本日も、ネットに流れるトピックから個人的に興味を引かれたものを拾っていきます。
大きな地震がありましたが、皆様ご無事でしょうか。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
この記事への感想等コメントで頂けるとありがたいです。
プログラミング
Go言語
GoLand 2025.3は、コード品質と開発体験を強化する多数の改善を含むメジャーアップデートです。
オンザフライなリソースリーク検出、Terraformプラグインの同梱とKubernetes周りの操作性向上により、インフラとGoコードを一体的に扱いやすくしています。
AIまわりでは、Junieに加えてClaude AgentがIDE内に統合され、チャットでエージェントを切り替えながら支援を受けられるマルチエージェント環境が提供されます。
さらに今後はOpenAIやAnthropicなど自分のAPIキーを持ち込めるBYOK対応や、IDE内でAIクレジット残量や更新日を確認できるクォータ可視化も予定されています。
開発体験面では、単一ファイルをプロジェクト不要で素早く開けるようになり、golangci-lint v2のgolangci-lint fmt対応とデフォルト有効化により、フォーマットとLintを一元管理できます。
UIは新デフォルトテーマ「Islands」に刷新され、タブの視認性やコントラストが改善されました。
パフォーマンス面では、大規模プロジェクトを想定したインデックス処理の改善や低メモリ警告の削減などにより、長時間・大規模開発時の安定性とレスポンスが向上しています。
その他として、不要なelseを検出するインスペクションやgo.mod内ディレクティブブロックの折りたたみなど、小さな生産性向上も多数含まれています。
Python
PyCharm 2025.3では、無償ユーザーを含む「統合PyCharm」への移行が完了し、Communityユーザーも単一製品でJupyterノートブック機能などを利用できるようになります。
さらに、リモート開発環境でのJupyterノートブック完全対応、uvの新規プロジェクトでのデフォルト環境マネージャ化、pandas DataFrameを自動解析して品質問題を検出しAIで修正コードを提案するデータ探索機能などが追加されています。
RuffやPyright等のLSPツール対応拡充に加え、JetBrains製JunieとClaude Agentを同一チャットから使えるマルチエージェントAI体験、今後提供予定のBYOK対応、IDE内でのAIクレジット残量表示などAI関連機能も強化されています。
UI面では新テーマ「Islands」のデフォルト化や新しい非モーダルWelcome画面が導入され、全体で300件超のバグ修正とあわせてWeb・データ・AI/ML開発向けのPython IDEとしての完成度が高められています。
JetBrains
.NET
.NET 10では、HTTPやWebSocketなどネットワークAPIの性能と開発体験が強化され、新HTTPメソッドQUERYの追加やWinHttpHandlerの証明書検証キャッシュにより効率的な通信が可能になっています。 また、WebSocketStreamによるストリームベースのWebSocket処理、macOSクライアント向けTLS 1.3サポート、SSEフォーマッタやIPAddressの新API、Uri長制限撤廃やYAML用メディアタイプ追加など、多数のネットワーク周辺機能が拡張されています。
GitHub
GitHubの「Successor」は、リポジトリ所有者の死後に所有権を移転する後継者をあらかじめ指定できる仕組みであり、著者はRustのOSS「RustOwl」のSuccessorに指名された立場から、この制度の現実的な運用課題を論じている。 移転には死亡証明書や身分証の提出などが必要で、親族だけではGitHub理解や冗長性に問題があり、同僚だけでは死亡証明書取得が難しいため、親族と連絡が取りやすくOSSにも理解のある「近しい友人エンジニア」が最適なSuccessor候補になると結論づける。
感想:
そろそろこの辺の話題は結構深刻な話になっていくのではないか。
MS Access
この記事は、レガシーな Microsoft Access(フォーム+VBA)アプリを、GitHub Copilot と VS Code を活用しつつ、SQL Server・Node.js・OpenAPI・MongoDB ベースの N 層アーキテクチャへ約 2 週間で段階的にモダナイズした実例を解説している。[file:page:1] 具体的には、SSMA と Liquibase によるデータベース移行、自動生成された OpenAPI+Node.js リポジトリ層、VBA ビジネスロジックの Node.js 変換とテスト生成、Access フォーム画面のスクリーンショットからの UI コード生成、さらに MongoDB へのスキーマ設計支援や ERD 生成など、Copilot のプロンプト例を交えながら、自動化とベストプラクティスで工数とリスクを大幅に削減する方法を示している。
プロジェクト管理
