本日も、ネットに流れるトピックから個人的に興味を引かれたものを拾っていきます。
感想等コメントで頂けるとありがたいです。
プログラミング
Go言語
概要:
この記事では、Go言語による「DBアクセスを伴う単体テスト」の考え方・実践方法を紹介しています。モック(go-sqlmock等)は高速かつ依存を排除できる一方、リファクタリング耐性に乏しくテスト保守性が低下しやすい課題があります。そこで、実DBをスキーマ分割して並行テストを行う方法を提案し、「mysqltest」ライブラリを公開。各テストケースごとに独立したスキーマ・ユーザーをセットアップし、自動クリーンアップする仕組みにより、依存を排除しつつ並列実行&高速化(5倍以上)を実現しています。大規模DDLが必要な場合は従来型モックも選択肢となり、用途ごとに使い分ける重要性も述べています。
感想:
Mockは便利なのですが、実際のRDBMSを使わないとわからない事もあったり、テストを変更したいのにひたすらMockを修正しているみたいなことにもなりがちなので、こういう試みは面白いですね。
v2.6.0がリリース。
.NET
ほぼ1週間のまとめ
Google Gen AI .NET SDKは、C#/.NET開発者向けにGoogle AIとVertex AIのGeminiモデルを統合的に利用できるSDKです。テキストや画像の生成が可能で、各種設定にも柔軟に対応しています。
JavaScript
Node.js v22からv24への移行では、32bit Windowsやarmv7 Linuxのプリビルド配布終了、OpenSSL 3.5やC++20対応などに伴う環境要件変更、fsやutil等での非推奨API廃止・置換、行動・バリデーション変更が実施されました。
Python
Microsoft公式のLangChain向けAzure Storage統合パッケージ「langchain-azure-storage」が公開。Blob Storageからドキュメントを効率よく取得し、OAuth2認証や柔軟なパーサ拡張、メモリ効率の高い処理が可能に。
Cursor
概要:
Cursor 2.0は、エージェント活用型の開発環境として大幅に強化され、並行・多エージェントインターフェースと新モデル「Composer」を発表。Composerは30秒未満の高速ターンを特長とし、大規模コードベースの理解・検索に優れる。新インターフェースはエージェント中心設計で、成果に集中可能。複数のエージェントを並列実行し最良の結果選択、コードレビューやテストも効率化。Cursor 2.0は既に提供中。
Visual Studio
Visual Studio 2022 v17.14(2025年10月アップデート)は、Claude Sonnet/Haiku 4.5モデル利用可能、Copilotの記憶機能強化、複雑な作業のプランニング自動生成、指示ファイルによる柔軟な標準管理、チャット履歴管理コマンド等、多数機能改善が含まれています。
PostgreSQL
概要:
PostgreSQL 18では「仮想生成列」が新しく加わり、従来の「格納生成列」とともに計算結果を表現できるようになりました。格納生成列は書き込み時に計算されデータとして保存される一方、仮想生成列は読み取り時に都度計算され、ストレージ負担がありません。導出列の用途では、読み取り専用の生成列によるDB側ロジック集約が有効で、冗長性や設計可視化にも貢献します。ただし格納生成列は定義変更時のロックや全行更新が発生するため運用負荷が高く、大規模用途には非推奨。一方、仮想生成列は定義変更が容易ですが、NOT NULL制約追加時はフルスキャンが行われるため注意が必要です。どちらもパーティションキー等への利用制約があるため、運用要件と性能要件に応じて使い分けが求められます。ユーザー定義のロジック統制や障害対策も加味しながら、適切なDB設計を行うことが重要です。
ツール
Dev Proxy v1.3が公開。HARファイル生成機能、OpenAI API使用状況の追跡、認証方式対応の権限分析、複数ポート対応のOpenAPI仕様生成などが追加され、AIコスト管理やAPIテストでの利便性が向上した。
エージェンティックコーディング・仕様駆動開発
概要:
この記事では、生成AIと協働して爆速開発を実現する「VibeCoding」のコツを解説しています。高品質なコード生成には具体的かつ明確な情報提供が重要で、タスクは細分化してAIに依頼することで精度が向上します。また、修正は粒度を細かく分けて段階的にコミット・軌道修正することで効率的に進められます。同一セッション管理を意識し、類似タスクは履歴を活用して展開するのがポイントです。最後に、明確な指示と会話履歴の活用がVibeCoding成功の鍵とまとめられています。
AI
