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RAD Studio / Delphi / C++Builder 10.3 Rio スタートアップ FAQ

はじめに

2018 年 11 月 22 日 に RAD Studio / Delphi / C++Builder 10.3 Rio がリリースされました。
インストール時のトラブルも出てきたようなのでまとめてみました。
image.png

※10.3 Rio の概要を説明する記事ではありません。概要については細川さんの記事を参照の事。
※インストールに関しては米澤さんの記事を参照の事。

FAQ

Q1: インストーラ (ESD インストーラ) とオフラインインストーラのどちらでインストールすべき?

A1: 回線状況がいいのならインストーラが簡単で高速です。

インストーラは

  • ESD (Electric Software Download) インストーラ
  • Web インストーラ
  • GetIt インストーラ
  • 機能インストーラ
  • オンラインインストーラ

と呼ばれる事があります。紛らわしいのでこの記事中では ESD インストーラと呼ぶ事にします。

オフラインインストーラは DVD (ISO) で提供される従来通りのインストーラです。すべてのファイルが格納されているので回線の調子が悪くても確実にインストールできます。

但し、オフラインインストーラの場合、インストール後に以下の設定を行う必要があります。1

Delphi (Enterprise 以上の SKU):

[ツール|オプション|Delphi オプション|ライブラリ]で[64-bit Linux]を選択し、"参照パス" に以下を貼り付け。

$(BDS)\source\rtl\common;$(BDS)\source\rtl\sys;$(BDS)\source\rtl\linux;$(BDS)\source\ToolsAPI;$(BDS)\source\IBX;$(BDS)\source\Internet;$(BDS)\source\Property Editors;$(BDS)\source\soap;$(BDS)\source\xml;$(BDS)\source\Indy10\Core;$(BDS)\source\Indy10\system;$(BDS)\source\Indy10\Protocols;$(BDS)\source\fmx;$(BDS)\source\databinding\components;$(BDS)\source\databinding\engine;$(BDS)\source\databinding\graph;$(BDS)\source\data;$(BDS)\source\data\ado;$(BDS)\source\data\cloud;$(BDS)\source\data\datasnap;$(BDS)\source\data\dbx;$(BDS)\source\data\dsnap;$(BDS)\source\data\Test;$(BDS)\source\data\vclctrls;$(BDS)\source\rtl\posix;$(BDS)\source\rtl\posix\linux;$(BDS)\source\data\datasnap\connectors;$(BDS)\source\data\datasnap\proxygen;$(BDS)\source\DataExplorer;$(BDS)\source\Experts;$(BDS)\source\indy\abstraction;$(BDS)\source\indy\implementation;$(BDS)\source\indyimpl;$(BDS)\source\Property Editors\Indy10;$(BDS)\source\soap\wsdlimporter;$(BDS)\source\Visualizers;;$(BDS)\source\data\rest;$(BDS)\source\data\firedac;$(BDS)\source\tethering;$(BDS)\source\DUnitX;$(BDS)\source\data\ems;$(BDS)\source\rtl\net

C++Builder:

[ツール|オプション|C++ オプション|パスとディレクトリ|32 ビット Windows]の[コンパイラ]タブにある "システム インクルード パス" に以下を貼り付け。

$(BDSINCLUDE);$(BDSINCLUDE)\dinkumware64;$(BDSINCLUDE)\windows\crtl;$(BDSINCLUDE)\windows\sdk;$(BDSINCLUDE)\windows\rtl;$(BDSINCLUDE)\windows\vcl;$(BDSINCLUDE)\windows\fmx;$(BDSCOMMONDIR)\hpp\$(Platform)

Q2: インストール時にライセンス入力しなくてよかったけど?

A2: アップデートサブスクリプション加入者は自動でライセンスが検出されます。

楽ちんですね。

Q3: Community Edition でライセンスが通らないのだけれど?

A3: 10.2 Tokyo のキーを使おうとしていませんか?10.3 Rio のキーは 10.2 Tokyo とは異なります。

10.2 Tokyo と 10.3 Rio は同時にインストール可能で Community Edition もその例外ではないのですが、Community Edition の場合、利用期限があるため 10.2 Tokyo はそのうち使えなくなります。

Q4: Community Edition のオフラインインストーラはないの?

A4: あります。

10.2 Tokyo の時は ESD インストーラしかなかったのですが、10.3 Rio では ISO がダウンロード可能です。

Q5: インストール後にオプションで機能を追加したくなった。

A5: ESD インストーラでインストールした時とオフラインインストーラでインストールした時で対処方法が異なります。

ESD インストーラの場合[ツール|プラットフォームの管理...]から機能マネージャ を開きます。
image.png
オフラインインストーラの場合、スタートメニューにある [変更、修復、アンインストール] を実行します。
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Q6: ターゲットプラットフォームは 10.2 Tokyo と同じなのね。

A6: 違います。

DocWiki が更新されておらず 10.2 Tokyo のままになっているようです。

ターゲットプラットフォーム 要件
Windows Windows 7(SP1 +)
Windows 8.1
Windows 10
Windows Server 2012
Windows Server 2016
macOS 10.12 Sierra
10.13 High Sierra
10.14 Mojave
iOS iOS 10.x
iOS 11.x
iOS 12.x
Android Lollipop (5.x)
Marshmallow (6.x)
Nougat (7.x)
Oreo (8.x)
Pie (9.x)
Linux2 Ubuntu Server (Ubuntu 14.04 LTS)
Ubuntu Server (Ubuntu 16.04 LTS)
Ubuntu Server (Ubuntu 18.04 LTS)
RedHat Enterprise Linux (version 7)

Q7: デスクトップの設定を保存するボタンがない?

