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HTMLテンプレートを扱う、"Twig Bundle"

Last updated at Posted at 2022-12-08

Symfony Component Advent Calendar 2022の9日目の記事です。

最初に

SymfonyはPHPのフレームワークのひとつです。しかし、公式サイトの説明文には

Symfony is a set of PHP Components, a Web Application framework, a Philosophy, and a Community — all working together in harmony.
(SymfonyはPHPコンポーネントのセットで、Webアプリケーションフレームワークで、哲学、そしてコミュニティです。それらがハーモニーを奏でながら動作しています。)

と書かれている通り、PHPコンポーネントのセットで、たくさんのコンポーネントを提供しており、それらを組み合わせてひとつのフレームワークとして動作しています。Symfonyのコンポーネントは、Symfony上だけで動作するのではなく、他のPHPフレームワークやアプリケーションでも動作している強力なものが揃っています。

今回はそれらの中から、役立ちそうなもの・お薦めしたいものを紹介していきたいと思います。

※記事内ではautoloadのインポートは省略します。

HTMLテンプレートを扱う、"Twig Bundle"

Twig Bundleは、SymfonyでHTMLのテンプレートであるTwigを扱えるようにするコンポーネントです。

インストール

composer require symfony/twig-bundle

Twigの基本

Twigの基本的な使い方は{{ ... }}, {% ... %}という文法を使ってアプリケーションから渡された値を出力したり、制御したりして使います。

ItemController.php
public function index(ItemRepository $itemRepository): Response
{
    $items = $itemRepository->findAll();
    
    return $this->render('index.html.twig', [
        'name' => 'すみだ',
        'items' => $items,
    ]);
}
index.html.twig

<div>
こんにちは、{{ name }}さん。
</div>

<ul>
{% for item in items %}
<li>{{ item.name }} {{ item.price|number_format }}</li>
{% endfor %}
</ul>

{{ ... }}で、アプリケーション(上記の例ではController)から渡されたキーに紐づく値やTwig関数の実行結果を出力します。Twig側は$が必要ありません。
{% ... %}で、Twig上で使えるTwigタグを実行します。上記の例では繰り返し処理を行う{% for %}, {% endfor %}を使って、商品リストを出力しています。
また、出力時に|移行にTwigフィルターを使って値を加工することもできます。

詳しくはこちら

Twigの特徴

Twigは他のフレームワークで利用しているテンプレートエンジンと同じく、HTMLのテンプレートを使って、HTMLを出力することができますが、他のものとはちょっと違う特徴があります。そのうちの一つで、個人的にとても気に入ってるのがテンプレート内でPHPプログラムが動かせないという点です。

例えばLaravelのBladeだと、

index.blade.php
@php

$now = Carbon::now()->format('Y-m-d H:i:s');

@endphp

<span>{{ $now }}</span>

と、テンプレート内でPHPを実行することができます。ところが、Twigにはこのような記述をすることができません。公式ドキュメントにも冒頭で、

You can't run PHP code inside Twig templates,

と記述してあります。

独自フィルター・関数を作る、"TwigExtension"

Twigには豊富なフィルターや関数がすでに用意されていますが、アプリケーション独自のフィルター・関数を作りたい時があります。そんな時はTwigExtensionを作成することで、解決します。

src/Twig/AppExtension.php

namespace App\Twig;

use Twig\Extension\AbstractExtension;
use Twig\TwigFilter;
use Twig\TwigFunction;

class AppExtension extends AbstractExtension
{
    public function __construct(private readonly float $taxRate)
    {
    }

    public function getFilters()
    {
        return [
            new TwigFilter('withTax', [$this, 'formatPrice']),
        ];
    }
    
    public function getFunctions()
    {
        return new TwigFunction('tax', [$this, 'getTax']);
    }

    public function formatPrice(int $price): string
    {
        $priceWithTax = floor($price + ($price * $this->taxRate));

        return number_format($priceWithTax);
    }
    
    public function getTax(int $price): int
    {
        return $price * $this->taxRate;
    }
}

AbstractExtensionの子クラスを作り、getFilters()new TwigFilter('フィルター名', [$this, '実行するメソッド名'])を指定することでフィルターを追加、'getFunctions()'にnew TwigFunction('関数名', [$this, '実行するメソッド名'])を指定することで関数を追加できます。上記の例は消費税を含めた金額に変換するフィルターと、消費税額を返す関数を用意しました。
ここでも当然DIできるので、消費税率はDIしています。

使い方は、通常のTwigフィルター・関数と同様です。

index.html.twig

<div>
こんにちは、{{ name }}さん。
</div>

<ul>
{% for item in items %}
<li>{{ item.name }} {{ item.price|withTax }}円 (うち消費税{{ tax(item.price)|number_format }}円)</li>
{% endfor %}
</ul>

まとめ

今回はTwig Bundleを紹介しました。TwigはViewの出力に専念できるので、とても好きなテンプレートエンジンです。
これもとてもおすすめなので、ぜひ使っていただけたらです。

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