副業で個人開発を始めてから3年が経った。
この3年間、毎月IQテストを受け続けた。
「開発を続けることで頭が良くなるはずだ」という仮説を持っていた。
結果は、その仮説を完全には支持しなかった。
なぜIQを測り続けたのか
個人開発をしながらIQを定期計測しようと思ったのは、あるエンジニアのブログを読んだからだ。
「認知的に難しい作業を続けると、流動性知能が向上する可能性がある」という内容だった。
個人開発はまさに「認知的に難しい作業」の塊だ。設計、コーディング、デバッグ、ユーザーフィードバックの分析。これらを継続すれば、IQが上がるかもしれない。
そう思って、開発開始と同時に毎月IQテストを受けることにした。
| 期間 | 測定回数 | 使用したテスト |
|---|---|---|
| Year 1(2022〜2023) | 12回 | オンラインIQテスト |
| Year 2(2023〜2024) | 12回 | 同上 |
| Year 3(2024〜2025) | 12回 | 同上 |
3年間のデータ概要
正確な数値は出せないが(プライバシーと、測定ツールの信頼性の問題で)、傾向を正直に書く。
| 期間 | スコア傾向 | 開発状況 |
|---|---|---|
| 1年目前半 | 横ばい〜微上昇 | 最初のアプリ開発(慣れない技術に苦戦) |
| 1年目後半 | 上昇 | 初リリース後、改善サイクルが回り始める |
| 2年目前半 | ピーク付近 | 2本目のアプリ開発、技術的に成長 |
| 2年目後半 | 下降 | 本業多忙、睡眠不足が続く |
| 3年目前半 | 回復 | 副業の比重を落として睡眠を改善 |
| 3年目後半 | 横ばい | 安定期 |
「3年で劇的にIQが上がった」という結果ではなかった。
「言いにくい」理由
「個人開発でIQが上がる」という仮説を持って始めたのに、実際には「上がり続けた」わけではなかった。
最も影響が大きかったのは、個人開発そのものではなく「睡眠の質」だった。
開発に熱中して夜更かしした時期のIQは、明確に下がった。
反対に、開発を抑えて睡眠を優先した時期は、IQが回復した。
| 変数 | IQへの影響(体感) |
|---|---|
| 個人開発の継続 | 中程度のプラス(認知的刺激) |
| 夜更かし | 強いマイナス |
| 仕事のストレス | 中程度のマイナス |
| 適切な運動 | 中程度のプラス |
| 睡眠の質改善 | 強いプラス |
「個人開発でIQが上がる」のではなく、「睡眠と休養がIQの最大の変数だった」というのが正直な結論だ。
個人開発を続けて確かに変わったもの
IQスコアへの直接的な影響は限定的だったかもしれないが、確かに変わったものがある。
問題を分解する速さ
開発を続けることで、「複雑な問題を小さく砕く」スキルが上がった。これはIQテストの点数には出ないが、実務での思考速度に影響した。
エラーへの耐性
「うまくいかない」状態に慣れた。デバッグを何時間続けても折れなくなった。これは認知的忍耐力の向上だと思う。
「わからないことを調べる」の精度
どこで詰まっているか、何を調べれば解決するか、の判断が速くなった。
これらは「流動性知能(IQスコアに近いもの)」ではなく、「結晶性知能(蓄積された経験知)」だ。
IQテストには出にくいが、実際の開発能力としては向上した。
3年間の副業開発の実績
IQの話ばかりしたが、開発自体の実績も書いておく。
| 成果物 | 状況 |
|---|---|
| 習慣トラッカー(Webアプリ) | 現在も稼働中。MAU約200人 |
| メモアプリ(iOS) | リリース後にピボット、現在は別アプリに統合 |
| ランニング記録アプリ | リリース後6ヶ月でメンテ停止 |
売上は本業の足元にも及ばない。でも「自分が作ったものが使われている」という感覚は代えがたかった。
「IQが上がるかも」という動機で始めた個人開発
振り返ると、「IQが上がるかもしれない」という動機は、個人開発を続けさせるためのセルフモチベーションとして機能した。
毎月IQを測ることで「数値として成長を追う」習慣ができた。
直接の因果はなかったかもしれないが、「認知的成長を意識しながら開発する」という姿勢が、開発の質に影響したと思う。
「IQと個人開発の関係」は、自分の3年間では「直接的なIQ向上というより、認知スタイルへの長期的な影響」だったと言える。
まとめ
| 仮説 | 実際の結果 |
|---|---|
| 個人開発でIQが上がる | 部分的に正しい(直接効果は限定的) |
| 最大の変数は開発量 | 誤り(睡眠質が最大の変数だった) |
| 3年で劇的な変化がある | 誤り(緩やかな変化、睡眠次第) |
| 開発経験は認知に影響する | 正しい(スコアより実務能力に出る) |
「個人開発を3年続けたらIQが劇的に上がった」とは言えない。
でも「個人開発を3年続けたことで、問題解決の思考スタイルは確実に変わった」とは言える。
IQテストのスコアに出るかどうかと、実際の認知能力の変化は別物だ。
それが、3年間の正直な答えだ。