A7: ないですね。

このボタンの [保存...] が従来の [現在のデスクトップ設定を保存] あるいは [表示 | デスクトップの配置 | 保存...] に相当します。
image.png
ツールバーを右クリックして [カスタマイズ...]、[コマンド] タブの "表示" にある "保存..." をドラッグ&ドロップでツールバーに持っていってもいいのですが、解っていれば上記のボタンで問題ありません。
image.png
問題はデスクトップ設定を削除する方法がデフォルトでは存在しなくなった事かと思います。カスタマイズに "削除..." があり、これをツールバーへドラッグ&ドロップで持って行けば "デスクトップ設定の削除" は使えるのですが、
image.png
この機能にはアイコンが設定されていないため、見栄え的にはよろしくないかもしれません。
image.png
デスクトップ設定を削除する機会はあまりないかと思うので "デスクトップ設定を削除したい時は (一時的に) カスタマイズから持ってくればいい" という情報だけ覚えておけばいいかと思います。

Q8: IDE テーマを無効にしてもツールボタンが薄ら青いんですけど?

A8: 以下の手順で直せます。

確かに薄ら青いですね (w
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IDE を一旦閉じて以下の手順を行ってみてください。

  1. <インストールフォルダ>\bin へ行く
  2. BDSSetLang.exe を起動する。
    image.png
  3. IDE の UI 言語を日本語以外に変更する。
    image.png
  4. IDE の UI 言語を日本語に戻す。
    image.png
  5. [OK] ボタンを押す。
  6. IDE を起動する。

image.png

直りました!

母国語が英語の方 (or 日独仏以外) は BDSSetLang で選べる言語が一つしかないという状況が発生し得ます。その場合には A5. の手順で言語を追加しないとこの回避策は使えませんね。

追記: もっと簡単な回避策がありました。レジストリキー HKEY_CURRENT_USER\Software\Embarcadero\BDS\20.0\Toolbars を削除するだけです。

init_Rio_Toolbar.reg
Windows Registry Editor Version 5.00

[-HKEY_CURRENT_USER\Software\Embarcadero\BDS\20.0\Toolbars]

レジストリファイルにして実行してもいいでしょう。

Q9: Delphi でターゲットプラットフォームが Windows 32bit の時、デバッグ実行すると落ちたり挙動不審になる。

A9: ESET か F-Secure 製品をお使いですか?

リアルタイムファイルシステム保護をオフにしてみてください。

Q10: C++Builder でターゲットプラットフォームが Android の時、空のプロジェクトをコンパイルしてもエラーになる。

A10: Android SDK / NDK の再構築が必要です。

具体的には以下の手順になります。Delphi の場合も [SDK マネージャ] で <!> マークが付いている場合には再構築が必要です。

  1. [ツール | オプション...]
  2. 配置 >> SDK マネージャ
  3. リストに存在する Android SDK 25.2.5 32bit を削除。
  4. [追加(A)...] プラットフォームを Android にして SDK バージョンで [新規追加...] を選ぶ。
    image.png
  5. SDK パスと NDK パスを設定して [次へ]。基底パスはインストーラの種類によって異なる。
    ESD: C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\20.0\CatalogRepository
    ISO: C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\20.0\PlatformSDKs
    image.png
  6. 正しく設定されていればすべての項目が埋まるので、[終了]ボタンを押す。
    image.png

String.h のエラーが出る場合は、この再構築ができていません。Stdint.h のエラーが出る場合には NDK のバージョンが合っていません。10.3 Rio では Android NDK 17 beta 以上が必要です。

10.2 Tokyo の NDK は R9C ですが、C++Builder ではこれを共有する事はできません。Delphi だと R9C でも大丈夫なようです。

なので、前のバージョンと同居させる場合、SDK は共有できますが、NDK は共有できません。インストール時には必ず Android NDK のチェックを入れましょう。

後で NDK をインストールする事もできます。Windows 32 ビット用の NDK をダウンロードしてください。
image.png

再構築の件は現状、英語版のリリースノートにしか書かれていません。

Q11: RAD Studio で C++Builder パーソナリティを起動したけれど [ファイル | 新規作成] メニューが空になってる。

A11: [ファイル | 新規作成 | カスタマイズ...] でメニュー項目を引っ張り出しましょう。

おま環かもしれませんが、私のトコではこうなってました。3 オフラインインストーラです。
image.png
このように [ファイル | 新規作成] メニューが空の場合は、 [ファイル | 新規作成 | カスタマイズ...] で
image.png
このように設定しましょう。メニュー項目はドラッグ&ドロップで持ってこれます。

