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DelphiAdvent Calendar 2024

Day 9

【Delphi】Delphi 2005 について

Last updated at Posted at 2024-12-08

はじめに

『Delphi 2005』 についての概要です。

image.png

概要

製品概要です。

項目 説明
製品名 Delphi 2005 for Win32
コードネーム DiamondBack
発売年 2004
発売元 Borland Software Corporation
ビルドバージョン 9.0
コンパイラバージョン 17.0
BDS バージョン 3.0
サポートプラットフォーム Windows

『Delphi 2005』は

  • Delphi for Win32
  • Delphi for .NET
  • C# Builder

がセットになった製品です。

前バージョンとの違い

  • for in do が使えるようになった
  • コレクションが書けるようになった
  • 配列コンストラクタが使えるようになった
  • 関数と手続きのインライン化をサポートするようになった
  • 識別子に英数 Unicode 文字を使用できるようになった
  • 型 (クラス) のネストが可能になった
  • 抽象クラス型 (class abstract) が使えるようになった
  • 可視性指定子 strict privatestrict protected が使えるようになった
  • & による識別子を使う事で予約語との名前重複が可能になった
  • CLX フォームアプリケーションはサポートされなくなった
  • 状況依存ヘルプとして HTML Help が使えるようになった (HTMLHelpViewer / WinHelpViewer)
  • TThread.Queue が使えるようになった
  • TSimpleEventTEvent のエイリアスになった
  • TMutex が使えるようになった

その他

  • 『Delphi 2005』は『Borland Developer Studio 2005』という名前にすべきだったと思います。スイート製品に既存の単体製品の名前を付けたらダメでしょ!
  • IDE が刷新された (実際には Delphi 8 から)
  • ソースファイルを UTF-8 で保存する事が可能 (実際には Delphi 8 から)
  • リファクタリングができるようになった (実際には Delphi 8 から)
  • 海外では Delphi 2005 の無償版が存在した
  • インストール CD を読めない事がある (製造時の不具合)
  • イメージエディタ (imagedit.exe) が付属しなくなった
  • リモートデバッガが付属しない
  • 『Quick Report』が付属しない
  • TBitmap にバッファオーバーフローの脆弱性がある
  • アプリケーションマニフェストを適用したアプリケーションを Windows Vista 以降で実行して〔Alt〕キーを単独で押すとコントロールが消える問題がある 1
  • 2004 年には『Windows 2000』の Service Pack 4 がリリースされています
  • 2004 年には『Windows XP』の Service Pack 2 がリリースされています

image.png

正規表現ユニット SkRegExp

このバージョン以降、Pure Pascal で書かれた正規表現ユニット SkRegExp が使えます。

Delphi 標準で正規表現が使えるようになるのは『Delphi XE』以降ですが、若干バギーなので XE2 以降での利用か、SkRegExp の利用をオススメします。

Delphi 2006 以降だと『Delphi XE』以降付属の正規表現ラッパークラスと同等のラッパークラスが使えます。

おわりに

かなりバギーなバージョンです。現在の Windows 環境へのインストールも困難です。

このバージョンは『Delphi 7』から見るとデグレードになっている部分がありますが、次バージョンの『Delphi 2006』でほぼ解消されます。

Delphi for .NET で先行して実装され、Delphi for Win32 で後から実装される機能があります。この状況はDelphi for .NET が廃止されるまで続くため、『Delphi 2009』辺りまでは Delphi for .NET で実装された機能が新機能として紹介されたり、そもそも紹介されなかったりしました。

関連ドキュメントは Delphi for .NET の廃止によりバッサリと切り捨てられたため、ドキュメントの混乱がしばらく続く事となります。

See also:

  1. Fix for QC report 37403 で回避可能。概要は QCWIN:Defect_No=37403

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