OpenAI DevDay 2025
2025年10月6日にアメリカ・サンフランシスコで開催された「OpenAI DevDay 2025」で、Difyのようにマウス操作を中心に簡単にAIエージェントのワークフローを構築できる「OpenAI Agent Builder」が発表されました。
詳しい説明や各ノードの機能については、公式ドキュメント、または関連記事をご覧ください。
@akira_papa_AI 様が先陣を切って紹介してくださっています。
色々見てみる
個人的に最も興味深かったノードは、「User approval」という機能です。
将来、Agent Builderと最も比較されるツールの一つは、Difyだと思います。
現状、Difyには、処理の途中でユーザーの意思を確認し、処理フローを分岐させるようなノードが搭載されておらず、これはAgent Builderを選ぶ大きな理由の一つになるでしょう。
DifyにもGPTなどのAIモデルを用いた条件分岐ノードは搭載されていますが、入力情報が曖昧な場合、ユーザーの意図どおりに分類できないことも少なくありません。
例えば、異なるプロンプトを設定した複数のエージェントやノードを並列に接続し、どのノードを選択するかを機械的に判断するのが難しい場合や、より精密に制御したい場合に、このノードは非常に便利だと思います。
さらに、サービスを開発する上で、AIは確かに便利ですが、関数で処理したほうが早い場合もあります。
特に、比較的専門性の高いツールなど、使用するユーザーの高いリテラシーを前提としたサービスでは、ユーザーの入力内容が機械的な処理に適していることが期待できます。
そのように、ユーザーがある程度規範に沿った入力をしているにもかかわらず、AIで処理してしまうと、処理が無駄に長くなったり、かえって精度の低い結果を返してしまうことがあります。
そうした場合に、よりマニュアル的な制御を可能にするのが、このノードだと思います。
AIにできないことは思い切って人の手に委ねる——そのような選択ができる点は、意外に大きな強みの一つだと思います。
MCP
Agent Builderは、多くのMCPをサポートしています。
サーバーのアドレスと、認証用のAPIキーを入力することで、自作のMCPや、現状公式ライナップに無いMCPもフローに組み込むことができます。
CloudFlare Browser MCPを利用することで、ウェブサイトのスクリーンショットを処理に活用することも可能です。
また、最近ではChatGPTのAgent機能でCanvaを用いたドキュメント作成がサポートされたことから、ウェブサイトをまるごと入力し、テキストの要約だけでなく、複雑なビジュアル情報を含むドキュメントの作成まで行えるようになりそうです。
反社チェッカーを作る
先にご紹介した @akira_papa_AI 様をはじめ、OpenAI Agent Builderについて日本語で紹介してくださっている方は数多くいらっしゃいますが、具体的なサービスを作成している方は現時点では見当たりませんでした。そこで、取引先が暴力団関係者や反社会的勢力と関係を持っていないかをチェックするワークフローを組み立てながら、使い方を学んでみようと思います。
シンプルに作ってみる
Agentノード一つの、シンプルなワークフローを組み立ててみました。

AgentのToolsに、WebSearchという機能があり、プロンプトに応じてAIがウェブ検索を行ってくれます。

Agentには、以下のようなプロンプトを行いました。
# 役割
あなたは、企業のコンプライアンスおよびリスク管理を専門とする、極めて優秀なリサーチアナリストです。
# 指示
1. 【会社名】をWeb検索し、関連する情報を調査してください。
2. 各情報について、**情報源の性質**(例:大手報道機関、業界専門誌、公的機関、口コミサイト、ブログ等)を識別してください。
3. 以下の【判定基準】に基づき、各情報の内容を分析してください。
4. **情報源の信頼性を考慮**し、リスクの確度や深刻度を評価してください。(例:公的機関や主要メディアの一次情報は信頼度「高」、個人のブログや匿名の口コミは信頼度「要検証」として扱う)
5. 分析結果を、下記の【出力形式】に厳密に従ってまとめてください。
6.「暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧表」などのワードが検出された場合、都道府県の反社会的勢力と関わりのある企業一覧に掲載されている可能性がある。「暴力団」「反社会勢力」などのキーワードについては、センシティブにチェックする。
# 判定基準
- **I. 違法行為・不祥事:**
- **キーワード例:** 逮捕, 書類送検, 違反, 処分, 勧告, 命令, 提訴, 敗訴, 漏洩, 改ざん, 隠蔽, 粉飾, 不正会計, 疑惑, 詐欺, 横領, 独占禁止法, インサイダー取引
- **内容:** 法令違反、行政指導・処分、訴訟(特に敗訴や重大な係争)、役員や従業員の逮捕、製品・サービスの重大な欠陥、データ改ざんや隠蔽などのコンプライアンス違反。
- **II. 財務・経営リスク:**
- **キーワード例:** 倒産, 民事再生, 会社更生, 債務超過, 赤字拡大, 業績不振, 株価急落, 資金繰り悪化
- **内容:** 経営危機、支払い遅延、大幅な業績下方修正、監査法人からの指摘など。
- **III. 反社会的勢力との関連:**
- **キーワード例:** 反社, 暴力団, 総会屋, フロント企業, 利益供与, 資金提供, 密接交際, 黒い交際, 特殊詐欺グループ
- **内容:** 反社会的勢力への資金提供、役員・従業員の交際、取引関係、関連企業としての疑惑報道など。
# 出力形式
## 企業名または人名
【会社名】
## 1. 総合評価
(リスクあり / 特筆すべきリスク情報なし)から選択し、評価理由を2〜3行で要約してください。その際、主要なリスクの種類と、根拠となった情報源の信頼性についても簡潔に触れてください。
## 2. リスク分析詳細
(該当するリスクがない場合は「該当なし」と記載)
### リスク項目1
- **リスク種別:** (I〜IIIのいずれか、または複合)
- **リスク:** (あり / なし)
- **該当記事タイトル/情報の見出し:**
- **情報源:** (例: 日本経済新聞、XX省発表資料、OpenWork、X(旧Twitter)など、具体的なサイト名や媒体名を記載 URLを括弧で囲わない!)
- **リスク内容の抜粋・要約:**
- **AI要約:** (なぜこれがリスクと判断されるのか、その潜在的な影響、情報源の信頼性を踏まえた確度について簡潔に記述)
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*(該当するリスクが複数ある場合は、上記の「リスク項目」を繰り返してください)*
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## 3. 注意事項
- 本分析は、提供された多様なデータのみに基づいています。情報の網羅性や最新性を保証するものではありません。
- **分析対象には、信頼性が異なる様々な情報源(報道、公的記録、匿名の口コミ等)が含まれています。情報の確度は情報源によって大きく異なるため、特に口コミや個人の見解に基づく情報については、裏付け調査が必要です。**
- 客観的な事実報道と、憶測や個人的な評判が混在している可能性に常に留意してください。
## 会社名
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動作テスト
検証には、福岡県が公開している 「暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧表」記載の企業を使用しました。
モデルは、格安で使用できる gpt-5-nanoを使用しています。
より高価なモデルを使用することで、更に詳細かつ大量の情報を捌くことができ、こちらはニーズに合わせて最適な物を選択すると良さそうです。

無事、見つけ出すことができました。
さらに、出力フォーマットとしてJSONを使用できるほか、作成したワークフローをコードとしてサービスに組み込むことも可能なため、高度な専門知識がなくても、AIを活用したサービスを簡単に開発できそうです。




