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Microsoft LLM ワークショップ 体験記

Last updated at Posted at 2025-10-05

Microsoft LLM ワークショップへ参加したので、その時の学びを記録する。

1. 理解重視のエンジニアへ

  • 「動いたら終わり」ではなく、挙動と構造を理解するエンジニアになる必要がある。

    • サンプルコードを動かすだけでなく、ドキュメントを読み、動作原理・設計意図を理解することが重要。
    • LLM活用も同様で、動作したあとに挙動を理解する姿勢が求められる。
  • ブログ記事や古い教材の信頼性は低下している。

    • LLM登場以降、情報更新が早く、古い記事はライブラリや依存関係が動作しない場合が多い。
  • 新しいツール(例:Azureリソース)を積極的に触ることで理解が深まる。

2. AI駆動開発

ワークショップでは、以下のシステム設計〜実装の一連の流れを、AIで一気にやるデモがあった。

開発ステップ

  1. 課題設定

    • 成功事例・失敗事例を整理し、課題を具体化する。
  2. アクター定義とユースケース設計

    • 例:「この課題に対してどんなユーザーがどう使うか」
    • AIに「課題からユーザーストーリーを抽出してください」と依頼。
  3. 要件定義・機能要件

  4. 非機能要件

  5. アーキテクチャ設計(Mermaid記法などで図示)

  6. データモデル設計(ER図)

  7. 画面遷移図

    • ※「データフロー図」と「画面遷移図」があれば、他の設計は柔軟に補える。
  8. サンプルデータ作成

    • SQL/NoSQLいずれでも可。挿入手順書も生成可能。

実装フェーズ

  1. DB作成 → データ挿入文生成
  2. Vue.js3 で画面構築
  3. 環境構築手順書の作成
  4. ダミーデータでUI動作確認
  5. Azure FunctionでAPI実装(DB連携前)
  6. 画面とAPIの連携
  7. APIとDBを統合
  8. レポート出力用クエリの作成
  9. Azureリソース選定支援
  10. デプロイ手順の生成と自動化

AIに「設計書」「手順書」まで作成させることがポイント。

3. 会話型開発のすすめ

  • 全自動化よりも、会話を重ねながら進める開発が望ましい。
  • 毎回エージェントをリセットせず、継続的な会話(=RAG的な利用)でコンテキストを保持する。
  • LLMはステートレスのため、入力トークンが多いとコスト・精度ともに悪化する。
    → 対話を分割し、小さく繰り返すやり方が効率的。

4. LLMアプリに組み込むロードマップ

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5. モデルと開発アプローチの知見

モデル理解

  • reasoning(推論)モデルの進化により、
    「例示」「手順」を細かく書かなくても、ゴールとタスクを明示するだけで動作するようになっている。
  • シンプルなプロンプト設計が今後主流になる?

開発の考え方

  • コード修正より新規作成の方が早いケースも出てくる。
    → 既存コードの資産価値は下がる傾向。
  • 論理モデル(概念設計)を中心に管理し、
    DB種別やUIは後から最適化できるように疎結合で設計。

6. ドキュメント化のポイント

  • Markdown形式で成果物を残し、リポジトリのdocsフォルダ等に格納。
  • 会議・メール・議事録が企画や要件の出発点となるので、重要な情報。

7. キャリア・役割の考え方

  • プロジェクトマネージャー(PM):進行管理中心。

  • プロダクトマネージャー(PdM):価値・収益を設計し、事業とつなぐ役割。
    → エンジニアとPdMの協会がなくなっていく

  • 仕様を作れる力が重要。企画・要件定義を主導できる人材が求められている。

  • 技術者もIR(投資家向け資料)を読めるレベルの事業理解が必要。
    →「何が収益を生み出しているか」を把握し、提案できるエンジニアへ。

まとめ

  • 理解を起点にする
    • サンプルを動かして終わりではなく、挙動・設計意図・依存関係まで把握する。LLM活用も「動いた後に理解」で精度と再現性を高める。
  • 会話型で小さく回す
    • 全自動化に拘らず、RAG 的にコンテキストを保ちながら短い対話で分割・反復。トークン・コスト・精度を最適化する。
  • 設計の型を先に固める
    • 課題→アクター/ユースケース→機能/非機能→アーキ→ER/画面遷移→サンプルデータの順で進め、AIには設計書・手順書まで生成させる。
  • 論理モデル中心
    • DB 種別・UI・実装は後で差し替え可能にし、論理(概念)モデルを資産化。既存コードの改修より新規の方が速い場面も想定する。
  • ドキュメントはテキスト基盤
    • Markdown を基本に docs/ に集約。会議・メール・議事録を出発点に要件化し、更新しやすい形式で残す。
  • 役割のシフト
    • PM(進行)だけでなく、PdM(価値/収益)視点を取り込み、仕様を作る力を強化。IR を読み、事業の収益ドライバーを理解して提案できる状態へ。
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