やっと涼しくなってきた。
プログラミング
Python
PyTorch 2.9がリリースされ、主な新機能として、C++/CUDA拡張機能向けlibtorch ABIの更新、マルチGPUカーネル開発を容易にするシンメトリックメモリ、torch.compileでグラフブレイク時のエラー制御機能、ROCmやXPU、CUDA 13など多様なプラットフォーム対応拡張、Intel GPUへのFlexAttention有効化、Armプラットフォーム最適化などが追加されました。今回のリリースは452人の貢献者による3216件のコミットで構成されており、コミュニティへの感謝と今後のフィードバックを呼びかけています。また一部APIはunstable扱いのため引き続き改善が進められます。
Windows版Pythonのインストールは「Python Install Manager」の登場で大きく変化。従来のインストーラーは3.16で終了予定で、今後はコマンドラインからバージョン管理やインストールが容易にできるようになる。
Web
Firefox 144.0では、タブグループ操作性とプロファイル管理が強化され、Google Lensによる画像検索やPerplexity AI検索機能が追加。パスワード管理の暗号化方式向上、翻訳対象・品質の拡充も実施。各種Web APIやCSS機能対応、セキュリティ修正も含むリリースです。
アクセシビリティ
デジタル庁デザインシステムは、行政・公共分野向けにアクセシビリティ向上を重視して設計されています。最新の国際基準WCAG 2.2にも対応し、サンプルコードの提供で開発・コミュニケーションや学習コストを低減できます。視野狭窄や強制カラーモードなど具体的な利用者課題に即した解決策やUI設計例を提示し、縦並びフォームやクリックで表示切替など誤認を防止する工夫も豊富。民間含め自由に利用でき、ガイドラインに従い改変も可能です。
エージェンティックコーディング・仕様駆動開発
Claude CodeなどのAIを活用した「Vibe Coding」スタイルでOSSツールRulesyncを開発し、25万DLを達成した筆者の体験談。AIだけで開発を進めると設計指示や文脈管理が不十分になりコード品質が低下し限界を迎えたが、人間が設計や修正で適切に介入しAIと協働したことで開発を軌道に戻せた。AIは設計や実装で役割を分けるのではなく、全工程で人間が細部を把握しつつ柔軟に協働することが重要、と結論付けている。
Gemini Code Assistは、GitHub Enterprise向けにAIによる自動コードレビューを提供するツールです。組織全体で一貫したコード品質管理とカスタムスタイルガイドの自動適用が可能で、管理・セキュリティ面も強化されています。現在パブリックプレビュー中です。
AI
OpenAI
OpenAIは2025年12月から、ChatGPTで認証済みの成人ユーザー向けに性的コンテンツ利用を解禁すると発表。あわせて、以前好評だったGPT-4oの“個性”や親しみやすさも復活予定。規制強化の動きも続いている。
LLMに親しみやすさとかセクシーさとか全く求めていないので、余計なことはしないでほしい。
Anthropic
Anthropicが発表したClaude Haiku 4.5は、小型で高速かつ低コストなAIモデルです。Claude Sonnet 4に匹敵するコード生成性能を、約1/3の価格と2倍以上の速度で提供します。リアルタイム性が求められるチャットやペアプログラミングなどに最適で、複雑な問題を分割して複数のHaiku 4.5で並行処理も可能です。安全性評価でも前モデルより高い水準を実現し、ASL-2で公開。Claude CodeやAPI、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AIで利用でき、開発効率や応用範囲が大きく広がります。
Claude Codeの操作履歴を記憶として管理・参照できるMCPサーバー「claude-ops-mcp」を作成。ログから編集やコマンド履歴を取得し、ファイル編集やコマンド結果の検索・差分表示が可能。AIの記憶補助を実現し、使い勝手も良好。
昨日取り上げた「メモリー」機能をClaude Codeに追加する試み。
GoogleのGemma AIモデルファミリーをベースに構築された270億パラメータの単一細胞解析用基盤モデル「C2S-Scale 27B」が新しいがん治療経路を発見しました 。このモデルはがんの免疫療法において「コールド」腫瘍を「ホット」にする薬物として silmitasertib を特定し、低用量インターフェロンとの併用で抗原提示を約50%増加させることを実験で実証しました 。AIが生成した仮説が実験室で検証され、新たな治療法開発への道筋を示しています 。
