3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Mリーグで「南家スタートの座席」の勝率が異様に低い理由を、自分の仮説とChatGPTの見解で整理してみた

Last updated at Posted at 2025-12-21

※この記事は麻雀の話がメインです。
Mリーグや麻雀をまったく知らない方には少し分かりづらい内容かもしれません。先にお詫びします。

はじめに

ここ最近、「ちょっと考えると難しいけど、なぜか気になる問題」をAI( ChatGPT / Gemini など)に投げて整理してもらうということにハマっています。

  • 感覚的には違和感がある
  • でも言葉でうまく説明できない

こういうテーマをAIと一緒に分解していくのが面白く、今回はその題材として「Mリーグの座席スタートと勝率」を取り上げました。

Mリーグとは?

Mリーグは、プロの麻雀選手がチーム戦(10チーム)で戦うリーグ戦です。
ドラフト制度とかもあるので、プロ野球の麻雀版というのが近いかもしれません。

参考: M.LEAGUE(Mリーグ)公式サイト

気になっていたデータ

Mリーグの成績データを眺めていて、ずっと引っかかっていたことがあります。

それは

「南家スタートの座席に入った選手の勝率が、明らかに低い」

という傾向です。

これは「南家という席が弱い」という話ではなく、対局開始時に南家に座っていた選手 のトータル成績が沈んでいるという意味です。

補足

公開されている集計データを参考にすると、おおよそ以下のような傾向があります。

スタート席 勝率傾向(長期の傾向)
東家スタート 明らかに高め
南家スタート 明らかに低い
西家スタート やや低い
北家スタート やや高い

Mリーグ開始時の場決めの方法は掴み取りを採用していたみたいですが、2020‐2021シーズン以降は特定のチームや選手が不利にならないようにスタート席はシーズンを通して均等に割り振られているみたいです。なので2020‐2021シーズン以降を参考にデータを表現しています。

▼各席ごとの勝率データ
各席ごとの勝率データ
出典: Mリーグのデータ分析してみた②|yone

※正確な数値はシーズン・集計方法によって変動しますが、「南家スタートだけ勝率が沈む」という傾向は比較的はっきり観測されます。

前提ルール

Mリーグには、特徴的なルールがあります。

上がりやめなし

親が和了しても対局は終わらず、連荘が継続します。
オーラスでも同様。

箱下あり

持ち点が0点未満になっても、マイナスのまま対局が続行されます。

つまり

  • 原則としてオーラスまで必ず進行する
  • 北家には必ず親番が回ってくる
  • 一度の大きな放銃がそのまま致命傷になる

こうしたルールが、席スタートごとの勝率にも影響を与えています。

私の見解

まず北家スタートは比較的有利だと感じています。それは

箱下ありにより、オーラスで必ず親番になるため、

  • アガリによる逆転
  • 連荘による加点

といった「最後に仕掛けられる側の席」だからです。

ただ「なぜ南家スタートだけここまで沈むのか?」については、自分の中ではうまく説明できませんでした。

ChatGPTに聞いてみた(AIの見解)

ここからは、ChatGPTに同じ疑問を投げて返ってきた内容を整理したものです。

見解1: 最も踏み込みづらい席だから

南家スタートは、

  • 開局親(東家)の直後
  • 攻めるなら放銃リスクが最も高い
  • かといって安全に構えすぎると点棒が伸びない

という「どっちつかず」の難しさを常に抱える座席です。

見解2: 箱下ありルールとの相性が非常に悪い

箱下ありの場合:

  • 放銃1回の価値が非常に重い
  • 防御が遅れると一気にマイナス圏へ落ちる
  • 追いかける局面では無理な押しが増える

南家スタートは構造的に受け身スタート → 点が伸びない → 焦って攻める → 致命傷

というルートに入りやすい、という整理でした。

見解3: 他席との「役割設計の非対称性」

ChatGPTによる役割整理は以下のイメージです。

スタート席 立場的な役割
東家スタート 流れを作りやすい
南家スタート 流れを受け止めやすい
西家スタート 状況適応枠
北家スタート 最後に仕掛けられる席

南家だけが、「最初から防御寄りの役割を背負わされている席」という整理が印象的でした。

この知見をどう活かすか?

