本日も、ネットに流れるトピックから個人的に興味を引かれたものを拾っていきます。
AIが政策的にも重要になっていく中で、現状政府の打ち出している政策はあまり現実性がなく、AI植民地であることをなかば受け入れるような感じです。その中で、今後AIが社会の基盤となっていく中で、日本が参考にすべきはEUの方向性でしょう。ある程度米中に後れをとっていること、いわば負けをいったん認め、その上でどのように主権を維持していくべきなのか考えていくべきでしょう。そういった考えのもと、今回のOSG-JPのステートメントは歓迎します。
この記事への感想等コメントで頂けるとありがたいです。
オープンソースAIを基盤とした開かれたAI社会とデジタル主権を構築するための公開提言 ― 米中依存のリスクを低減し、透明性・自律性・競争力あるAI基盤を構築 ―
以下、要約です。
一般社団法人オープンソース・グループ・ジャパン(OSG-JP)は、オープンソースAIの国際標準OSAIDへの支持を表明し、日本のAI国家戦略に以下の三つの政策を提言しています。
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OSI定義に準拠したAIシステムの推進
公的資金によるAIモデル開発は、成果物(モデル・コード・データ等)を国際標準OSAIDに準拠したライセンスで公開し、社会全体で広く利用可能にすべき。 -
開発者の法的保護
オープンソースAI開発者が、その成果物の利用による損害責任を問われない法的保護を明確化し、規制や契約でも原則を徹底するべき。 -
トレーニングデータのオープン化
公的機関が保有する公共性の高いデータをAI学習用途に整備し、安全性・プライバシー配慮の上でオープンデータとして公開し、国内AI開発の競争力強化につなげるべき。
世界の主要国(米国・EU・中国)はすでにオープンソースAIを戦略の要として推進しており、日本も独自の政策で技術主権と産業競争力を守る必要があると主張。
オープンソースAIは、技術革新の加速、公正な競争、透明性や信頼のあるAI社会の基盤となり、国家戦略として推進すべきとの結論です。
プログラミング
Go言語
Go言語は2025年で誕生16年を迎え、現在プロフェッショナル開発者数は220万人に達し、全開発者の11%が今後1年以内にGoを導入予定です。利用者は主にWebバックエンドとインフラ構築を担当する開発者に分かれます。標準ライブラリ「net/http」がルーティングで主流ですが、近年は「chi」や「Gin」、「Echo」、「Fiber」などのフレームワークも広く利用されています。テストでは標準の「testing」パッケージに加えて、「testify」や「gomock」が人気です。主要ライブラリとしては、ログでは「log/slog」や「logrus」、DBアクセスでは「database/sql」や「sqlx」、「pgx」、ORMに「GORM」「ent」などが挙げられます。CLI開発には「cobra」、Kubernetes関連では「client-go」や「controller-runtime」、「kubebuilder」が使われています。開発環境はGoLandが47%と最多で、AIアシスタント利用率も7割を超えています。Lintツールは「golangci-lint」が主流です。Goの生産性・セキュリティ・シンプルさは高く評価されており、今後も成長が期待されています。
kotlin
KoogはKotlinベースのAIエージェント構築フレームワークで、複雑なワークフロー管理や耐障害性・メモリサポート、LLM連携などを特徴とします。一方A2Aプロトコルはエージェント間の標準通信レイヤーを提供し、エコシステム内の多様なエージェント同士を簡単に連携可能にします。KoogとA2Aを組み合わせることで、エージェントの検出・通信・オーケストレーションが統一され、開発者はエージェントの機能強化に集中できます。KoogはA2A対応で柔軟な連携を実現し、あらゆる環境で活用できる信頼性の高いAIエージェント構築が可能です。
Python
このブログ記事は、PythonとRustを比較し、それぞれの特徴と用途について解説しています。Pythonはシンプルな構文と豊富なライブラリで、初心者や迅速な開発、データサイエンス・自動化に適しています。一方、Rustは複雑ながらも型安全性やメモリ管理、パフォーマンスに優れ、システム開発や大規模・高信頼性が求められるソフトウェアに最適です。多くの開発者は両者を組み合わせ、Pythonの柔軟性とRustの高速・安全性を活かす方法も増えています。選択は、解決したい問題やキャリア目標に応じて最適化すべきだとまとめられています。