GoogleのAI動画編集ツール「Flow」に、Veo 3.1の新機能が追加されました。これにより、ユーザーは映像編集でより細かなコントロールが可能となり、「Ingredients to Video」や「Frames to Video」「Extend」などに音声機能が導入されました。Veo 3.1はリアルな質感、強固なプロンプト実行能力、向上した映像・音声品質を実現。編集では、シーンへの新規要素挿入や不要物除去も可能となります。Gemini APIやVertex AIでも利用でき、より豊かで自由な映像表現が可能になりました。
Veo 3.1は、画像から高品質な動画と音声を生成し、キャラクターや場面の一貫性を保ちながら創造的な演出が可能なAIモデルです。本ガイドでは、撮影技法やプロンプト構成、Geminiとの応用で、細部まで制御できる動画作成手法を解説しています。
Googleが発表した「Coral NPU」は、エッジAI向けのフルスタック・オープンプラットフォームです。大規模なクラウドAIとは異なり、ウェアラブルやIoTなどの低消費電力デバイスでAIを常時稼働させることを目的とし、性能・ソフトウェア断片化・プライバシーという三つの課題を解決します。RISC-V準拠アーキテクチャを採用し、低電力かつ高効率な推論を実現。TensorFlowやJAXなど主要なMLフレームワークに対応し、AIモデルの実装が容易です。また、パートナー企業と連携して産業向けIoTプロセッサにも採用されています。開発者向けにオープンなドキュメントとツールを公開し、次世代のプライバシー重視型エッジAI体験の基盤を築いています。
GitHub Copilot
GitHub Copilotによるコミットメッセージ自動生成機能が一般公開されました。github.com上でファイルを編集した際に、変更内容の要約を自動で提案します。全てのCopilotプランで利用可能で、個人は設定から無効化も可能です。企業や組織でも管理機能により利用可となっています。
Anthropicの最新AIモデル「Claude Haiku 4.5」がGitHub Copilotでパブリックプレビュー開始。Copilot Pro、Business、Enterpriseなどで順次利用可能で、Visual Studio CodeやGitHub Mobileから選択できる。管理者設定やAPIキーで有効化が必要。
論文・その他
近年LLMの性能が向上し「RAGは本当に必要か?」という問いが現れたが、最新情報や非公開データへの対応などRAGには依然重要な役割がある。現状の課題や今後の改善点についても解説している記事です。
LLMによるプログラミング支援においても、人間の「ダニング=クルーガー効果」と同様に、LLMが不得意分野で自信過剰な回答をしやすい現象が指摘されている。自己評価の正確さは実務判断に重要であり、実験でこの傾向が分析された。
この記事はAI支援開発の未来と、開発者がAIツールとともに成長するための「Sens-AIフレームワーク」について述べています。CopilotなどAIツールの活用が普及する中、単にツールの使い方ではなく、開発者自身がコードの設計・理解を保つための5つの習慣(コンテキスト、リサーチ、フレーミング、リファイン、クリティカルシンキング)が重要とされます。これらの習慣を教育、チーム、ツール、文化に組み込むことで、AIを活用しつつも主体的なエンジニアリング能力を維持でき、AIが本当の協力者となる道が拓けると強調しています。
AIアプリケーションの次世代では、「魔法の言葉」(magic words)としての専門用語・略語が重要な役割を果たすようになっています。これらの言葉はLLM(大規模言語モデル)が習得した文脈や知識への「ファジーな関数呼び出し」として機能し、適切な指示やワークフローを一瞬で呼び出す鍵となります。開発者はこうした魔法の言葉を磨き、新しい「呪文」として追加することでAIの能力を拡張し、応用範囲を広げています。今後はAI同士が共通の魔法の言葉を用いて連携し合うプロトコルやインフラとして発展し、オープンな文化・標準となっていくことが期待されています。
ハードウェア
レノボは手のひらサイズのAIスーパーコンピュータ「ThinkStation PGX」を発表。GB10 Superchip搭載で最大1000TOPSのAI性能を持ち、128GBメモリで最大2000億パラメータの生成AIモデルをローカル動作可能。価格は75万9000円から。
NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Editionの受注販売がオリオスペックで開始。価格は約160万円。PCIe 5.0対応ビデオカードで、AI処理・レンダリングに特化し96GB GDDR7メモリを搭載。前世代比で最大3倍の性能を持つ。
IBMは、基幹業務のセキュリティとレジリエンス強化を重視し、IBM Z/LinuxONE/IBM Power向けAIアクセラレーター「IBM Spyreアクセラレーター」を提供開始。AI推論を低レイテンシーで大規模運用し、企業の業務最適化や不正検知・自動化に有効。
クラウド
Azure
ブツザッキ。
Azureの2025年10月16日付アップデートまとめ。FunctionsのFlex ConsumptionでKey Vault等のネットワーク制限対応、仮想マシンの旧シリーズやRedis等が数年内にリタイア、AI FoundryにGPT-5やSora 2追加、API管理の環境配慮機能、各種サービスの新機能やGA、DevOpsやMicrosoft 365、Fabricなど幅広く更新。
2025年10月15日時点のAzure関連最新情報まとめ。Oracle Database@Azureの新機能やリージョン拡大、Site RecoveryのUltra Disks対応、Spot Placement Scoreなど可用性向上機能、Event Gridの新機能、Container Apps向けFunctions V2移行やGo言語新リリース、Azure SynapseでApache Spark 3.5が一般提供開始など、多数のアップデートが発表されています。
AWS
エンジニア
AIとお仕事
AIエージェントの登場で「エンジニア不要論」が高まる中、Devin開発者はこの考えに否定的です。AIの自動化が進んでも「何を作るか」を決める役割は人間にしか担えず、これがソフトウェアエンジニアの本質と述べます。AI時代に生き残るためには、高度な判断力・深い理解力などの3つの必須スキルが重要であり、エンジニアのキャリアパスも激変していくと示唆されています。
話をまとめる
5W1H(Why, What, Who, When, Where, How)は、コミュニケーションや設計に有効なフレームワークです。まずWhy(目的)を明確化し、What(成果や方向性)→制約(Who, When, Where)→How(具体的手段)の順で整理すると、議論の迷走や意思決定の遅延を防げます。Howの抽象度を揃えたり、WhyやWhatに対する反証も考えることで、より的確な判断が可能になります。AIへの指示や日常業務でも有用で、言語化力向上にも寄与します。
仕事
この記事は、漠然としたタスクに直面した際に「何のためにやっているのか」を見失わないための考え方を論じています。手を動かして具体的な作業に没頭する誘惑に対し、まず目的や仮説を明確にする重要性を強調。作業中もその目的や仮説とずれていないか自問し、違和感があれば早期に軌道修正や相談を行うべきと述べています。最終的には、仮説に基づいた行動によって無駄な作業や手戻りを防ぐことができ、チーム内での目的意識の共有も欠かせないとまとめています。
ハードウェア
複雑なシステムはいつもどこかが壊れているもの
理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳」のメインボードは、約2~3日に1個の頻度で偶発的に故障が発生するとのこと。これは約16万個ものCPUを搭載した大規模システムゆえで、個々の故障率は極めて低くても全体では頻繁な交換が必要となる。データセンターにおいて消費電力や熱が増す中、サーバー冷却の主目的は安定稼働・故障防止であることを再認識した内容です。
万を超える構成要素があるシステムは何かしら常に壊れます。そのため耐障害性とともに復旧するための性能も求められますし、たゆまぬ保守を可能にする組織、体制も必要です。
Mac
Appleは新型M5チップ搭載のMacBook Pro、iPad Pro、Vision Proを発表し、AI性能が向上。M4比でGPU性能約4倍、最新OS標準搭載。10月22日より予約・販売開始。
Appleが発表したM5チップは、M4比4倍以上のAI向けGPU性能やNeural Acceleratorを全GPUコアに搭載し、グラフィックスも最大30%向上。第3世代3nmアーキテクチャ採用で、メモリ帯域幅も27.5%増加しています。
AppleはmacOS 26 TahoeでFireWire 400/800のシステムレベルサポートを削除し、RMEのFireface 400/800などFireWire機器が利用不可に。対策として旧macOSの維持やUSB製品への移行が推奨されています。