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【個人開発】「家庭」という名のブラック企業を、エンジニアリング思考でホワイト化する

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こんにちは、メルボルン在住の40代エンジニア、HuyRyoです。

エンジニアとして長年システム開発に携わってきましたが、ある日ふと気づきました。 「会社のシステムはこんなに効率化されているのに、なぜ我が家の運営はこんなにレガシーなんだ?」

パスポートの期限切れ、見つからない保険証券、子供の靴のサイズ忘れ、冷蔵庫に貼られた無数のメモ...。 海外生活という変数が加わり、我が家の運営(オペレーション)はまさに**「崩壊寸前のレガシーシステム」**でした。

そこで私は、コードを書く前に**「家庭を一つの企業(組織)として再定義」**し、ゼロから設計し直すことにしました。

それが、プライベート・ファミリーオフィスSaaS 「Hearth Termed」 です。

🔗 プロダクト: https://familyoffice.buzz

エンジニアリング思考で家庭をハックする
このプロダクトの開発において、技術選定よりも重要視したのは**「データモデリング」**です。 家庭内の「名もなき家事」や「散らばった情報」を、いかにして構造化データに落とし込むか。

私が実践した「家庭内DX」の設計思想を共有します。

  1. 家族関係を「CRM」として捉える
    友人や親戚付き合いは、記憶に頼ると必ず抜け漏れが発生します。 そこで、Family Rolodex というCRM(顧客関係管理)モジュールを実装しました。

Last Interaction: 最後にいつ連絡を取ったか?

Gift Strategy: 誰に何を贈り、何を頂いたか?

Talking Points: 次に会った時に話すべき話題は?

これをシステム化することで、「義理の母の誕生日を忘れる」という重大インシデント(バグ)を未然に防ぐことができます。

  1. 資産と家電を「インベントリ管理」する
    「家の冷蔵庫の型番、今すぐ言えますか?」 修理が必要になった時、この情報がないだけで数時間のロスが発生します。

家にあるすべてのモノ(Asset)をオブジェクトとして定義し、Home Operations モジュールで管理しました。 マニュアル、購入日、保証期間、そしてメンテナンス業者の連絡先を紐付けることで、トラブル時のMTTR(平均復旧時間)を劇的に短縮しました。

  1. 法的リスクを「自動化」で回避する
    海外生活において、ビザやパスポートの失効は「サービス停止」を意味します。 Intelligent Vault では、ドキュメントの有効期限を監視(モニタリング)し、閾値を超えたらアラートを飛ばす仕組みを作りました。

また、ベビーシッター契約書などの法的ドキュメント生成にはAIを組み込み、「法務部」 の機能も自動化しました。

UI/UXへのこだわり
エンジニアが作る管理ツールは、得てして「機能は凄いが使いにくい」ものになりがちです。 しかし、ターゲットユーザー(私の妻を含む)にとって、使いにくさは離脱に直結します。

Dashboard: 朝起きて最初に見る「エグゼクティブ・ブリーフィング」

Mobile First: 買い物中や病院ですぐに取り出せるレスポンシブデザイン

Dark Mode: 夜間の操作でも目に優しい設計

「業務システム」ではなく、**「毎日使いたくなる相棒」**を目指してデザインを磨き込みました。

dashboard.png

さいごに
「Run your family like a business.(家庭をビジネスのように運営せよ)」

これは、冷徹に管理するという意味ではありません。 煩雑な管理業務をシステムに任せることで、「家族と笑って過ごすための本来の時間」 を取り戻すための戦略です。

40歳からの個人開発。技術スタック云々よりも、こうした**「課題解決へのアプローチ」**自体が、一番の楽しみだと感じています。

もし、同じような「家庭内レガシーシステム」に悩むエンジニアの方がいれば、ぜひ一度触ってみてください。

🚀 Hearth Termed: https://familyoffice.buzz

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