GoogleはGemini CLI向けにJules拡張機能を公開しました。Julesは、開発者がGemini CLI上でバグ修正や非同期タスクを自動化し、効率的な開発ワークフローを実現するサイドキックです。GitHubリポジトリ連携やJulesアカウントが必要で、ターミナルから/julesコマンドでタスクを依頼できます。Gemini CLIと組み合わせることで、ユーザーは作業中に他の修正や処理をJulesに任せられ、開発効率向上が期待されます。
Google AI Studioが新たに「ログとデータセット」機能を導入し、AI開発者がアプリの挙動や品質を可視化・分析できるようになりました。ログ記録は「Enable logging」をクリックするだけでAPI呼び出し履歴が自動で保存され、課金プロジェクトならコード変更不要で利用可能です。各操作のレスポンスコードや入力・出力履歴を確認でき、デバッグ効率が向上します。記録をCSV/JSONLでエクスポートしてオフライン評価やパフォーマンス分析・改善にも活用でき、Googleへのフィードバックも送信可能です。
Google Cloudは、Vertex AI SDKによるプロンプト管理機能の一般提供を開始しました。開発者はSDK上でプロンプトの作成・バージョン管理・共有を一元管理でき、UIとSDK間のシームレスな移行やチームでのコラボレーション、企業向けセキュリティ(CMEK/VPCSC)対応も可能です。これにより、生成AIアプリケーションのワークフローが効率化され、堅牢な管理・運用・拡張性を実現します。Pythonコードによる実装例も紹介されています。
Googleは、個人データのプライバシーを保証しつつAI利用状況を分析する新技術「Provably Private Insights(PPI)」を開発しました。LLMや差分プライバシー、信頼済み実行環境(TEE)を活用し、個人データを保護しながら、各種AIツールの利用傾向を匿名化集計します。Recorderアプリでは、保存された音声データをTEE内で分類・集計し、外部からもプライバシー保護が検証可能です。PPIの技術とコードはオープンソースで公開されており、第三者による透明性と検証ができます。
OpenAI
Expanding Stargate to Michigan | OpenAI
OpenAIはミシガン州サリーンに新たなStargateキャンパスを建設します。オラクルなどと提携し、AIインフラ拡張と米国産業の活性化を推進。2026年着工予定で2,500以上の雇用創出や省水冷却技術で地域の負担軽減も図ります。
How we built OWL, the new architecture behind our ChatGPT-based browser, Atlas | OpenAI
OpenAIのChatGPT Atlasは、従来のChromiumベースのブラウザから分離した新アーキテクチャ「OWL」により、瞬時起動や安定性向上、エージェント機能、効率的開発を実現する次世代Web体験を提供します。
Introducing Aardvark: OpenAI’s agentic security researcher | OpenAI
OpenAIは、GPT-5を搭載した自律型セキュリティエージェント「Aardvark」を発表。Aardvarkはソースコードを解析し脆弱性を発見・検証・修正案を提示することで、開発者とセキュリティチームの保護力を強化します。現在プライベートβで提供中です。
GitHub Copilot
概要:
GitHub MCP Serverのオフライン評価手法について解説した記事です。MCPはLLMとAPI間の共通プロトコルであり、ツール選択と引数の正確性を自動パイプラインで検証します。ツール説明やパラメータの微調整が結果に与える影響が大きいため、ベンチマークデータを使った精度・再現率・F1スコアなどの分類評価と、引数品質の詳細指標でリグレッションを早期発見。今後は多ツール同時評価やベンチマーク拡充も予定し、品質向上と迅速なデリバリー両立を目指しています。
LangChain
deepagentsは、LangChainエコシステム向けの汎用的なPython製エージェントフレームワークです。LLMでツールを単純に呼び出すだけでは浅いエージェントになりますが、deepagentsは計画ツール、サブエージェント、ファイルシステムアクセス、詳細なプロンプトによる複雑なタスク分解や長期記憶、コンテキスト管理を実装します。create_deep_agentで各種モデルやツール、ミドルウェア、サブエージェントを柔軟に指定でき、深い計画や人間の承認を挟む処理も可能です。Claude Codeなど高度な研究エージェントの設計から着想を得て、ビジネス・研究・分析用途など幅広く応用できます。
JetBrains