ここからが実戦に活かす視点です。

▼南家スタートのとき

  • 序盤の無理押しを徹底的に減らす
  • 親の高打点気配には一段早く降りる
  • 「トップ狙い」より「ラス回避」を優先する

箱下あり前提では、生き残る=勝ち筋を残すという考え方が重要になりそう。

▼東家スタートのとき

  • 南家スタートの選手に主導権を握らせない
  • 早めリーチでプレッシャーをかける
  • 点棒に余裕があるうちに押し込む

▼スタート席別の現実的な狙い

スタート席 基本戦略イメージ
東家スタート 主導権を取りに行く
南家スタート リスク管理最優先
西家スタート バランス型
北家スタート 逆転用ポジション

まとめ

今回の記事では、「南家スタートの座席の勝率が低い」というMリーグのデータをきっかけに、ChatGPTと一緒に考察してみました。

単なる運ではなく、

  • 開局親(東家)の直後という配置
  • 箱下あり+アガリやめなしというルール
  • 攻めづらく、守りを強いられやすい構造

こうした条件が重なって、南家スタートは不利になりやすいと感じました。

終わりに

ちょっと考えるのが難しいテーマでも、AIと一緒に整理してみると、自分の中の違和感がうまく言語化できることがあります。今回のテーマも、その過程自体がいちばん面白い体験でした。

これからMリーグを見るときは、「誰が強いか」だけではなく、誰がどの席からスタートしているかにも注目してみたいと思っています。特に南家スタートの選手が、どこで踏みとどまったのか、どんな我慢を選んだのか。そういった細かい選択に目を向けることで、これまでとは少し違った形で試合を楽しめそうな気がしています。

麻雀って、本当に奥が深いなと改めて思います。

おまけ

今回の記事ではなるべく直感的に南家スタートの違和感を説明しましたが、
せっかくなので ゲーム構造として南家が不利になりやすい理由 をより分析のプロっぽく回答してくれとAIに頼んだ結果も張っておきます。

※こちらは人の手を加えず修正せずにありのままを張っています。

急に難しくなりすぎたので、「なるほど、こういう視点もあるんだな」くらいで眺めていただければ幸いです。

私自身、AIが導き出した数式を「100%正しい」と証明できるほどの数学力はないため、あくまで 「それっぽい考察」 として、エンターテインメント感覚で楽しんでいただければ幸いです。

ゲーム構造として南家が不利になりやすい理由

構造的要因をざっくりモデル化してみる

ここからは、完全情報ゲームや期待値計算のノリで、南家スタートが不利になりやすい「構造」をかなり単純化してモデル化してみます。

前提となる簡略モデル

極端に単純化して、次のようなモデルを置きます。

  • 全員の実力は同じ

  • 1局ごとに「期待得点」が座席によって少しだけ変わる

  • その差は、主に次の2つから生じると仮定する

    • 親番の価値(点棒を伸ばせる/逆転できるレバレッジ)
    • 大きな放銃をしたときの「ダメージの重さ」

ここで、残り局数が (t) のときに

  • 親番を持っている価値を (V_d(t))
  • 大きな放銃をしてしまったときの「その後の不利さ」を (C(t))

とおきます。ざっくりした性質としては、次のようなイメージです。

  • (V_d(t)):

    • まだ局数がたくさん残っているときは「リードを築く力」が大きい
    • 終盤になるほど「逆転できる最後のチャンス」としての価値が高まる
  • (C(t)):

    • 箱下ありなので、「早い局での致命的大打撃」はその後ずっと効いてくる
    • 終盤の放銃は、それ自体でラスが確定するような局面でなければ、意外とダメージが限定的な場合もある

このとき、あるスタート席 (s)(東・南・西・北)の「構造的な有利さ」を

[
L_s = \sum_{t} p_s(t),\bigl( V_d(t) - \lambda C(t) \bigr)
]

のような指標で定義してみます。

  • (p_s(t)):スタート席 (s) のプレイヤーが「残り局数 (t) の局面で、重要な選択を迫られる頻度」
  • (\lambda):放銃ダメージの重み(箱下ありルールで大きくなる)

もちろん、これは定量的な推定ではなく「どういう形で不利が蓄積しうるか」を説明するためのラフな枠組みです。

この (L_s) を席ごとに比較していくと、南家スタート特有の不利がどこから出てきているかが整理しやすくなります。


南家スタートの「踏み込みづらさ」を構造的に見る

まず、東1局〜東場における南家の立場を整理します。

  • 東家スタートは、東1の親番で (V_d(t)) が最大級の局面からスタートできる
    → うまくいけば早期にリードを作り、その後は守備寄りにシフトできる
  • 南家スタートは、その東家の直後に座っている非親番 です
    → 東家がリーチ・仕掛けで高打点を取りに来る局面で、
    「押すと (C(t)) が激増するが、引きすぎると点棒が伸びない」という選択を何度も迫られます

構造的には、

  • 「大きくリードを作れる親番」は早い段階で東家に集中しやすい
  • 南家はその背後で 高リスク局面の被弾確率だけが上がりやすい

という歪みが生まれます。

これをさきほどの記号でいうと、

  • 東家スタート:

    • 早期に大きな (V_d(t)) を獲得しやすい
    • その後は「リードを守る側」として、(C(t)) を抑える打ち方を選びやすい
  • 南家スタート:

    • 東家の高い (V_d(t)) が発動している局面で、「押すか・降りるか」の二択で (C(t)) の大きさに晒されやすい
    • 自分の最初の親番のときには、すでに点棒状況がある程度開いており、「リスクを取らないといけない場面」が増えやすい

