定とのこと。審査会の様子はYouTubeでも配信される予定です。
Java分野ではJetBrainsによる11月のまとめが公開されています。
プログラミング
Go言語
Go 1.25.4 and Go 1.24.10 are released
セキュリティアップデート。
Python
Pythonの高速化テクニックを10個紹介した記事です。主なポイントは、集合setによる高速なメンバー判定、不要なコピーの回避、__slots__でのメモリ効率化、mathモジュール活用による計算高速化、あらかじめサイズ指定したメモリ確保、ループ内での例外処理回避、ローカル関数による最適化、itertools/bisect等の組み合わせ・探索専用モジュール利用、ループ内の同一関数呼び出し結果のキャッシュなど。これらによりスクリプトやアプリの実行速度やメモリ効率を大きく改善できます。
.NET
JetBrainsによる一ヶ月まとめ。
JetBrains Rider 2025.3 Release Candidateが公開されました。主な新機能は.NET 10 SDKとC# 14への対応、パフォーマンスと起動時間の改善、新しいIslandsテーマのUI、ASP.NETやデータベースの自動問題検出、Perforce MCP対応、Unreal Engineモバイル開発やUnity・Godotの強化、C++コードのデバッグ向上、OpenTelemetryトレースの操作性向上など。公式サイトからダウンロード可能で、不具合はIssue Trackerで報告を推奨しています。
Ruby
「中高生Rubyプログラミングコンテスト2025」は全国の中高生がRubyで制作した作品を競うコンテストで、今年は応募総数94件の中から10組が最終審査会への進出者として選ばれました。最終審査会は2025年11月29日に三鷹で開催され、現地観覧も可能です。審査は著名な技術者が担当し、会の模様は後日YouTubeで配信予定です。
Java
2025年11月号は、Java・Kotlin・AI分野の最新ニュースや実践的な技術情報が満載です。特集ではSpring Boot 4やSpring Framework 7の新機能、APIバージョニング、宣言的HTTPクライアント、レジリエンス対応の方法を解説。Java 25やKotlin 2.2の最新情報、AIエージェントの動向も紹介。開発者向けのチュートリアルやイベント情報に加え、チームやキャリアに関する読み応えある記事も多数掲載されています。
Visual Studio
Visual StudioのAIロードマップ(11月号)では、エージェント機能の拡充や複数エージェントの同時利用、チャット・計画機能・MCP(Model Context Protocol)の改善や新モデル対応など、開発体験の強化に向けた最新開発状況を紹介しています。
Visual Studio Code
2025年、VS Codeはエージェント機能を大幅に強化し、Copilotを含む複数のコーディングエージェント(OpenAI Codexなど)の統合利用が可能となりました。新たに「Agent Sessions」機能でエージェントの状態管理や切替が容易になり、チャットエディターで進行状況の確認やタスクの委譲も可能です。また、サブエージェントやカスタムエージェントの作成もサポートし、開発者は自身のワークフローに合わせて柔軟にエージェントを活用できる統合環境が実現しました。
GitHub
GitHubのルールセットで、特定のチームによるレビューを必須にできる機能が追加されました。これにより、保護されたブランチや重要なファイルごとに承認を管理し、組織全体で一貫した運用が可能となります。CODEOWNERSとは異なり、ポリシーの強化に特化しています。
エージェンティックコーディング・仕様駆動開発
CLAUDE.mdのベストプラクティスは「プロジェクト固有情報」「AIが迷う判断基準」「禁止事項」「ツールで代替不可な設計思想」「ドキュメント参照先のみ」を簡潔に箇条書きすること。3層アーキテクチャ(協働ルール・技術コンテキスト・外部参照)で100〜150行程度、具体性・冗長性排除・継続的改善を重視。階層構造やトークン効率も考慮し、他プロジェクトに流用できない内容だけ記載するのが理想です。
GitHub Copilotは、従来のコード補完ツールから進化し、VS CodeやGitHub上でマルチステップの自動化・テスト修正・コードレビュー・PR作成など開発フロー全体を支援するAIコーディングアシスタントへと拡張されました。Mission ControlやAgentモードにより、プロジェクト全体の文脈を捉えた自動化やモデル選択も可能に。CLIやコードレビュー機能も強化され、作業効率が大幅に向上。ベストプラクティスとして、プロンプトの工夫・開発者による最終確認・小さな単位での利用が推奨されています。
AI活用によるROI最大化のためには、まず企業の概念モデル(バリューチェーン)からデータを構造化し、AIを壁打ちパートナーとして高速・アジャイルにデータ基盤を設計するべきと述べています。業務KPIに紐づけたモデル作成とプロファイリングにAIを活用し、手戻りのないデータ統合やDDL生成まで段階的に効率化。AIはセマンティクスの統一やドキュメント化も支援し、両輪(トップダウン・ボトムアップ)でAI-Readyな基盤構築を推進します。
AI
LangChain
概要:
