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MicroPython/CircuitPythonAdvent Calendar 2023

Day 11

PybricksでサポートしているLEGOブロック

Last updated at Posted at 2023-12-11

前回の続きで、PybricksでサポートされているLEGOブロックとそのスペックを紹介します。

LEGO Mindstorms EV3

EV3 MicroPython version v2.0として、いちおうLEGO公式で提供されています。Pybricksの最新バージョンは本記事執筆時点で v3.3 ですが、EV3がすでに製造停止となっているせいか、EV3用の Pybricks は v2.0 で更新が止まっています。

LEGO Mindstorms EV3 で動く debian であるev3dev用の MicroPython となっています。どちらかというとマイコン向けというよりは Unix 版といった感じで、スクリプトにシバンを指定できます。Linux上で動く以上、OS起動に時間がかかりますし、実行のリアルタイム性も低くなっています。

IMG_7214.JPG

マイコンは TI AM1808 という今では古いものが使われていますが、Linuxが動かせるだけあって、メモリは他のものに比べてダントツに大きいです。

MCU 入出力ポート数 電源
TI AM1808 (ARM9)
Clock: 300MHz
RAM: 64MB
Flash: 16MB
入力: 4
出力: 4
単3電池6本
または
専用バッテリー(7.4V/2200mAh)

LEGO Spike プライム(Prime)

LEGO Education が教育市場向けに販売しているセットです。

マイコン内蔵のブロックは、Pybrics では Prime Hub と呼んでいます。日本のLEGO代理店では「ラージハブ」と呼んでいます。

スクリーンショット 2023-12-11 21.01.46.png

現役でサポートしているものとしては一番のスペックを持っていますが、EV3に比べればかなり控えめなスペックです。

MCU 入出力ポート数 電源
STM32F413VG (ARM Cortex-M4)
Clock: 100MHz
RAM: 320KB
Flash: 1MB
FPU: 単精度
6 専用バッテリー(7.3V/2100mAh)

ちなみに、LEGO純正のプログラミング環境でも MicroPython をサポートしていますが、Pybricksではさらに性能とリソース確保を重視しています。

LEGO Mindstorms Robot Inventor

LEGO Spike Prime のコンシューマ市場版です。LEGO は Mindstorms シリーズ終了を宣言したため、すでに製造停止となっています。ただし、ハブは LEGO Spike Prime と(色が違う以外)全く同じであるので、Pybricksで利用可能です。

image.png

LEGO Spike ベーシック (Essential)

LEGO Spike をより低年齢向けにしたセットです。

マイコン内蔵のブロックは、Pybrics では Essential Hub と呼んでいます。日本のLEGO代理店では「スモールハブ」と呼んでいます。

Prime Hubとほぼ同様のスペックを持っていますが、入出力ポートは2つしかありません。

MCU 入出力ポート数 電源
STM32F413RG (ARM Cortex-M4)
Clock: 100MHz
RAM: 320KB
Flash: 1MB
FPU: 単精度
2 専用バッテリー(7.3V/600mAh)

LEGO Technic シリーズ Control+ 搭載もの

LEGO Technic シリーズのうち「CONTROL+」印のあるものにマイコン内蔵のブロックがついています。

マイコン内蔵のブロックは、Pybrics では Technic Hub と呼んでいます。

スクリーンショット 2023-12-11 21.37.08.png

Spike と同じ ARM Cortex-M4 のマイコンを搭載していますが、Spikeと比べればずっと安い価格で入手可能です。ただし、メモリは少なくなっています。

MCU 入出力ポート数 電源
STM32L431RC (ARM Cortex-M4)
Clock: 80MHz
RAM: 64KB
Flash: 256KB
FPU: 単精度
4 単3電池6本

LEGO CITY シリーズ Powered Up 搭載もの

LEGO City シリーズのうち「POWERED UP」印のあるものにマイコン内蔵のブロックがついています。列車もののコントロールに使われていることが多いです。

マイコン内蔵のブロックは、Pybrics では City Hub と呼んでいます。

スクリーンショット 2023-12-11 21.49.38.png

マイコンのスペックは下がって、ARM Cortex-M0 です。メモリはさらに減って、入出力ポートも2つしかありません。列車ものでは、駆動用のモータとライトがあればよいのでポート2つで十分という判断でしょう。

MCU 入出力ポート数 電源
STM32F030RC (ARM Cortex-M0)
Clock: 48MHz
RAM: 32KB
Flash: 256KB
2 単4電池6本

LEGO Boost シリーズ

LEGOのコンシューマー市場向けプログラミング教材です。

マイコン内蔵のブロックは、Pybrics では Move Hub と呼んでいます。
他のハブと違ってモータ2基を内蔵しているため、大きめです。

スクリーンショット 2023-12-11 21.55.42.png

スペックは、Pybricksがサポートしているものの中では最低です。メモリが少なすぎて、REPLが使えないなどの制限があります。

MCU 入出力ポート数 電源
STM32F070RB (ARM Cortex-M4)
Clock: 48MHz
RAM: 16KB
Flash: 128KB
4
(内2つは内蔵モータに接続固定)
単4電池6本

次はプログラミング環境について

次の記事ではPybricksのプログラミング環境であるPybricks Codeの紹介と、ファームウェアのインストールについて書きます。

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