JetBrainsのGrazieは、IDE用言語インテリジェンスとして進化し、2025.3以降IntelliJ系IDEに組み込まれます。従来は外部プラグインでしたが、今後は標準機能となり、パフォーマンス向上や細かい文体設定が可能です。Grazie Proの機能はほぼ「Natural Languages」プラグインに統合され、クラウドAI連携も利用可能です。プロジェクト単位のスタイルガイドなど一部機能は未移行ですが、今後ユーザー要望に沿って調整されます。JetBrains IDEで一貫した校正・文書支援を提供し、AIアシスタントとの連携も強化されます。
論文・その他
概要
RAG(検索拡張生成)の成功には、LLM(大規模言語モデル)そのものではなく、データパイプラインとプロンプト設計が重要である。複数ソースから整合性あるデータを取り込む堅牢なパイプラインと、明確なコンテキストや目的を反映したプロンプトの継続的な改善が、出力品質を大きく左右する。これらを実運用レベルで維持・進化させることで、AI導入企業は成果として高精度・迅速な応答、組織知識の拡張を実現できる。
このポッドキャストでは、GitHubのChris Butlerがプロダクト開発へ生成AIを実験的に導入し、クロスファンクショナルチームの業務負荷(toil)軽減に取り組む様子が語られています。チームの情報共有やステータスレポートなど反復的・手動作業をAIエージェントが支援し、必要な情報提供や初期ドラフト作成、様々な視点でのフィードバックを自動化。特に、人間の意思決定や専門性育成を妨げず、AIを“補助”として活用することで、エンジニア以外も含む多様な職種の連携や効率化を目指しています。今後は会議へのエージェント参加や、組織内の知識リンクなど、AIの自律化領域拡大も見据えています。
クラウド
Azure
Azure Updates (2025-10-30) (2) | ブチザッキ
2025年10月30日0時ごろからAzure Front Doorで障害が発生し、多くのMicrosoftサービスや顧客サービスが接続不可・遅延となった。原因は誤った構成変更で、段階的に正常化対応が行われた。
Azure Technology Pickup (2025/10/30) | 焦げlog
エンジニア
マネージメント
概要:
書籍「エンジニアリングリーダー」は、技術組織を率いるリーダーや現場エンジニアが対象で、リーダーシップやセルフマネジメント、チームビルディング、次世代リーダーの育成など実践的なノウハウがまとめられています。著者は「キャリアの主導権を自分で握る」「コーチャブルな心」を重視し、成長やリーダー育成・良いチームの条件など自身の経験も交えながら具体的に解説。エンジニアやICにも有用な内容で、定期的に読み返したい良書と高く評価されています。
概要:
この記事は、LayerX社の新規事業(HCM領域)の立ち上げ経験をもとに、事業を加速させるための「組織マネジメント21選」を紹介しています。主に以下のポイントがまとめられています。
- 事業成長には組織課題を最小化し、全員が事業と顧客に集中できる環境が重要。
- 採用では「本当に一緒に働きたい人」を重視し、前倒し採用や役職だけでなく事業への共感を重視。
- オンボーディングは心理的安全性や環境整備、アウトプット重視、早期成果を強調。
- 目標設定や1on1は事前議論や月次振り返りを交え、個人と組織のバランスを意識。
- 会議体は事前準備や賞賛の仕組みを整え、フェーズごとに最適化。
- その他、スピード重視・発信・調整・プロダクト価値など、現場で意識すべき行動や姿勢もリスト化。
全体として、組織運営を事業と顧客志向で加速させる実践的なノウハウとマインドセットが平易にまとめられています。
好きこそものの上手なれ
感想:
正直、技術が嫌いな人はあまり向いていないのでは。30年以上業界の片隅に居続けてきたけど、この業界は「好きこそものの上手なれ」です。コンピューターが好きでないと続けていくのはしんどいと思う。技術のキャッチアップができなくて業界から去って行った人を何人も見ている。
学習
概要:
働き始めると本を読む時間が減り、エンジニアは「考える力」と「語彙力」が弱まる傾向にある。日々、情報収集や学習に追われて効率的に問題を解決するが、「なぜその方法にしたか」といった本質的な思考や説明が不足しがちである。読書は自分の思考のバグをデバッグする行為であり、他人の表現や視点に触れることで自らのアウトプット力も鍛えられる。特に語彙力や説明力は、エンジニアのコミュニケーションや設計思想の伝達に直結し、読書によってそのストックを増やせる。ジャンルごとに思考や共感力、抽象化力など異なる力が養われ、長期的に読書が思考力・言語力の「筋力」となり、技術以外にも人への理解が深まる。コードはすぐ古くなるが思考力は一生使える―読書はエンジニアの根幹をアップデートする投資であると筆者は説く。
感想:
実装技術は揮発する技術、概念的な技術は揮発しない技術。あと、人間は言葉で考えるので、とにかく読んで書くことで語彙力や、言語での思考力を向上させていくことが大事。LLMを使うにしても、LLMには言語を使って指示を与えないといけないわけだし。
業界動向
このバブルはいつまで続くんだろう。。。