C/C++
2025年11月、米国コナで開催されたISO C++標準委員会の会議は、C++26の最終仕上げ段階としてバグ修正や合意形成を進めるものでした。契約機能や簡易移動性などの懸念が議論され、契約機能はバグ修正を施して残すこと、簡易移動性はC++26から除外することとなりました。未初期化変数の扱い改善、新要素の追加等も決定。委員長交代(Guy Davidson氏就任)、新体制発足が発表され、次回は2026年3月に英国で行われる予定です。
設計
このプレゼン資料「開発者が知っておきたい複雑さの正体」は、2025年11月のPHPカンファレンス福岡で発表されたものです。内容は以下の通りです:
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複雑さの定義:
- 複雑さとは「開発者がシステムを理解・変更することを妨げるものすべて」。
- 主観的な「分かりにくい」と感じることが複雑。
- 客観的指標として「循環的複雑度」「結合度」「凝集度」などが挙げられる。
- それぞれの例(コード・クラス図)を用いて具体的に説明。
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複雑なコードが生まれる理由:
- 技術力だけでなく、要件変更・設計・実装の各段階で複雑さは発生する。
- 要件の追加・顧客要望・法令(GDPR、消費税)など現実の変化が複雑さを増やす。
- 設計の不明確さや組織・コミュニケーションの問題も原因。
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複雑さの具体例:
- 条件分岐の追加、Switch文、テストしづらい構造、わかりにくい命名など。
- MVC, DDD風設計などの選択で生じる課題。
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予防と対策:
- SOLID原則など設計の学習を推奨。
- コミュニケーションを重視し、システム思考・フィードバックループを回すことで予防する。
- 複雑さを完全に防ぐことはできないが、要件や設計の段階から広い視野で解決策を探ることが大事。
- 諦めず小さな改善を積み重ねる姿勢が重要。
まとめ:「複雑さ」は技術・プロセス・組織・要件すべてに潜み、開発者がその正体を知り、予防と改善に取り組むことが大切と説かれています。
ツール
2025年に注目した、または実際に使った開発ツールをまとめた記事です。AI支援開発では「Vibe Kanban」と「Devin」に期待。ランタイム管理は「mise」「pixi」が便利で、高速動作と多言語対応が魅力。IaCではCDK for Terraformに注目し、プログラミング言語を活用したインフラ管理を紹介。ドキュメント生成はSpectaQLやSchemaSpyで自動化。リリース管理の自動化は「release-please-action」や「Renovate」が便利。Git運用はSubmodule/Subtreeやlefthook、czgで効率化。ツール導入・自動化による開発生産性向上を強く感じた、という内容です。
エージェンティックコーディング・仕様駆動開発
MCPツールの普及により、LLMに多くのツール定義が一括で読み込まれることでコンテキスト圧迫の問題が発生しています。これに対し、Anthropicによる「Progressive disclosure(段階的開示)」は、必要最小限の情報のみを初期段階で提供し、必要に応じて追加情報を段階的に渡すことで効率化を図ります。また、MCPツールをTypeScriptなどのAPIとして公開し、必要なツールのみコード実行で呼び出すアプローチや、単一の検索ツールを用いることでコンテキスト消費を抑える事例が紹介されています。適切なコンテキスト設計と運用が、AIエージェントの性能向上の鍵となります。
AI
Moonshot AI
Kimi K2 Thinkingは、Moonshot AIによる最新のオープンソース思考モデルです。「thinking agent」として、ツールを使い段階的に推論し、高度な問題解決能力を発揮します。本モデルは、Humanity's Last Exam(HLE)、BrowseCompなどのベンチマークで最先端の性能を記録しています。特徴として、200~300ステップ以上に渡るツールコールを自律的に処理し、複雑な課題も一貫した推論で解決できます。特に推論・検索・コーディング・執筆など幅広い分野で高い汎用性を持ちます。