本稿は、ソフトウェア開発のロードマップを効率的に作成・運用するための手段と、よくある失敗要因への対策を整理している。エクセルやパワーポイントは導入コストが低く自由度が高い一方、情報共有や更新の手間が課題となるのに対し、マイルストーンや依存関係管理機能を備えた専用のプロジェクト管理ツールは、リアルタイムな共有と進捗把握に優れ、高い費用対効果が期待できると説明する。 また、ツール選定では機能、操作性、価格、サポート体制を目的と予算に照らして検討する重要性を示し、失敗原因として「PMだけで作る」「更新・見直し不足」「情報過多で分かりにくい」といった点を挙げ、関係者全員を巻き込んだ継続的な見直しと専用ツール活用を推奨する。 最後に、ガントチャートやDevSecOpsアプローチ、AI活用型プラットフォームを組み合わせることで、プロジェクト管理とロードマップ作成を一体的に改善し、高品質な開発を実現できるとまとめている。
ツール
diffnavは、Gitの差分をGitHub風のファイルツリー付きで閲覧できるTUIベースのgit diff pagerで、内部的にdeltaとBubble Teaを利用している早期開発中のツールです。
HomebrewまたはGoでインストールでき、git diff | diffnavやグローバルpager設定で利用し、キーバインドによりファイル移動やスクロール、ファイルツリー表示切替などが行えます。
Aspire 13は、Pythonを.NETやJavaScriptと並ぶ第一級言語としてサポートし、スクリプト、モジュール、実行ファイル、FastAPIなどのASGIアプリを統一的にホストできるようにしたクラウドネイティブ向けプラットフォームです。
仮想環境とuv/pipによるパッケージ管理、VS Codeからのブレークポイントデバッグ、サービスディスカバリやDB接続情報の自動連携、Dockerfile自動生成などを備え、aspire-py-starterテンプレートでフルスタックなPythonアプリをすぐに試せます。
AI
Microsoft
この記事は、Azure AI Search のコンテキストプロバイダーを通じて、Foundry IQ のナレッジベースを Microsoft Agent Framework のエージェントに統合し、約20行の Python でエンタープライズ向けの高度なRAG(Retrieval-Augmented Generation)を構築する方法を紹介している。 Foundry IQ によるエージェント指向の多段検索(クエリ分解・マルチホップ推論・回答合成)と、高速なセマンティック検索モードの2つの取得モードを比較しつつ、既存の Azure AI Search インデックスからナレッジベースを自動生成して、エージェントが企業内データへ安全かつ一貫した手法でアクセスできる仕組みを解説している。
AWS
このブログは、re:Invent 2025 で発表された生成AI関連アップデートを日本語で一挙に紹介する特別号で、Quick SuiteやS3 Vectors、OpenSearch、Bedrock Knowledge Basesなどの新機能に加え、KiroやAWS Transform、MCP Server、AI Factories、Amazon Nova 2シリーズ、Bedrockの新モデル・強化学習型ファインチューニング、Frontier Agent群(Security/DevOps Agent)など、多数の新サービス・機能をコンパクトに整理してリンク付きで案内しているダイジェストです。
JetBrains
JetBrainsは、これまで別UIだったコーディングエージェント「Junie」とJetBrains AIチャットを統合し、AIチャット内からJunieを選んで利用できるベータ版の統一インターフェースを提供開始した。 既存のJunieプラグインは当面併存しつつ設定移行を進め、今後はJunie機能を順次AIチャット側へ取り込みながらUXを磨いていくとしており、ユーザーにはフィードバックや機能要望の提出が呼びかけられている。
論文・その他
この記事は、AIの未来を「経済的特異点」と「普通のテクノロジー」という二つのシナリオで対比し、どちらに転ぶかを見極めるための視点と戦略を提示している。 前者ではAGI級の能力が今十年で急速に普及し、仕事・資本・国家間競争が文明レベルで変容すると想定し、後者では電気やインターネット同様に導入コストや組織抵抗、規制などで普及が数十年スパンになるとする。 著者らはOpenAI・Anthropic・Googleや中国勢DeepSeekの動き、市場バブル性、電力制約、ロボティクス進展など「ニュース・フロム・ザ・フューチャー」を継続的に観察し、どのシナリオに近づいているかを更新せよと主張する。 その上で、どちらの未来でも有効な「ロバスト戦略」として、補助金前提でない採算性のあるAI活用、計算資源とエネルギー効率の追求、基盤モデルに依存しすぎないアーキテクチャ分散、セキュリティと人間の関与の徹底、そして雇用破壊ではなく価値創造に焦点を当てたAI導入を挙げ、「未来は予測するものではなく自ら設計するものだ」と結んでいる。
本記事は、LLMを用いてWebサイトのソースコードからユーザビリティ(UX)問題を自動検出する手法と、その評価結果の一貫性を検証した研究の解説である。 Nielsenの10ヒューリスティクスを評価基準とし、GPT-4oに対してプロンプト設計・JSON形式の厳密な出力指定・ファイル構成の前提知識を組み込んだカスタムモデルを構築し、30のオープンソースWebサイトを対象に各サイト3回ずつ、計90回の評価を実施している。 その結果、問題の「有無」については約84%の一致率と中程度の一貫性(Cohen’s Kappa約0.5)が得られた一方、問題の「重大度」は一致率56%程度と揺らぎが大きく、人間専門家による確認が依然必要と結論づけている。 研究は、LLMによる評価は専門家の代替ではなく、特に開発初期や小規模チームにおける予備的なUXチェックツールとして有望だが、「一貫性」と「正確性」は別物であり、指摘内容を出発点に人間が妥当性を判断すべきだと指摘している。