LangChain v1.0は2025年10月22日にリリースされ、エージェント構築機能が大幅強化されました。主な新機能は「create_agent」によるエージェントAPIの刷新、柔軟な拡張を実現するミドルウェア標準搭載、テキスト・画像・ツール呼び出し等を統一的に扱うコンテンツブロック、出力フォーマット指定による構造化出力、LCELによるチェイン記述の簡潔化など。旧機能はlangchain-classicに分離され必要なモジュールのみ選択可能となりました。また、Python3.9のサポートは終了し3.10以降が必要です。統合と分離によりエージェントフレームワークとして大幅に完成度が向上、後発フレームワークに匹敵する内容となっています。既存利用者はコード例を参考に移行すべきです。
感想:
大分使いやすくなっている。前に書いた物を書き直したい。
概要:
LangChainのチャットボットを全面的に再構築した理由と、その過程で得た知見をまとめます。従来のチャットボットは、チームやユーザーが技術的な質問に迅速に答えるために設計されていましたが、実際にはサポートエンジニアが能動的に利用しておらず、対応は「ドキュメント」「ナレッジベース」「コードベース」を個別に検索する手作業で行っていました。これを自動化するために、各情報源を専門とするサブエージェントを束ねた「Deep Agent」を開発し、徹底的な調査と正確な回答を実現しました。
再構築後は、シンプルな質問には高速な「Create Agent」を、複雑な実装確認には「Deep Agent+subgraph」構成を採用。従来のベクトル検索は、構造化ドキュメントの文脈が失われやすく、再インデックスや不正確な引用が課題でした。現在は、APIやパターンマッチングによる直接参照に切り替え、ユーザーに文脈ごとの完全なページやコードを提示できるようになっています。さらに、運用面ではガードレールやリトライ、モデル切り替え、キャッシュなどのミドルウェアを導入し、信頼性と効率を向上。新システム導入後、回答速度や品質が大幅に改善し、エンジニアの生産性も向上しています。今後は、より深い領域への検索や、ユーザー行動分析の機能拡張を予定しています。
GoogleはGemini APIにおいてJSON Schemaのサポートと暗黙的なプロパティ順序保持の強化を発表しました。これにより、PydanticやZodなどのライブラリがGemini APIで標準的に利用でき、データ抽出やマルチエージェント間の連携が容易になります。anyOfや$refなど主要なJSON Schemaキーワードも追加され、APIレスポンスの鍵の順序もSchemaどおり保証されます。企業のAI活用例では、データ抽出精度の向上やAPIコール数削減、信頼性・効率性の増大が報告されています。
AI時代における持続可能なソフトウェア開発について、Google Cloudは効率性、透明性、レジリエンスを重視し、アーキテクチャから運用まで環境負荷低減を推進しています。エネルギー効率の高いTPUや水資源管理、AIやクラウド技術を使った排出削減事例を紹介し、4M(Machine, Model, Mechanisation, Map)という原則でサステナビリティを全ソフトウェア層に組み込む重要性を説いています。
Google Gemini Deep Researchでは、GmailやDrive、ChatなどのGoogle Workspaceアプリと連携し、自分のメールやドライブ、チャット内容を研究に直接活用できるようになりました。これにより、チームの資料やメール、計画書なども分析対象とし、より包括的なレポートや市場分析が可能となります。この機能はすべてのGeminiユーザーが利用でき、デスクトップのGeminiツールメニューから簡単に始めることができます。
Googleは「ForestCast」という深層学習モデルによる森林減少リスク予測ベンチマークを公開しました。過去の衛星データを基に、将来の森林減少リスクを高精度かつ広範囲に予測することが可能です。従来は道路や人口密度など地域ごとに異なる地図情報が必要でしたが、本手法は衛星データのみでスケーラブルかつ更新が容易です。これにより政策決定者や企業、地域コミュニティがリスクの高い森林保全に迅速に対応できるよう支援します。
AWS
公共部門向け大規模言語モデル(LLM)の導入・開発には、市販モデルでは対応困難な規制や文化的要件、データ主権確保が重要となります。国や分野特化型のカスタムLLMは、市民サービスの質や業務効率を高め、法令順守・セキュリティも実現します。AWSでは評価・コスト分析・学習・デプロイ・監視まで、開発ライフサイクルごとに必要なツールやインフラが整備されており、継続的な最適化と安全運用を支援します。
Anthropic
MCP(Model Context Protocol)はAIエージェントが多様なツールに接続できる標準プロトコルで、導入により開発者は一度の実装で多数のツールを利用可能となりました。しかしツールの定義や中間結果がコンテキストを圧迫し効率低下・コスト増大を招きます。これに対し、エージェントがコード実行環境で必要なツールのみ読み込み、データ処理も事前に行う方式により、トークン消費を大幅に削減し効率的なツール連携を実現できます。
GitHub Copilot
Copilot coding agentが組織単位でカスタム指示に対応。全チーム共通の指示設定が可能になり、一貫した操作が実現。従来の.github/copilot-instructions.md等のファイルにも対応。