Kimi K2 Thinkingは、HLEで44.9%、BrowseCompで60.2%、SWE-Bench Verifiedでは71.3%という成果を残しており、専門的な問題も多段階のツール利用と論理展開によって解決可能です。PhDレベルの数学問題に対しても23回の推論・ツール使用で解を導き出す例が紹介されており、長期的な課題解決能力も証明されています。
このモデルは、APIやkimi.com上のチャットモードでも利用でき、今後は完全なエージェントモードも公開予定です。総じて、Kimi K2 Thinkingは高度な推論、計画、自律的操作を兼ね備えた次世代AIエージェントと言えるでしょう。
Microsoft
Azure Kubernetes Service(AKS)向けに、エージェント型CLI「agentic CLI」がパブリックプレビュー公開。自然言語でクラスタ運用・トラブルシュートを簡素化し、HolmesGPTをベースに高いカスタマイズ性とデータプライバシーを実現。初期設定やMCP統合、タスク進捗確認、フィードバック機能も搭載。
GoogleのGemini Code AssistはGitHubで利用可能なAIコードレビュー支援ツールで、新たに「記憶」機能が追加されました。従来のAIは過去のやり取りを覚えていませんでしたが、この機能により、過去のプルリクエストでのフィードバックやチームのコーディング規約・スタイル・ベストプラクティスを動的に学習・蓄積できるようになります。自動抽出されたルールは適切な場面で利用され、新しいレビュー時にも反映されるため、指摘の重複や不要な繰り返しが減り、チームの知識共有と作業効率向上に寄与します。設定や有効化も容易で、個人・エンタープライズどちらにも対応しています。
このブログ記事は、大規模言語モデル(LLM)の強化学習(RL)をGoogle Kubernetes Engine(GKE)上で大規模に実行するための課題とGoogle Cloudによるソリューションを解説しています。RLはモデルの出力を人間の好みにより近づけるために重要ですが、大型モデルを多数並行して扱う際のメモリやインフラの効率等が課題となります。Google CloudはTPUやGPUによる柔軟な計算環境、高性能なストレージ、GKEによる大規模オーケストレーション、オープンソースツールとの統合により、RLのハイブリッドなワークロードをシステム全体で最適化しています。具体的な実装や活用例も紹介されています。
AWS
「Model Context Protocol(MCP)」は、AIエージェントがツールや外部システムに接続するための標準インターフェースとして広く利用されています。これまで主にローカルMCPサーバーが使われていましたが、リモートMCPサーバーへの接続を容易にする新機能がKiroに追加されました。リモートMCPサーバーを使うことで、外部サービスとの連携が簡単になり、セキュリティや認証情報の管理も環境変数を利用して安全性が向上しています。ワンクリックでサーバーを追加できる機能も導入され、開発や運用の効率が高まります。
論文・その他
生成AIの業務利用が進む中、クラウド型LLMのセキュリティやデータ管理への懸念から、企業は独自環境で運用できる「ローカルLLM」に注目している。ローカルLLMは、独自データの安全活用やコスト管理、柔軟なカスタマイズが可能で、業界別の専用ソリューションや支援サービスも登場している。金融や医療分野など機微な情報を扱う企業で導入が急増し、導入・運用には初期費用や継続的なサポートも必要だが、自社課題に合わせたAI活用が期待されている。
感想:
日本の企業はそう言って自社専用の業務システムを作ってきて、今まで大失敗を繰り返してきたのではないか。
この記事では、経済学の専門外である修士学生が、生成AIを活用して経済学の仮説を1年間かけて検証し、非常に高いレベルの研究成果をAI主体で実現した事例が紹介されています。研究の発案から論文化までほぼAIの力で進めており、その独学と挑戦的姿勢に筆者は驚きと期待、またAIネイティブ世代の台頭への畏怖を覚えたと述べています。専門外の分野であってもAI活用により高いアウトプットを生み出せる時代になりつつあること、そして研究者像の変化を考えさせられた、と結論しています。