カスタマイズの設定は RAD Studio で起動し、プロジェクトを読み込まない状態で行います。パーソナリティ (Delphi / C++Builder) やフレームワーク (VCL / FMX) が確定した状態だと持ってこれない (表示されない) メニューアイテムがあるからです。Delphi / C++Builder 単体製品の場合にはプロジェクトを読み込んでいない状態で行ってください。

プロジェクトを読み込んでいる場合には [ファイル | すべて閉じる] でフレームワーク未確定の状態にできます。RAD Studio の場合にはパーソナリティも未確定の状態になります。

Q12: インライン変数を試したら赤線が引かれて構造ビューにエラーが報告される。

A12: 残念ながらエラーインサイトが対応していないようです。

このようなコードには赤線が引かれ、
image.png
構造ビューにエラーが。
image.png
気になる人は [ツール | オプション] からエラーインサイトのチェックを外しておくといいです。
image.png
将来のアップデートまたはバージョンアップに期待ですね。

Q13: IDE テーマをオフにすると GetIt が AV 吐いて死ぬんだけど?

A13: らいなタンさんによる回避策があります。

IDE テーマをオフにすると IDE が軽くなってステキなのですが、様々な副作用があります。

その中でも致命的なのは GetIt が AV を吐いて (場合によっては) IDE を巻き込んで死ぬ件です。
image.png

これを回避するパッチをらいなタンさんが作られました...あらヤダ、ステキ!

パッチのインストール

このパッチの具体的な適用方法は以下の通りです:

  1. [ファイル | 新規作成 | パッケージ]
  2. [ファイル | すべて保存] でプロジェクトを pkgRioGetItFix.dproj として保存。
  3. [プロジェクト | プロジェクトに追加] で RioGetItFix.pas をプロジェクトに追加。
  4. [プロジェクトマネージャ] で pkgRioGetItFix.bpl を右クリックして [インストール]。
    image.png
  5. [ファイル | すべて保存]

パッチのアンインストール

このパッチが将来不要になった場合には以下の手順で削除します。

  1. [コンポーネント | パッケージのインストール]
  2. pkgRioGetItFix.bpl を選択して [削除]
    image.png

または、

  1. [ファイル | プロジェクトを開く] で pkgRioGetItFix.dproj を開く
  2. [プロジェクトマネージャ] で pkgRioGetItFix.bpl を右クリックして [アンインストール]。
    image.png

Q14: ビルドすると Invalid PLATFORM variable ってエラーが出る。

A14: HP 製の PC で発生する事があります。

以下の記事に従って問題を解決してください。

Q15: Delphi / C++Builder Professional 単体でモバイル開発環境がインストールされない!

A15: ライセンスを確認しましょう!

10.2.3 Tokyo において、Delphi / C++Builder の Professional SKU 単体にモバイル開発環境が追加されました。10.3 Rio よりも前に Delphi / C++Builder Professional を購入した方はライセンスを確認してみてください。

登録製品 (EDN) または メンテナンスポータルDelphi 10.3 Rio Professional with Mobile / C++Builder 10.3 Rio Professional with Mobile というライセンスキーが表示されていませんか?

10.2 以前のライセンスキーでインストールしてしまった (されてしまった) のであれば、以下の手順でライセンスキーを差し替えてください。

 1. [ヘルプ | ライセンスマネージャ...] でライセンスマネージャを開き、10.3 Rio のライセンスを [削除] する。
 2. 10.3 Rio Professional with Mobile のライセンスを [登録] する。
 3. Q5. を参考に機能追加でモバイル機能を追加する。

※ライセンスキーが同じであったとしても、ライセンスマネージャで [削除] 後に [登録] してみてください。この手順を行う事が重要です。

Q16 C++ Builder 単体だとプロジェクトオプションの [アプリケーション] ツリーの下にアイコンとマニフェストのページが出ない!

A16 RAD Studio の場合には RAD Studio で起動して C++ Builder のプロジェクトを開いてください。

この件がどういう事かと言うと、

 1. [新規作成 | Windows VCL アプリケーション]
 2. [プロジェクト | オプション]

上記手順でプロジェクトオプションを開いた場合、Delphi だとこうなります。
image.png
C++Builder の場合は...
image.png
アイコンとマニフェストのページがありません。しかしながら RAD Studio で起動して C++Builder のプロジェクトを開いたり新規作成した場合には、
image.png
ちゃんとアイコンとマニフェストのページが出てきます。

現在の所、C++Builder 単体製品だと回避方法はないように思われます。

終わりに

とにかくまずはインストールノートリリースノートをよく読んでください。その上でなのですが、英語版のリリースノートには日本語版に書かれていない重要な情報がありますので、こちらにもちゃんと目を通すことをオススメします。

※ 他に何かありましたら順次追加します。


  1. 10.2 Tokyo にも類似の問題があります。 

  2. すべて 64bit (x64) 

  3. 実は 10.2 Tokyo でもこうなりました。