GitHub Copilot コーディングエージェントがプルリクエストテンプレートに対応。エージェントが作成したプルリク時、リポジトリのテンプレートに沿って変更内容を要約し本文に反映。複数テンプレートがある場合は最適なものを自動選択。
本
論文・その他
本記事では、ソフトウェア開発現場における要件変更の影響範囲をLLM(大規模言語モデル)で特定する手法を紹介しています。従来は熟練エンジニアが時間と労力をかけて分析していましたが、LLM活用による自動化が注目されています。プロンプト設計・改良・フィルタリングという三段階処理を組み合わせることで、見落としや誤検知を抑えながら高精度な分析が可能となり、LLaMAモデルが特に安定した性能を示しました。大規模実験の結果、全要件の2〜8%を確認するだけで、93〜96%の影響要件が特定でき、既存手法比で精度・効率ともに大幅な向上を達成。すべての要件をまとめてLLMに渡す方法、そして「改良」「フィルタリング」ステップの重要性が示されています。
この記事は、創薬分野で用いられるAIエージェントの実例8選を挙げ、その応用と課題を解説しています。AIエージェント型はLLM(大規模言語モデル)を中心に「知覚」「計算」「行動」「記憶」という4つの外部ツールと連携し、文献調査や実験計画の自動化、意思決定の効率化を実現。事例では、数週間かかる作業が数時間に短縮されるなどの劇的な効率化や、希少疾患研究・自律実験システム・多角的な創薬意思決定支援など多様な成果が紹介されます。一方で、データ多様性による統合の難しさ、セキュリティやハルシネーション(誤認識)の課題、適切な人間の介在など懸念も指摘。今後は、24時間稼働の自律研究室やデジタルツイン実験による効率化、AIと人協働による研究開発の民主化が期待されています。
AI導入において、多くの企業がPoC(概念実証)段階で停滞し、本格導入に失敗しています。その要因は、AIモデルの能力ではなく、業務への適合や信頼構築が難しいことです。解決策は、幅広いソリューションよりも、極めて狭い課題に特化し、影響力ある「ヒーローユーザー」のニーズをピンポイントで満たすことです。そのためには、日常業務のボトルネックとなるデータ処理や手作業をAIで自動化し、独自データを蓄積しつつ社内での信頼と利用拡大を図る「ウェッジ」戦略が有効とされています。
「ChatGPTが“嘘をつかなくなる”?」SNSで話題の“ファクトベースAI”プロンプトが凄い! - Smart Watch Life|日本初のスマートウォッチ専門メディア
ChatGPTの“ファクトベースAI”プロンプトがSNSで話題。曖昧な回答やハルシネーションを避け、根拠や出典を提示し「わからない」と正直に答えるAIを実現する内容です。AI活用の新たなリテラシーとして注目されています。
AIを効率的に活用するには「指示力」よりも、何をAIに提示するかという「文脈設計力」が重要だと述べています。LLM(大規模言語モデル)は確率的に応答し、会話が長くなると不要な情報がコンテキストを圧迫し応答品質が低下します。プロンプトの工夫だけでは解決できず、コンテキストから不要な情報を「引き算」する設計が必要です。エンジニア自身の基礎理解と目的意識が、AIの効果的な利用に不可欠だと強調しています。
クラウド
Azure
俺たちのブチザッキ。
2025年11月6日のAzureアップデートでは、App Service証明書仕様変更やFunctions新プラン、VM高速推論対応、ストレージ新機能、コンテナやKubernetes強化、認証やデータベースの新機能が発表されました。
MicrosoftとAnyscaleが分散AI/ML基盤「Ray」をAzure上でスケーラブルに利用できるサービスを開始。Azure App Serviceでの低照度画像強調やAI活用事例、SQL Server Ignite 2025やAzure Sphere OS新バージョン登場など最新技術情報をまとめています。
Azure CLI v2.79.0では、ACR・AKS・ARM・Backup・Compute・Container app・Core・HDInsight・Network・SQL・Storage各コマンドに複数の機能追加や改善、脆弱性対応が行われました。詳細は公式リリースノート参照。
AWS
OS
Linux
Apple Silicon Macの性能はM1以降も十分だが、古い機種はLinux化で再利用が可能。本記事ではAsahi Linuxを使ってMacのブートプロセスを調整し、NixOSのインストールとHyprlandによるリッチなタイル型デスクトップ環境の構築方法を解説。NixOSは宣言的かつ再現性の高いパッケージ管理が特徴で、設定ファイル編集や復元が容易。導入前の注意点やパーティション操作のリスクも記載し、初期セットアップからカスタマイズ、便利機能の追加までを紹介しています。
業界動向
ソフトバンクはOpenAIと合弁会社「SB OAI JAPAN」を設立し、企業向けAIエージェント「Crystal Intelligence」を2026年度から提供予定。音声入力や業務自動化機能を搭載し、従来のAIサービスと差別化、コスト削減も目指す。
ソフトバンクは国内AIスタートアップ向けに、社内利用していたGPU基盤を60日間無料提供する支援策を開始。日本のAI開発環境の強化とスタートアップの成長支援を目的としている。