Charles Li(HumanPen)
LMS 上の AI writing 指標を、ファイルサイズやページ数の比率だと思い込むと、数字の解釈がすぐ崩れる。多くの製品説明では、この指標は提出物の全バイトではなく、採点対象として取り出した連続散文(qualifying continuous prose) に対する分類結果の要約だと書かれている。
本稿は、その分母をレポート/エクスポート側から確認するための短い技術メモ。類似度レポートとの独立性の話でも、検知回避の話でもない。スコアを約束しない。
パイプライン上の除外が先に来る
クラシファイアの前段で、非散文ブロックが落ちることが多い。機関向けドキュメントやベンダー FAQ で繰り返し挙がる例:
| ブロック | 典型的な扱い | 誤解しやすい点 |
|---|---|---|
| Methods の手順リスト・箇条 | 連続散文として扱われにくい | 地図が空白=章が「クリーン」 |
| 表セル・数値行 | 対象外になりやすい | 表を直すとヘッダ % が動く |
| 図キャプション | 除外されがち | ポータルに色が無い=承認 |
| コードフェンス・疑似コード | 散文パイプライン外 | コード章がスコアを「下げた」 |
| 参考文献・付録・書誌 | 多くの設定で対象外 | 付録の言い換えで率が下がる |
ヘッダのパーセントは、残った prose コアの要約に近い。40 ページの PDF でも、採点対象が 8 ページ分の議論散文なら、分類結果を支配するのはその 8 ページ側。
「厚いのに高い/低い」は分母の見え方
理工・社会科学の英語課題では、議論散文より手順・表・付録でページが膨らみやすい。
- 厚いのに AI が高い … prose コアが薄く、そのコアだけが高密度で分類されている可能性を先に疑う。
- Methods/表が多くヘッダが静か … 未採点が多いだけのこともあり、合格印ではない。
実務メモ:
- PDF 上の灰色/未評価帯は「prose として採点していない」であり、「教員が承認した」ではない。
- ハイライト地図に載っていない付録を言い換えても、ヘッダ % の作業面にならないことが多い。
- 直しどころはフラグされた連続散文。Methods リストを整えても、Discussion のハイライト prose が残れば数字の核は残る。
エクスポートで分母を確認する手順
ポータルのチップだけ見ない。全文の AI Writing Report(PDF/機関エクスポート)を開く。
- 凡例で
excluded/unscored/not qualifying prose系の表記を探す。 - Methods・表・付録・参考文献がハイライト地図に載っているか、ページ単位でめくる。
- ヘッダ % 付近に
based on qualifying text系の注があればそのままメモする。 - 修正リストは ハイライトされた連続散文 だけに書き、除外ブロックは別メモ(触らない/事実誤りのみ)。
- Similarity の色付きソース一覧を、AI 分母確認の代用にしない(照合と分類は別系統)。
TA/指導教員に渡す一文
全文エクスポート上、Methods・表・付録は未採点/除外に見え、ハイライトは Discussion と Literature review の連続散文に集中しています。再提出の編集範囲をその prose に限定してよいか確認したいです。
併記するとよいメタデータ:attempt 番号、report ID、export 時刻、除外と判断したブロック、フラグ prose の節タイトル。次の数字の保証は求めない。
関連ツール(任意)
フラグされた連続散文だけを直しつつ引用・表・体裁を保ちたい場合、HumanPen にレポート取り込み〜箇所単位の書き換えフローがある。スコア保証や「過検」系の約束はしない。
まとめ
- AI 文章率の分母は提出物全体とは限らず、連続散文に寄る。
- Methods・表・付録・書誌は未採点になりやすい。空白=合格ではない。
- 修正リストはハイライト prose に限定する。
- オフィスアワーでは分母の話を先に言語化する。