という形で、(V_d(t)) の恩恵よりも (C(t)) の負担が目立ちやすい座席になっている、と整理できます。


箱下あり + オーラス構造と「最後の一撃」の価値

次に、箱下あり・アガリやめなしルールでの「最後の親番」の価値を考えます。

Mリーグのルールでは、

  • 原則として南4局まで進行する
  • 箱下でもゲームは継続する
  • 北家には必ずオーラスで親番が回ってくる

このとき、残り局数がほとんどない局面(特に南4)は、

  • それまでの点棒状況がほぼ確定している
  • 他家は「順位を守る/ラス回避をする」ために押し引きを歪めざるを得ない

という意味で、(V_d(t)) が非常に大きくなりやすい局面です。

北家スタートのプレイヤーは、

  • 「この超高レバレッジな親番が、構造的に自分に保証されている」

という強いメリットを持ちます。
一方で、南家スタートにはこの「最後の一撃」が構造的に与えられていません。

簡単に書くと、最後の局面付近の (V_d(t)) を (V_{\text{final}}) として

  • 北家スタートの (L_N) には (V_{\text{final}}) が必ず含まれる
  • 南家スタートの (L_S) には (V_{\text{final}}) が入ってこない

という形の差が入り込んできます。

さらに、オーラスの南家は

  • 親番北家の大きな加点・連荘を警戒しつつ
  • 自分は非親番として「ラス回避/着順維持」のために踏み込まざるを得ない局面

に置かれがちです。
これは

  • 自分だけ (C(t)) を大きくしながら
  • 親にだけ (V_d(t)) を押し付けられる

という構造になっており、期待値的にはかなり割の悪いポジションになります。


スタート席ごとの「構造的期待値」のラフな順位

ここまでの議論を、かなり乱暴に記号でまとめると、スタート席 (s) の構造的期待値を

[
L_s \approx
\underbrace{\alpha \cdot \text{(リードを作れる親番の質)}}_{\text{攻めのレバレッジ}}

\underbrace{\beta \cdot \text{(高リスク局面での被弾確率)}}{\text{放銃リスクの蓄積}}
+
\underbrace{\gamma \cdot \text{(最後に逆転できる親番の有無)}}
{\text{最後の一撃}}
]

のような形に分解して考えることができます((\alpha,\beta,\gamma > 0))。

Mリーグのルールと、座席ごとの役割を踏まえると、直感的な順位は次のようになります。

  • 東家スタート:

    • 東1の親番という最大級の (V_d(t)) を持つ
    • 早期にリードを作れば、その後はリスクを抑える選択がしやすい
      → 「攻めのレバレッジ」が非常に高い
  • 北家スタート:

    • オーラスの親番が保証されている
    • 終盤までに状況を見ながら逆転プランを組み立てやすい
      → 「最後の一撃」の価値が極めて高い
  • 西家スタート:

    • 東家・南家ほどの「受け身の負担」は背負わされていない
    • 中盤以降の状況に合わせてバランスよく立ち回れる
  • 南家スタート:

    • 東家の背後で高リスク局面を多く踏まされやすい
    • 自分の親番の位置は「リードを守る側」としても「最後に逆転する側」としても中途半端
    • オーラスの超高レバレッジな親番が構造的に回ってこない

このため、パラメータの細かい値に依存しない、かなりロバストな比較として

[
L_E \gtrsim L_N \gtrsim L_W \gtrsim L_S
]

という**「南家スタートだけが一段落ちる」という序列**が自然に出てきます。

ここで重要なのは、

  • 個々の対局でのヒキや押し引きの巧拙とは別に
  • ルールと座席の組み合わせだけで、南家スタートに「押さざるを得ないのにリターンが薄い局面」が集まりやすい

という構造的な歪みが存在しうる、という点です。


データとモデルの関係づけ

実際の Mリーグのデータでは、

  • 東家/北家スタートの勝率が高め
  • 西家スタートはほぼ平均
  • 南家スタートだけ明確に沈む

という傾向が観測されています。

上で見たような

  • 早期の親番による「リード形成能力」
  • 箱下あり+オーラス構造による「最後の一撃の価値」
  • 東家の直後に座るがゆえの「高リスク局面での被弾確率」

といった要素を組み合わせると、このデータパターンは、単なる偶然ではなくルールと座席配置から自然に生じうる、という説明が可能になります。

もちろん、厳密に検証するには

  • 選手ごとの実力差(固定効果)
  • チーム戦特有の打ち方(ポイント状況による戦略の歪み)
  • シーズンごとのルール微調整

などを統計モデルに入れて推定する必要がありますが、少なくとも

「南家スタートだけが構造的に割を食いやすい」

という方向性は、ゲーム理論的な観点からもかなり筋の良い仮説だといえそうです。

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?