FindyのGenAI Enablementチームが、社内の生成AIリテラシー向上と事業貢献を両輪に、Bot活用や新プロダクト「Findy Insights」の立ち上げを通じてデータ活用の意識変革と成果を生んだ1年を振り返る記事です。 リソース不足やデータ整備などの課題も抱えつつ、データサイエンティスト依存を減らす体制づくりと来期への改善方針が述べられています。
本記事は、LLMにそのままExcel/CSVを渡しても精度良くデータ抽出できず、コンテキストエンジニアリングが重要だと解説している。 具体的には、空セルにプレースホルダを入れる、タスクを細かく分割する、中間のコンテキスト情報をJSONで保持する、チャンク分割でトークン制限を回避する、プロンプトを構造化するといった実践的Tipsを紹介し、検証と改善のサイクルで安定した抽出機能を実現した事例を述べている。
クラウド
Azure
この記事は、Anthropic公式MCP SDKで作った既存のNode.js MCPサーバーを、最小限の変更でAzure Functions上にサーバーレス展開する方法を解説している。
主なポイントは、host.jsonでカスタムハンドラーを設定し、FUNCTIONS_CUSTOMHANDLER_PORT環境変数でポートを合わせ、全HTTPリクエストを転送するhandler/function.jsonを追加するという3ステップである。 また、GitHub Copilot用プロンプトやサンプルリポジトリ、AZDを用いたIaCデプロイ方法、HTTP Streaming前提などの制約と料金モデルも紹介している。
2025/12/08 時点で公開された Microsoft 関連情報のうち、Azure 公式ブログや更新情報には特記事項はなく、Microsoft Tech Community から Windows on Arm の Prism 更新、Azure SQL Managed Instance のクラウドネイティブ ID 対応プレビュー、Azure Databricks のエンドツーエンドの可観測性、Azure 可用性セット上に Windows Server IIS ワークロード用 VM を展開する手順記事などがピックアップされています。
AWS
re:Invent 2025 期間中の主な更新として、Clean Rooms の合成データ生成や EMR Serverless のストレージ最適化、Amazon Connect の MCP 対応とNova Sonic連携、Lambda Durable Functions と Managed Instances、新しいTrn3/P6e/X8aedz/M4 Max MacなどのEC2、Database Savings PlansやRDS強化、AI Factories、AWS DevOps AgentやCloudWatchの新機能、Supportプラン刷新などをカテゴリ別に紹介したまとめ記事です。
AWS re:Invent 2025 特別号 part 3 は、Transform によるアプリケーション/Windows/メインフレーム/VMware モダナイゼーション、マルチクラウド接続の AWS Interconnect、Route 53 Global Resolver をはじめ、AWS Marketplace のマルチプロダクトソリューションや Partner Central 統合、新設の Agentic AI コンピテンシー、AWS Security Agent や新 Security Hub・GuardDuty 拡張などのセキュリティ強化、さらに FSx for ONTAP の S3 連携、S3 Tables・Storage Lens の機能強化、S3 Vectors の GA と S3 最大オブジェクトサイズ 50TB への拡張といったストレージ関連アップデートをまとめて紹介する記事です。
エンジニア
スクラム
著者はスクラムマスターやエンジニアマネージャとしての1on1・ファシリテーションスキルを、AIを活用して効率的に高める方法を紹介している。
ICFのPCCマーカーや独自のコミュニケーショントレーニング資料、スクラムガイドなどをAIに読み込ませ、1on1やふりかえりの文字起こしログを評価させることで、ファシリテーション・コーチング・スクラムマスターとしての振る舞いを定量・定性両面でフィードバックさせる手法が解説されている。
AIとお仕事
生成AI時代の学習では、従来のボトムアップだけでなく、AIを活用したトップダウン的な学び方が重要であり、設計力や言語化など新たな技能を身につけやすくなっていると論じている。 GitHub CopilotやKiroのようなツールを利用制限のあるプランで使い、AIにすべて任せず枠組みだけ生成させて中身を自分で実装することで、効率よく経験を積めると学生に勧めている。
OS
macOS
macOS 15以降向けに、Windowsと同じ感覚でショートカットを使える無料ユーティリティ「cmd+x」がリリースされた記事です。
FinderでCmd+X→Cmd+Vによるファイル移動と、Ctrl+Opt+Delでアクティビティモニタ起動を実現し、システム設定の「プライバシーとセキュリティ>アクセシビリティ」で許可を与えるだけで利用できます。 macOS標準のOptionキー併用による「項目を移動」や、有料化された類似アプリ「Command X」にも触れています。