1. はじめに
この記事は2025年に2回目の開催となった「IBM i RiSING」にBチームとして参加した際の活動を記録したものになります。
さて、環境準備を行う!PUB400の概要とインストール手順で、PUB400のインストールとログインは完了しました。
ここまでで、PUB400の環境準備はバッチリ!
次のステップに進みます。
今回は、EOL学習サイトで配布されていた「QEOLライブラリー」をPUB400に復元します。
「え、なんで復元するの?」と思うかもしれませんが、これがとても重要です!
PUB400にログインしただけでは、まだ空っぽ。
RPGやDDSを学ぶ教材(ソースやデータ)を取り込み、実際に動かせる環境を作るのが目的です。
2. EOL学習サイトとは
EOL(Education On Line)は、IBM i(旧AS/400)を学ぶための自己学習用プログラムです。
アイ・ラーニング社が提供しており、RPGⅢやRPGⅣなどのプログラミング言語、CLコマンド、操作方法などを体系的に学べる教材が揃っています。
3. 前提条件(準備編)
- 3-1. PUB400のアカウントを作成する(作成済み)
- 3-2. PUB400の5250エミュレータにログインする
- 3-3. EOL学習サイトから教材(SAVFファイル)を入手する
- 3-4. 統合ファイルシステム(IFS領域)を使ってSAVFファイルをPUB400にアップロードする
- 3-5. IFS上のSAVFファイルを自分のライブラリーに復元する
3-1. PUB400のアカウントを作成する(作成済み)
「環境準備を行う! PUB400の概要とインストール手順」で、作成したアカウントおよびパスワードをご準備ください。
3-2. PUB400の5250エミュレータにログインする
PUB400に5250エミュレータでログインする。
Your user name : ログインユーザー(例:XXXXXX)
Password :パスワード
3-3. EOL学習サイトから教材(SAVFファイル)を入手する
(1)i-learningの公式サイトより、QEOL ライブラリー導入用保管ファイル(1.99MB)をダウンロードする。
「QEOL ライブラリー導入用保管ファイル(1.99MB)」にアクセスし、ZIPファイル(qeol.zip)をダウンロードする。解凍し、qeol.savfを入手する。
3-4. 統合ファイルシステム(IFS領域)を使ってSAVFファイルをPUB400にアップロードする
統合ファイルシステム(IFS)とは、IBM iの中にある“フォルダ型”のファイル置き場です。Windowsのように階層構造でファイルを管理できるので、SAVFファイルの転送や操作が簡単にできます!
(2)CHGJOB CCSID(5026) コマンドを実行します。
CHGJOB CCSID(5026) は、IBM i(AS/400)環境で 現在のジョブの文字コード(CCSID)を変更するコマンドです。

(3)CRTSAVF xxxxx1/QEOL コマンドを実行します。
※xxxxxはご自身のログインユーザー
CRTSAVF は Save File(SAVF)を作成するコマンドです。
IBM i では、ライブラリーやオブジェクトを保存・転送するために「セーブファイル(SAVF)」という形式を使います。
このコマンドは「xxxxx1 ライブラリーの中に QEOL という名前のセーブファイルを作成する」という意味です。

※ただし、SAVFの作成は必須ではなく、こちらの手順は省略しても大丈夫です。
(4)ACS 統合ファイル・システム(IFS)を開きます。
統合ファイルシステム(IFS)は、IBM iの中にある“フォルダ型”のファイル置き場です。
Windowsのように階層構造でファイルを管理できるので、SAVFファイルの転送や操作が簡単にできます!
ちなみに・・
Mac環境のメンバーはFTP転送を試みた際に失敗してしまったようです。
原因としまして、MacのFTPクライアントや設定がIBM iの環境とうまく対応していなかった可能性があります。
最終は、ACS 統合ファイル・システム(IFS)での転送という手段で成功したので、今回はその方法を記載しました。
管理:システム構成から「新規」で「一般」タブより、「システム名」に「PUB400.COM」と入力することで、接続先にPUB400を追加します。


「接続タブ」の「デフォルト・ユーザー名を使用してシステムごとに1回プロンプトを出す」のラジオボタンを選択し、「プロンプト名」に「ユーザー名」を入力する。
「システム」より、「PUB400.COM」に接続し、統合ファイルシステムを開く。

(5)ディレクトリーに「/QSYS.LIB/ xxxxx1.LIB」と入力し、実行キーを押す。
「/QSYS.LIB/xxxxx1.LIB」と入力することで、ACSの統合ファイルシステム画面からIBM iのライブラリー(例:xxxxx1)に直接ファイルを転送・確認することができます。
(6)PC上にダウンロードした保管ファイル「qeol.savf」をマウス操作でドラッグ&ドロップ、もしくは、「アクション」->「アップロード」で保管ファイル「qeol.savf」を選択する。
(7)既存ファイルの置換にチェックを入れて、「OK」をクリックして、アップロードを実行
以下のメッセージがでればアップロード完了!
3-5. IFS上のSAVFファイルを自分のライブラリーに復元する
(8)5250エミュレーターで操作:DSPSAVF xxxxx1/QEOLコマンドを実行し、転送出来ていることを確認
このコマンドは、xxxxx1ライブラリー内のQEOLというセーブファイルの中身を表示するためのものです。SAVFファイルが正しく転送・復元されているかを確認するのに使います。
(9)RESTOBJ LIBNAM(QEOL) SAVFNAM(QEOL) SAVFLIB(xxxxx1)コマンドを使用して復元する
xxxxx1 ライブラリーにある QEOL というセーブファイルから、QEOL というライブラリーを復元するというコマンドです。
文字化けして不安になりますが、大丈夫です。
記載されているTMPXXXXXXの部分をメモしておいてください。

(10)WRKLIB TMPxxxxxxで復元されたライブラリーを確認ください。
コマンドに「WRKLIB TMPxxxxxx」を打ち込んで実行してください。
このコマンドは、TMPxxxxxxというライブラリーの中身を一覧表示するためのものです。
ライブラリーが正しく作成されているか、どんなオブジェクトが入っているかを確認できます。

5で表示してください。

オブジェクト名がずらっと並んでいることが確認できました。
おめでとうございます!無事に復元できています!

(11)コマンドSTRPDMでTMPxxxxxxのソースを確認し、①②③のライブラリーにつきまして、それぞれを自分のライブラリー(XXXXXX1)にコピーしてください。

Object QEOLRPGLE in XXXXXX1 type *FILE created. と表示されれば成功!
続いては、ソースコードの読み解きとコンパイルに関する記事に進み、是非チャレンジしてみてください!
IPH220.rpgのソースコード読み解きとコンパイル
よろしければ、他のメンバーの記事も是非読んでみてください!
Bチーム活動報告
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