LLMエージェントアシスタント「Cursor」の導入効果を、GitHubの807プロジェクト事例から検証した記事です。Cursor導入直後はコード追加量が一時的に約3倍になり生産性が大幅に向上する一方、コードの警告や複雑さも増加し、品質悪化が将来的な開発スピード低下を招く傾向が示されました。効果は2ヶ月ほどで元に戻り、持続性に課題があります。品質管理の強化やレビュー、ツール設計の改善が今後は重要となります。調査は主にオープンソース環境で実施されています。
本記事は、AMDのCEOリサ・スーがどのようにして同社をNVIDIAの強力なライバルに押し上げ、AIや半導体産業の先端をリードしているかを描いています。リサ・スーは台湾生まれで米国育ち。MITで電気工学博士号を取得し、2014年にAMDのCEOに就任。それ以来、モジュール型チップ設計やAI用GPU、データセンター向けチップなど、先進的な技術開発に成功し、低迷していたAMDを復活させました。時価総額も驚異的な成長を遂げ、世界の主要テック企業(OpenAI、Meta、Google等)ともパートナーシップを締結しています。
スーは中国との半導体輸出規制や地政学的なプレッシャーにも積極的に向き合い、自社の技術が安全保障や経済に不可欠であると発信。チップ製造の国内回帰にも強い意欲を見せています。また、ROCmなど自社開発ソフトウェアの課題も認識しつつ、「開発スピード」と「開発者の声に耳を傾けること」を重視して改善を進めています。
人材の採用においては、高額な報酬よりもAMDのミッションに共鳴し、情熱を持った人材を重視。また、AIが人類や医療にもたらす変革の可能性を信じ、個人的には医療分野への技術応用に強い思いがあります。スーは現実的かつ楽観的なテクノロジー観を持ち、「困難にも粘り強く挑戦し、毎日一歩ずつ進化していくこと」を信条としています。彼女のリーダーシップの根本には、「情熱」「現実的な楽観主義」「着実な学びと前進」があります。
多くの企業アプリは、技術の進化にも関わらず、簡単な住所変更ですら数日かかるなど、顧客サービスにおいてT+n問題(理想的な処理時間Tとそれに追加される遅延n)が顕在化しています。この遅延の原因は、システムや人間、プロセスの複雑さにあり、企業は主にリスク管理やコンプライアンスを優先するアーキテクチャで構築されてきました。AIエージェントの導入実験では、人間によるボトルネックやシステム間の連携不良を自動化・オーケストレーションすることで、処理時間を劇的に短縮できることが判明しました。ただし、AI活用には「自律性」「説明性」「連携性」の三角形(AIトライアングル)というトレードオフがあり、いずれか二つを最適化すると一つは犠牲になります。成功にはデータ品質やガバナンス、組織変革、運用費用への継続的な投資が不可欠です。まずは小規模で始め、基盤整備・ガードレール設計・効果測定を行いながら段階的に拡張するアプローチが重要となります。本質は、単なる技術導入ではなく、顧客体験を根本から変えるための組織的な変革にあるのです。
エンジニア
アウトプットは大事
このページ「これからアウトプットする人たちへ - アウトプットを支える技術」は、曽根壮大さんによるLT(ライトニングトーク)向けの登壇資料です。内容は、アウトプット(情報発信や成果共有)を始める・続けるためのエッセンスを伝えています。
主なポイントは以下の通りです:
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最初に大事なことを伝える(LT形式/5分で伝える)
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アウトプットの一歩目の踏み出し方と、継続の難しさ
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アウトプットを支える技術として以下の2本柱を強調
- 「自分しかできないアウトプット」
- 自分自身の経験、失敗やその乗り越え方、参考ドキュメントなど、新規性がなくてもOK。
- 正確な情報や再現性を意識したアウトプットが大切。
- 続けていくと、やがてそのアウトプットが自分を助ける日がくる。
- 「才能」よりも「続ける意志」が重要である、と実体験をもとに紹介。
- 「量が質に転化する」
- たくさん手を動かすことで質も向上していく。
- 正しい努力のコツは“守破離”というプロセス(模倣→型破り→自分流)。
- 完璧な模倣から始め、徐々に省略や自分流に。その過程で再現性が身につく。
- 特別な結果は日常の積み重ねの延長線上にある、というイチローの名言も引用。
- 「自分しかできないアウトプット」
