FastReport Embarcadero Edition を日本語化
前回、FastReport Embarcadero Editionのご紹介を書きましたが、今回はUIの日本語化です。
2024/03/07 追記
この記事で取り上げている Recompile Wizard は、Ver.2023.1まで使用されており、Ver.2023.2 でLocalization Systemが変更され、Recompile Wizardが使われなくなりました。
Ver.2023.2以降の場合、
FastReport VCL & FMX 2023.3 の日本語化(1)
FastReport VCL & FMX 2023.3 の日本語化(2)
を参照してください。
FastReportインストール後に、Recompile Wizard で日本語化
Recompile Wizardは、UIの文字を、デフォルトの英語から日本語(あるいは、他の言語)に変更します。
起動は、スタートメニューにある「FastReport」-「Recompile Wizard」を管理者権限で実行します。(バージョンによっては、メニューにない場合があります。その場合は、FastReportをインストールしたフォルダーにあるrecompile.exeを管理者権限で実行します。)
「1. Select the compiler」で使用している Delphi のバージョンを選択、
「2. Select the FastReport version」で「Embarcadero Edition」を選択します。(製品版をお使いの場合、該当するEditionを選択。)
そして、「4. What you want to do」で、「Change language to:」が選択され、「Japanese」になっていることを確認して、「Compile」ボタンをクリックします。
FastReport Embarcadero Edition(Ver.6.4.10)をインストール後、Recompile Wizardで日本語化したとき、
のようになります。
日本語のリソースファイルを書き換えてみよう
各言語のリソースファイルは、FastReportをインストールしたフォルダーの Res フォルダーにあり、日本語のリソースファイルは、Res\Japanese フォルダーにあります。
Recompile Wizard で日本語化するときは、このリソースファイルを使っているようです。
この日本語のリソースファイルですが、いくつか注意する点があります。
- すべての文字が日本語に翻訳されているわけではなく、英語のままの箇所がある。
- 日本語に翻訳されている箇所でも、別の文字にしたほうがいい箇所がある。
- 一部データが欠落していることがある。(英語のリソースファイルのみに存在。)
そこで、「印刷ダイアログ」と「PDFファイルへのエクスポート」の文字をいくつか変更してみたいと思います。
日本語の各リソースファイルを下記のように、書き換えます。
印刷ダイアログ
ファイル | Name | 元のText | 書き換え後のText |
---|---|---|---|
frxrcClass.xml | 201 | プリンタ名 | プリンター |
frxrcClass.xml | 212 | Name: | 名前: |
frxrcClass.xml | 207 | !Other | その他 |
frxrcClass.xml | 206 | 印刷 | 印刷対象 |
frxrcClass.xml | 211 | !Order | ページの順序 |
frxrcClass.xml | 216 | Duplex | 両面印刷 |
frxrcClass.xml | 213 | Print mode | 印刷モード |
frxrcClass.xml | 214 | Print on sheet | 用紙サイズの指定 |
PDFファイルへのエクスポート
ファイル | Name | 元のText | 書き換え後のText |
---|---|---|---|
frxrcExports.xml | 8700 | PDF 形式へのエクスポート | PDF ファイルへのエクスポート |
frxrcExports.xml | 8710 | PDF Standard: | PDFの規格: |
frxrcExports.xml | 8711 | PDF Version: | PDFのバージョン: |
frxrcExports.xml | 8712 | Compressed | 圧縮 |
frxrcExports.xml | 8704 | 概観 | アウトライン |
frxrcExports.xml | 8709 | Transparency | 透過 |
なお、8709, 8710, 8711, 8712は、FastReportインストール直後では日本語のリソースファイルに含まれておらず、1回でも、Recompile Wizard で日本語化したら、自動的に追加されるようです。
もし、日本語のリソースファイルに含まれていない場合、英語のリソースファイルにある
<StrRes Name="8709" Text="Transparency"/>
<StrRes Name="8710" Text="PDF Standard:"/>
<StrRes Name="8711" Text="PDF Version:"/>
<StrRes Name="8712" Text="Compressed"/>
をコピーして、日本語のリソースファイルに追加してから、Textを書き換えます。
書き換えが完了したら、Recompile Wizardを実行します。
最後に
FastReportのアップデートがリリースされるごとに、手作業で書き換えを行うのは手間なので、
- 英語のリソースファイルと日本語のリソースファイルを比較して、欠落しているデータは日本語のリソースファイルに追加する
- 置き換えたい文字列を、あらかじめCSVファイルなどに保存しておき、日本語のリソースファイルの該当箇所を書き換える
これらを行うプログラムを、作ってしまえば良いかもしれません。
(難しいプログラムじゃないので、Delphiユーザーであれば、すぐ作れるかと・・)