本記事の内容とサンプルコード
本記事では、「単票形式の画面プログラム」の解説を行う。
IBM i 上に QEOLFF 環境が存在する場合は/QEOLFF/QRPGLESRC/IPL010@YU2.RPGLE
を、環境がない場合でもサンプルコードは次のURLより取得、閲覧可能である。
■例で使用するサンプルコード
前提条件
以下のリンクより、本コンテンツの FF-RPG サンプルコードを閲覧、実行する環境を整備する
参考リンク
以下、リンクは OS バージョンが V7R5 のリンク先となっているが、サイト左の 「バージョンの変更」 より、自身の環境に合ったバージョンへ変更可能。
- IBM i - ILE RPG 解説書(V7R5)
- IBM i - DDS 表示装置ファイル
- FFで許可されていない記述集1(FF - /QEOLFF/QRPGLESRC/@USHIDAY11.RPGLE
画面における固定形式と自由形式の違い
これまで帳票系の自由形式について、解説をしてきたが、画面系だからといって、特にコーディングや学習内容に差異はない。固定形式と自由形式の差異という意味ではこれまでの解説で十分であろう。
むしろ違いは、帳票系の基本的なプログラム構造と画面系の基本的なプログラム構造の違いによるところの方が大きい。帳票系は処理が 「上から下へ流れる制御」 、画面系は処理が 「キー入力イベントによる制御」 と基本構造が異なる。帳票と同様にこれらは、制作者や会社によって流儀が異なり、文化上どの様なプログラム構造を好むかによって、コーディングが大きく異なるが、本サンプル /QEOLFF/QRPGLESRC/IPL010@YU2.RPGLE
は QEOL/QEOLRPGLE.IPL010.RPGLE
をベースに作成されている。
自由形式とは関係ないが、幾つか実装方法等が異なる点を次にあげておく。
QEOLサンプルとの相違点
- 自由形式で作られいている
- 名前付き画面標識を使用している
- PageUp/PageDown機能を追加している
「1.」については、言わずもがなであるが、「2.」については次のセクションのコーディングをする事により、通常の *IN
標識を可読性の良い名前付き標識に置き換える事が出来る。「3.」は実際に使用してみると良いだろう。
2. 名前付き標識の使用方法
■名前付き標識(画面設定)
A*****************************************************************
A** 品目マスター照会画面 **
A** DISPLAY FILE(NAME---IPL010D) **
A*****************************************************************
A PRINT
A CF03(03 '終了')
A INDARA
■名前付き標識(RPG)
// F*画面装置
DCL-F IPL010D WORKSTN INDDS(DSP_PF ) ;
DCL-DS DSP_PF ;
F03 IND POS(03) ;
F12 IND POS(12) ;
PAGEUP IND POS(33) ;
PAGEDOWN IND POS(34) ;
ERR60 IND POS(60) ;
ERR61 IND POS(61) ;
END-DS ;
~~~中略~~~
// C*-***************************************************************
// C*-* @HED 画面処理(見出し **
// C*-***************************************************************
BEGSR @HED ;
WRITE PANEL03 ;
EXFMT PANEL01 ;
ERR61 = *OFF ;
IF F03 = *ON ;
W#CTL = 'END' ; //画面制御
LEAVESR ;
ENDIF ;
//前を取得
IF PAGEUP = *ON ;
EXSR @UP ;
LEAVESR ;
ENDIF ;
- 画面ファイルに機能
INDARA
標識域を設定し 名前付き標識 を使用可能状態にする - RPGのファイルステートメントのキーワード
INDDS
で 名前付き標識 のデータ構造DSP_PF
に割り当てる -
PAGEUP IND POS(33)
名前付き標識PAGEUP
に*IN33
を割り当てる
上記は、*IN33
と意味を持たいない標識名から、意味を持つ PAGEUP
とう名前付き標識に割当をして、RPG で使用する例である。
この様にする事で実際に割り当てる番号は「01~99」の何番でもよくなり、可読性が向上する。
例えば、よくある開発ルールで、次の様ケースだと考察してみる。
- *IN60 : 画面全体エラー
- *IN61~69 : 入力項目1~9のエラー
上記のルールで 「入力項目が追加となりチェック用の標識が1つ必要。*IN70以降は他に既に使用されているため、空いている *IN47 を割り当てる」 となった場合、入力順と標識の順序が一致せず見通しや可読性が低下する。その際に 名前付き標識 であれば番号に意味を持たせる必要がなく対応出来る。
例) *IN47
: 品番エラー
// 品番エラー
IF IN_HNCD <= *ZERO ;
*IN47 = *ON ;
ENDIF ;
例) ERRHNCD
: 品番エラー
DCL-DS DSP_PF ;
F03 IND POS(03) ;
~~~中略~~~
ERRHNCD IND POS(47) ;
END-DS
~~~中略~~~
// 品番エラー
IF IN_HNCD <= *ZERO ;
ERRHNCD = *ON ;
ENDIF ;
本サンプルの参考リンク
ここでは本サンプルで使用された技術の参考リンクを掲載する。
■参考リンク
終わりに
以上で 画面系プログラムその1(単票形式 の解説を終了する。自由形式に関しては冒頭でも述べた通り帳票系と特に変わるわけではなく、帳票で学習した内容は画面系でも活かせる。他にも一覧形式の画面のサンプルが以下のリンクに掲載されているのでコーディングの参考にすると良い。
編集履歴
- 作成日:IBMCJ-2023-C06 (CSC)Y.USHIDA 2023.08.29 15:30 [新規投稿]
- 更新日:IBMCJ-2023-C06 ().____ 20__.. : []
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