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最後は「アウトプットを継続することで、新しい景色が見えてくる」「大事なのは“できる”という経験」など行動の重要性を強調し、「手を動かした人だけが世界を変える」というメッセージで締めくくっています。
アウトプットに迷う人や継続したい人への実践的アドバイスとエールに満ちた内容です。
プロジェクト管理
この記事は、AI時代の到来に伴い、ソフトウェアエンジニアの役割が「作業者」から「エンジニアリングマネージャー」へと変わりつつある現状に着目し、PIVOT社の開発チームがスクラムからカンバンへのプロセス移行を模索した経緯をまとめています。従来のスクラム運用ではスプリントによる計画や進捗管理が重視されていましたが、AIエージェントが登場し、エンジニアがAIと協働して複数の作業を柔軟に進められるようになったことで、スプリント固定やチケット整理といった従来の手法が開発スピードの足かせになる場面が増えました。そのため、同チームではスプリント・見積もり・ベロシティ計測をやめ、「できるものから柔軟に進める」カンバン的な運用にシフト。主要な方向性や振り返りのみを週次で保ちつつ、詳細計画を最小限にしています。各メンバーがビジネス理解を持ち、状況に即した意思決定を重視するなど、自律性あるチーム運営が背景にあります。手段にとらわれず、自分たちに合った手法を追求する重要性が強調されています。
クラウド
Azure
2025年11月10日時点で公開されたMicrosoft Azure関連の技術情報をまとめた記事です。公式ブログやAzure Blogからの新着発表はありませんが、Tech Communityより複数の注目情報を紹介。主な内容は「Azure Key VaultのローカルID機能のプレビュー開始」「高性能AIネットワークを実現するeBPF Host Routing」「レイヤー7ネットワークポリシーのAKSでのGA」「AKSコンテナネットワークメトリクスのフィルタリング」「VNet Flow Logへの移行推奨」「Daprによるマイクロサービス信頼性強化」「VXLANによるL2ネットワーク拡張方法」といったトピックが取り上げられています。
ハードウェア
PC
高性能ArmプロセッサCP8180を搭載したMINISFORUM MS-R1は、最大64GB ECC対応メモリ、10GbE×2、PCIe 4.0 x8拡張など豊富な拡張性を持つミニPCです。OSはDebian 12をプリインストールし、仮想環境構築やDockerによるAndroid仮想化など先進的な用途に対応。x86ミニPCと同等スペックですが、OSやドライバ対応が限定的で、使いこなしにはLinuxやArm環境への深い知識が必要。PC探求心の強いマニアや開発者向けの実験機と言える一台です。
その他
この記事は、SNSや現代社会における「冷笑主義」と、それに陥りやすい私たちの心の動きについて深く掘り下げたエッセイです。
筆者は、SNSなどで熱意を持つ人々を傍観者的な立場から観察し、次第に冷笑者としてのアイデンティティを強めていきます。冷笑は優越感や楽さといった快楽をもたらしますが、実際には何も生み出さず行動や成長を止めてしまう中毒性のあるものだということに気づきます。
一方で、冷笑と批判・批評は全く異なるものであると強調しています。良い批判は相手の動機を尊重し、具体的な問題点や代替案を提示する建設的なものです。批評は対象の価値や背景を深く理解しようとする姿勢を持ちます。冷笑は曖昧に相手の動機を貶め、代替案も持たず、破壊的でしかありません。
また、高い解像度(具体性・多面的な視点)で物事を見分け、冷笑と批判・批評の違いを見失わないことの重要性が語られます。加えて、批判的視点や冷笑的態度がときにSNSと現実世界で混同され、無意識に人を傷つけたり、すべての批判を「冷笑主義」とレッテル貼りして議論や行動を止めてしまう危険性も指摘。
視野を広げることで複雑な現実や矛盾に絶望し、冷笑へ落ちやすい一方、行動にはある種の「確信」や「集中」も必要だと筆者は述べます。学びの時は視野を広げ、行動の時は絞り、振り返りでまた広げる。その切り替えが重要であり、評論家として傍観するだけでなく、創造者・行動者であることの意義も説かれます。
最後に、冷笑の甘い罠に落ちることなく、高解像度で物事を見極め、批評の力を活かしつつ、一歩前へ踏み出す勇気の大切さを呼びかけています。
業界動向
もうGPUを作っても意味が無い気がするし、NVIDIAの強さはチップというより、もはやCUDAにあるので、CUDAに対抗できるソフトウェアプラットフォームが必要なのだが、そこら辺理解しているのか疑問。